式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
折角初代の雲が出てきたので。お祝いということで。祝えてないけれど。
「やぁ」
なんて言って、ニコリと笑みを浮かべて立っている初代を見て。
正直、即行でどこかに逃げようかと思った自分は悪くないと思う。
考えてみると、最近自分は彼の『実験台』にされているのだし、彼の側に寄りたいと思う方が妙ではある。料理の腕を上げたいのは構わないのだが、その味見に自分を使わないで欲しい。それで一体何回生死の狭間を彷徨ったことか。
しかし、目を付けられた時点で逃げ様はない。
万事休す、とはこのことを言うのである。
逃げるのを諦めて初代の方を向き、雲は出来るだけ無表情で口を開いた。
「…何の様?」
「大したことじゃないんだが、ちょっと調べ物をしてくれないか」
「断る。自分の所でやればいい」
「お前の国の話なんだが」
「それこそ知らないね」
ふい、と視線を逸らして雲は答えた。
そんなこと、おいそれと話す事が出来るわけがないだろう。調べる、ということはそれ以上に。言った何を調べさせる気かは知らないが、全く、どのみち面倒なことなのだろうし、気乗りはしない。
そう、気乗りがしないのだ。
雲にとって実際の所、国がどうこうなどという面倒な話は、それこそ滅ぶ滅ばないのレベルにならないのならばどうでも良い。ただ、気乗りがしないだけなのである。それだけの理由だろうと、充分な動機ではある。
「自分でやれば良いんだよ、本当に」
「そうか、残念だな。時に雲」
「何?話は終わったよ?」
「まぁ、そう急くな。これからのは別件だ」
「…それなら」
聞いてやらないこともないが。
それで、何?と、聞く姿勢を作ってやると、彼はにこやかに言った。
「お前、何か好きな食べ物はあるか?」
「……?」
「良かったら作ってやるが」
「…!?ちょっと待っ…」
「ちなみに拒否権は無い」
どうだ?と笑みのままに続ける初代。
それを…見るしかできない自分。
拒否権がないと言ったら、本当に拒否権はない。逃げようと思ったら自分以外の守護者が全員出てきたりもするし、それは全員蹴散らすから良いとしても、初代がゴール地点に待ちかまえていたりするのだ。しかも手に何か色々と持って、直ぐ側にも色々と道具を老いていたりして。そこを逃げようとしても殆ど上手くいかず、成功したとしても疲れ切ったところに初代本体が来るのであり。
逃げ切ったことは、無い。
というわけで。
「…何を知りたいの」
ここは素直に口を割るのが一番だった。ちなみに先に自分から折れることによって、彼からの圧力を減らす効果も期待できる。
そうはいっても苦渋の決断なのだが、そんなこと気にするわけもなく初代は目を軽く見開いて感心した様に言った。
「おぉ、脅しに屈したな」
「放っておいてくれる…!?だいたい誰のせいだと思って、」
「俺のせいだな、悪い。それでなんだが」
そうして彼が口にしたのは存外、真面目な話。
もっと別の、それこそ国が傾きかける様な内容かと危惧していただけに、その質問は何とも言えず意外なものであって、雲は少しだけ眉をひそめた。
「そんなことだけで良いの?」
「あぁ……構わないな。お前の危惧してることは何となく分かるし、失礼なと言ってやりたいんだが…」
「…」
いや、失礼でも何でもないだろう。
そう思いはしたが言っても無駄なので、その言葉を飲み込んで、とりあえず初代の言葉を聞く事にする。
「別に、あの国を滅ぼすなんてまだ考えていないしな」
「…それは、そのうちに滅ぼすと言う事かい?」
「いいや、未来は分からないと言うことだな」
静かに武器に手を伸ばしながら問うと、彼は首を横に振った。
「ただ、今はそうではないから、必要な情報だけ欲しいというわけだ」
「…そ。じゃあ、後で紙にでも書いて情報は渡す。口頭は面倒だ」
「分かった。待ってるぞ」
「待たなくても良いよ。直ぐに行くから」
ひら、と手を振って雲は初代に背を向けた
調べ物はお手の物、な雲の守護者なのですね。トップと言いますし。
そして私は初代をどこへ連れて行きたいのだろう(主に前半)。
なんて言って、ニコリと笑みを浮かべて立っている初代を見て。
正直、即行でどこかに逃げようかと思った自分は悪くないと思う。
考えてみると、最近自分は彼の『実験台』にされているのだし、彼の側に寄りたいと思う方が妙ではある。料理の腕を上げたいのは構わないのだが、その味見に自分を使わないで欲しい。それで一体何回生死の狭間を彷徨ったことか。
しかし、目を付けられた時点で逃げ様はない。
万事休す、とはこのことを言うのである。
逃げるのを諦めて初代の方を向き、雲は出来るだけ無表情で口を開いた。
「…何の様?」
「大したことじゃないんだが、ちょっと調べ物をしてくれないか」
「断る。自分の所でやればいい」
「お前の国の話なんだが」
「それこそ知らないね」
ふい、と視線を逸らして雲は答えた。
そんなこと、おいそれと話す事が出来るわけがないだろう。調べる、ということはそれ以上に。言った何を調べさせる気かは知らないが、全く、どのみち面倒なことなのだろうし、気乗りはしない。
そう、気乗りがしないのだ。
雲にとって実際の所、国がどうこうなどという面倒な話は、それこそ滅ぶ滅ばないのレベルにならないのならばどうでも良い。ただ、気乗りがしないだけなのである。それだけの理由だろうと、充分な動機ではある。
「自分でやれば良いんだよ、本当に」
「そうか、残念だな。時に雲」
「何?話は終わったよ?」
「まぁ、そう急くな。これからのは別件だ」
「…それなら」
聞いてやらないこともないが。
それで、何?と、聞く姿勢を作ってやると、彼はにこやかに言った。
「お前、何か好きな食べ物はあるか?」
「……?」
「良かったら作ってやるが」
「…!?ちょっと待っ…」
「ちなみに拒否権は無い」
どうだ?と笑みのままに続ける初代。
それを…見るしかできない自分。
拒否権がないと言ったら、本当に拒否権はない。逃げようと思ったら自分以外の守護者が全員出てきたりもするし、それは全員蹴散らすから良いとしても、初代がゴール地点に待ちかまえていたりするのだ。しかも手に何か色々と持って、直ぐ側にも色々と道具を老いていたりして。そこを逃げようとしても殆ど上手くいかず、成功したとしても疲れ切ったところに初代本体が来るのであり。
逃げ切ったことは、無い。
というわけで。
「…何を知りたいの」
ここは素直に口を割るのが一番だった。ちなみに先に自分から折れることによって、彼からの圧力を減らす効果も期待できる。
そうはいっても苦渋の決断なのだが、そんなこと気にするわけもなく初代は目を軽く見開いて感心した様に言った。
「おぉ、脅しに屈したな」
「放っておいてくれる…!?だいたい誰のせいだと思って、」
「俺のせいだな、悪い。それでなんだが」
そうして彼が口にしたのは存外、真面目な話。
もっと別の、それこそ国が傾きかける様な内容かと危惧していただけに、その質問は何とも言えず意外なものであって、雲は少しだけ眉をひそめた。
「そんなことだけで良いの?」
「あぁ……構わないな。お前の危惧してることは何となく分かるし、失礼なと言ってやりたいんだが…」
「…」
いや、失礼でも何でもないだろう。
そう思いはしたが言っても無駄なので、その言葉を飲み込んで、とりあえず初代の言葉を聞く事にする。
「別に、あの国を滅ぼすなんてまだ考えていないしな」
「…それは、そのうちに滅ぼすと言う事かい?」
「いいや、未来は分からないと言うことだな」
静かに武器に手を伸ばしながら問うと、彼は首を横に振った。
「ただ、今はそうではないから、必要な情報だけ欲しいというわけだ」
「…そ。じゃあ、後で紙にでも書いて情報は渡す。口頭は面倒だ」
「分かった。待ってるぞ」
「待たなくても良いよ。直ぐに行くから」
ひら、と手を振って雲は初代に背を向けた
調べ物はお手の物、な雲の守護者なのですね。トップと言いますし。
そして私は初代をどこへ連れて行きたいのだろう(主に前半)。
PR
この記事にコメントする