式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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あまり作品数増えてないから、学院も増やさないとね…っていう事で。
「たくよぉ…毛利の野郎…生徒会でもない俺をこき使いやがって」
「嫌なら逃げれば良いだろうが」
「それが出来るならとうにやってるっての。アイツには質取られてんだよ」
「…あぁ、そういやそうだったか?」
そう言えばそんな話もあったような。
元親と並んで下校しながら、政宗は過去のことを思い出していた。
確か、質というのは模型とか何とかで、取っているのは当然ながら元就であって。だから元親にはどうしようもないほど拒否権がないのだ、と言う話。
…何というか。
「お前、実はかなり苦労してんだよな」
「そう言ってくれるのは政宗だけだぜ……」
涙ぐむふり…ではなくて本当に涙ぐみはじめた元親を見て、ほんの少し動揺する。まさかそこまで追い詰められていたというのか。
思わず、本当かどうかを問いかけていた。
「…マジで?」
「…いや、佐助くらいも言ってくれるけどな」
「他」
「…えっと…な…」
もう思いつかなくなったらしい。
佐助だけでも言ってくれる人がいるというのは、彼にとってはきっとありがたい事なのだろう。自分も含まれていると言えるのだが、基本的に全員『それが当たり前』の領域に至ってしまっているので、誰もそれに関して疑問を抱かない。
しかも、それがとてもしっくり来ていると言うから笑えないのだ。
…これが、慣れ、なのだろうか。
「いやいやまさかそんなんねぇだろ…」
「…政宗?」
「…?…あぁ…何でもねぇよ」
ついつい心の声を呟いた自分を訝しく思った様子の彼名を呼ばれ、我に返って首を振る。生憎と心配されるいわれはないし、むしろ心配なのは元就と元親の関係だ。このままではあるいは、学院を卒業した後でも同じポジションに置かれてしまう可能性があった。
それは…流石にキツイだろう。
だが、自分にはそれが有り得ないと言い切れなかったのである。
「いっそ仮病でも使えよ」
「一年の時に既にやってんだけど、それ」
「けどダメだったんだな?」
「そうそう。俺が病気なんてするわけねーだろ、とよ。ったく……小一なら別に体弱くてもおかしくねぇだろうによ」
「…待て」
「ん?どうかしたか?」
「小一…つったか?」
「おうよ。つか幼稚園くらいからずっとの付き合いだぜ?俺とアイツ」
「そりゃどうりで…」
しっくりとくるわけだ。
そして…そこまで長くやってるのかと思うと有る意味で感銘を受ける。だからこそ、ただ単にパシリに任命されているだけではなく、たまに仕返すことも出来ているのかと納得も出来た。ここまで付き合いが長ければそう言うこともまた、可能だろう。
いや、むしろその頃から元親をパシリとして扱っていた元就に賞賛の念を送るべきなのだろうか。それから考えると、小学一年生の時から今と同じような気質であったと考えるべきであり、すると最強の小一が存在していたと言うことになるのだ。
どちらを褒めるべきかと言われたら、きっと両方だろうけど。
そこまで考えれば、自然ととある疑問が浮かんでくるわけであって。
「元親、どうして同じ高校受けた」
「そいつはな、アイツが勝手に願書出しやがったから。しかも専願系の何かで」
「…そこまで徹底してんのか、元就の奴」
「まぁな。んで、そこまでされて受けないわけにはいかねぇだろ?」
自然と受けることになったのだと、苦笑して元親は言ったが苦笑できるレベルではない。高校ならまだどうにか笑えるレベルかも知れないのだが、この調子だと大学選択の自由さえも無いのではないだろうか。
その疑念を伝えると、意外にも元親は首を振った。
「そりゃねぇな。アイツだって、そこまではしねぇよ」
「Why?何でだ?」
「どうせ行くとしたら大学、同じ場所になるからな。学部は違うけどよ」
「成る程ねぇ…」
手回しが必要ない、ということか。
ただ、手回しが必要だった場合、果たして元就は本当にそこまでしなかっただろうかと政宗は考えてみたのだが、答えは何とも言いがたいものだった。
そこまで手回しする理由=丁度良い召使いだから。
…憐れ兄貴。でも元就ならそのくらいやりかねないと思います。
「嫌なら逃げれば良いだろうが」
「それが出来るならとうにやってるっての。アイツには質取られてんだよ」
「…あぁ、そういやそうだったか?」
そう言えばそんな話もあったような。
元親と並んで下校しながら、政宗は過去のことを思い出していた。
確か、質というのは模型とか何とかで、取っているのは当然ながら元就であって。だから元親にはどうしようもないほど拒否権がないのだ、と言う話。
…何というか。
「お前、実はかなり苦労してんだよな」
「そう言ってくれるのは政宗だけだぜ……」
涙ぐむふり…ではなくて本当に涙ぐみはじめた元親を見て、ほんの少し動揺する。まさかそこまで追い詰められていたというのか。
思わず、本当かどうかを問いかけていた。
「…マジで?」
「…いや、佐助くらいも言ってくれるけどな」
「他」
「…えっと…な…」
もう思いつかなくなったらしい。
佐助だけでも言ってくれる人がいるというのは、彼にとってはきっとありがたい事なのだろう。自分も含まれていると言えるのだが、基本的に全員『それが当たり前』の領域に至ってしまっているので、誰もそれに関して疑問を抱かない。
しかも、それがとてもしっくり来ていると言うから笑えないのだ。
…これが、慣れ、なのだろうか。
「いやいやまさかそんなんねぇだろ…」
「…政宗?」
「…?…あぁ…何でもねぇよ」
ついつい心の声を呟いた自分を訝しく思った様子の彼名を呼ばれ、我に返って首を振る。生憎と心配されるいわれはないし、むしろ心配なのは元就と元親の関係だ。このままではあるいは、学院を卒業した後でも同じポジションに置かれてしまう可能性があった。
それは…流石にキツイだろう。
だが、自分にはそれが有り得ないと言い切れなかったのである。
「いっそ仮病でも使えよ」
「一年の時に既にやってんだけど、それ」
「けどダメだったんだな?」
「そうそう。俺が病気なんてするわけねーだろ、とよ。ったく……小一なら別に体弱くてもおかしくねぇだろうによ」
「…待て」
「ん?どうかしたか?」
「小一…つったか?」
「おうよ。つか幼稚園くらいからずっとの付き合いだぜ?俺とアイツ」
「そりゃどうりで…」
しっくりとくるわけだ。
そして…そこまで長くやってるのかと思うと有る意味で感銘を受ける。だからこそ、ただ単にパシリに任命されているだけではなく、たまに仕返すことも出来ているのかと納得も出来た。ここまで付き合いが長ければそう言うこともまた、可能だろう。
いや、むしろその頃から元親をパシリとして扱っていた元就に賞賛の念を送るべきなのだろうか。それから考えると、小学一年生の時から今と同じような気質であったと考えるべきであり、すると最強の小一が存在していたと言うことになるのだ。
どちらを褒めるべきかと言われたら、きっと両方だろうけど。
そこまで考えれば、自然ととある疑問が浮かんでくるわけであって。
「元親、どうして同じ高校受けた」
「そいつはな、アイツが勝手に願書出しやがったから。しかも専願系の何かで」
「…そこまで徹底してんのか、元就の奴」
「まぁな。んで、そこまでされて受けないわけにはいかねぇだろ?」
自然と受けることになったのだと、苦笑して元親は言ったが苦笑できるレベルではない。高校ならまだどうにか笑えるレベルかも知れないのだが、この調子だと大学選択の自由さえも無いのではないだろうか。
その疑念を伝えると、意外にも元親は首を振った。
「そりゃねぇな。アイツだって、そこまではしねぇよ」
「Why?何でだ?」
「どうせ行くとしたら大学、同じ場所になるからな。学部は違うけどよ」
「成る程ねぇ…」
手回しが必要ない、ということか。
ただ、手回しが必要だった場合、果たして元就は本当にそこまでしなかっただろうかと政宗は考えてみたのだが、答えは何とも言いがたいものだった。
そこまで手回しする理由=丁度良い召使いだから。
…憐れ兄貴。でも元就ならそのくらいやりかねないと思います。
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