式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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そしてラスト。
「ったく…何で最後は俺らも乗せようとすんだぁ」
「だってほら、遊園地で終わりと言ったら観覧車だろ?んでもって、そーいうのはお約束ってやつなワケ。バカ鮫でも分かるだろ?」
「あ゛ぁそうだなぁ…」
答えながらもスクアーロは冷や汗を流しつつ、後ろから発せられる殺気を気にしないように努めていた。
…あれは本当に、本気でどうしたらいいのだろう。放っておいて良いのだろうか。
などと思ってみても、結局自分にだって解決方法は見つからない。
そんな自分の肩を、ポンとマーモンが叩いた。
「スクアーロ、頑張ってね」
「そう思うなら初めから火種を持ってくんじゃねぇよ」
「それは無理。悪いけど」
「…」
即答された。
だが、だからといって現状がどうにも受け入れたくない物であることは変わりない。このくらいの怒りならば自分に八つ当たりが来て終了、というのが一番多いパターンだろう。実際、ベルフェゴールはそうだと確信したから観覧車に無理矢理乗せたのだ。
つまり、自分はともかく主犯たちは安全域にいるわけで。
「…不条理だよなぁ…」
「何言ってんだよバカ鮫。お前って俺の代わりに苦労するためだけに生まれてきた苦労鮫なんだろ?」
「そんな目的持ってねぇッ!」
「えー?そうなんだ?」
さも今知りましたと言わんばかりの表情を浮かべるベルフェゴールだったが、見れば口元は満面の笑みが浮かんでいる。
…確信犯。
もうそうであるなら関わるのも止めてしまえと王子から意識を外して、今は少し遠ざかった遊園地の、一番よく目立つアトラクションである観覧車を眺めた。そのために振り向くその際に、ザンザスが見えないように苦心して。
「あれに乗れとか言わなかったら最後の一線守れてたんじゃねぇのか…?」
「だろうね。それは僕も思う」
「思うなら止めろ」
「嫌だ」
「また即答かぁ…」
「また即答さ」
くすくすと笑いながらマーモンは答え、ふ、っとスクアーロの頭の上から離れて宙に浮いた。どうせ人目も気にしていないだろうから、初めからそうしておけば良かっただろうと思ったが口にはしない。言ったところで無駄だろう。
代わりにどっと疲れを覚え、片手で頭を押さえる。
「…まぁ、楽しかったんだなぁ?」
「楽しかったよ。無料で楽しめるなんて本当に素晴らしい体験だったね」
「お前らし…マーモン?」
言葉の途中で急に手元に降ってきたマーモンを受け止めると、彼はどうやら眠ってしまっているようだった。自分たちとは別行動でずっと遊んでいたから、もしかしたら疲れてしまっているのかも知れない。
ということは、と視線をずらしてみれば案の定。ベルフェゴールも先ほどとは打って変わって眠そうに目を擦っていた。我慢の限界、という所か。
そんな王子はその後、車の後頭部座席に崩れ落ちるやいなや、直ぐに寝息を立てだした。その直ぐ側にマーモンを置いて、呆れながら二人を見下ろす。よくまぁここまで疲れるくらいに遊べたものだ。いっそ見事だと褒めてやりたい気分になってくる。
それはどうやらザンザスも同様だったようで、先ほどまでの刺々しい気配はややなりを潜め、代わりにとことん呆れたような表情を見せていた。
「こいつら本当に暗殺者か?」
「いや、そこを疑ったら悪ぃだろ」
「少なくとも俺には、今のこいつらは暗殺者に見えねぇがな」
「誰だって一緒じゃねぇか?…何てーかな…こいつら、見事に『子供』やってんな」
それは、自分には出来なかったことだ。
出来なかったからと言って何がどうというわけではないし、羨ましいとは到底思えないが。
「…ま、見物する分には悪くねぇかもしれねぇ」
「どこがだ。見物どころか巻き込まれてんじゃねぇか」
「今回はな。次はどうにか回避しようぜ」
「テメェは巻き込まれとけ」
「な!?」
「その様子を俺が上から見て嘲笑ってやる」
「そんなん言われて誰が巻き込まれるかッ!」
叫び返すと、頭を思い切り殴られた。煩い、ということらしい。
なら叫ばせるなと言うのが自分の主張だが、それを言ったら折角浮上しているらしい機嫌を再び損ねることになりかねないので、止めた。こんな気遣いもどきは自分のがらに合わないし気に入らないのだが、それでも生死に関わるのならば実行するほか無いのである。
そしておまけがありますが、それは次回。
そんな感じの暗殺部隊でした。
「だってほら、遊園地で終わりと言ったら観覧車だろ?んでもって、そーいうのはお約束ってやつなワケ。バカ鮫でも分かるだろ?」
「あ゛ぁそうだなぁ…」
答えながらもスクアーロは冷や汗を流しつつ、後ろから発せられる殺気を気にしないように努めていた。
…あれは本当に、本気でどうしたらいいのだろう。放っておいて良いのだろうか。
などと思ってみても、結局自分にだって解決方法は見つからない。
そんな自分の肩を、ポンとマーモンが叩いた。
「スクアーロ、頑張ってね」
「そう思うなら初めから火種を持ってくんじゃねぇよ」
「それは無理。悪いけど」
「…」
即答された。
だが、だからといって現状がどうにも受け入れたくない物であることは変わりない。このくらいの怒りならば自分に八つ当たりが来て終了、というのが一番多いパターンだろう。実際、ベルフェゴールはそうだと確信したから観覧車に無理矢理乗せたのだ。
つまり、自分はともかく主犯たちは安全域にいるわけで。
「…不条理だよなぁ…」
「何言ってんだよバカ鮫。お前って俺の代わりに苦労するためだけに生まれてきた苦労鮫なんだろ?」
「そんな目的持ってねぇッ!」
「えー?そうなんだ?」
さも今知りましたと言わんばかりの表情を浮かべるベルフェゴールだったが、見れば口元は満面の笑みが浮かんでいる。
…確信犯。
もうそうであるなら関わるのも止めてしまえと王子から意識を外して、今は少し遠ざかった遊園地の、一番よく目立つアトラクションである観覧車を眺めた。そのために振り向くその際に、ザンザスが見えないように苦心して。
「あれに乗れとか言わなかったら最後の一線守れてたんじゃねぇのか…?」
「だろうね。それは僕も思う」
「思うなら止めろ」
「嫌だ」
「また即答かぁ…」
「また即答さ」
くすくすと笑いながらマーモンは答え、ふ、っとスクアーロの頭の上から離れて宙に浮いた。どうせ人目も気にしていないだろうから、初めからそうしておけば良かっただろうと思ったが口にはしない。言ったところで無駄だろう。
代わりにどっと疲れを覚え、片手で頭を押さえる。
「…まぁ、楽しかったんだなぁ?」
「楽しかったよ。無料で楽しめるなんて本当に素晴らしい体験だったね」
「お前らし…マーモン?」
言葉の途中で急に手元に降ってきたマーモンを受け止めると、彼はどうやら眠ってしまっているようだった。自分たちとは別行動でずっと遊んでいたから、もしかしたら疲れてしまっているのかも知れない。
ということは、と視線をずらしてみれば案の定。ベルフェゴールも先ほどとは打って変わって眠そうに目を擦っていた。我慢の限界、という所か。
そんな王子はその後、車の後頭部座席に崩れ落ちるやいなや、直ぐに寝息を立てだした。その直ぐ側にマーモンを置いて、呆れながら二人を見下ろす。よくまぁここまで疲れるくらいに遊べたものだ。いっそ見事だと褒めてやりたい気分になってくる。
それはどうやらザンザスも同様だったようで、先ほどまでの刺々しい気配はややなりを潜め、代わりにとことん呆れたような表情を見せていた。
「こいつら本当に暗殺者か?」
「いや、そこを疑ったら悪ぃだろ」
「少なくとも俺には、今のこいつらは暗殺者に見えねぇがな」
「誰だって一緒じゃねぇか?…何てーかな…こいつら、見事に『子供』やってんな」
それは、自分には出来なかったことだ。
出来なかったからと言って何がどうというわけではないし、羨ましいとは到底思えないが。
「…ま、見物する分には悪くねぇかもしれねぇ」
「どこがだ。見物どころか巻き込まれてんじゃねぇか」
「今回はな。次はどうにか回避しようぜ」
「テメェは巻き込まれとけ」
「な!?」
「その様子を俺が上から見て嘲笑ってやる」
「そんなん言われて誰が巻き込まれるかッ!」
叫び返すと、頭を思い切り殴られた。煩い、ということらしい。
なら叫ばせるなと言うのが自分の主張だが、それを言ったら折角浮上しているらしい機嫌を再び損ねることになりかねないので、止めた。こんな気遣いもどきは自分のがらに合わないし気に入らないのだが、それでも生死に関わるのならば実行するほか無いのである。
そしておまけがありますが、それは次回。
そんな感じの暗殺部隊でした。
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