式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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実際にこんな先生が居たら、とてつもなく過ごしにくいだろうとは思いますが。
まさか、こんな時にまで監視に来るとは思ってもいなかった。
やるとなったら徹底的なのかと、少しだけ感心しながら留美はお昼の紅茶を飲んでいた。もちろん昼休み、紅茶は今日ばかりは紅龍にその場で入れてもらった物ではない。魔法瓶にあらかじめ入れてきた物である。
こんな些細な事で目を付けられてはたまった物ではない。
「まぁ…何をしていなくても目に付く面子もいますけれど」
「それって誰のことだろうね…?」
「あら、分かっているでしょう?」
「…分からない方が問題じゃないかな」
「確かに、それもそうかもしれませんわ」
あれほどまでに他と違う髪の色では、分からない方が妙だろう。髪の色については受け入れすぎていて気にしていなかったとしても、教室の出入り口でじぃっとミハエルを見るリントの姿を見れば何となく察することくらい出来そうだ。
つまり、なのだが。
今回のターゲットはミハエルらしかった。
既に三年C組で起きた悲惨な『事件』は耳に届いている。ティエリア、ヒリング、リヴァイヴの三名が、些細すぎるほどどうでも良い事で停学処分にされてしまったという事件は。その事態から…午前中は全く来なかったので午後の授業では何かしてくるだろうと、思いはしていたのだけれど。
だが、思ったより彼らは早く行動してきた、ということだ。
「困りましたわね…まさか昼にまでいらっしゃるとは。明日からもこうなのでしょうか?でしたら気の休まるときがございませんことね」
「全くその通りだぜ…ったく、仕事はやんなくて良いのかよあの爬虫類」
「ハレルヤ…先生に向かってそう言うことは言ってはいけないよ」
「向かって言ってはいねぇんだから良いだろ別に」
「そういう問題じゃなくって…」
「いや、こう言うときこそ言うべきだね」
アレルヤが困ったように笑って諫めようとしたところで、しかしミハエルも同意したため彼は黙るしか無くなった。それからちらと向けられるのは助けを求める視線だろうか。もっとも自分に出来ることはないので軽く微笑んで返してみたら、がくりと脱力されてしまった。
けれども申し訳ないとは思わない。
留美としては、もう少し二人の話を聞いてみたかったのである。
…そして。
その後に、どんな結果が待っているかを確認したかっただけなのだ。
「てーかアイツら本気で有り得ねぇだろ。ため口くらいで停学とかよ」
「手悪さもダメってんだろ?どんだけ完全な生徒を求めてるのかねぇ……バカらしくて笑えてくるぜ」
「ま、あの眼鏡を停学にしたところは褒めてやっても良いけどな」
「にしてもまさか、あの生徒会長が目を付けられるとはねぇ…」
「同感だな。アイツにしては迂闊だったとは思うぜ」
「ていうか生徒会長停学にして問題無いのかよ」
「無いと思ってんじゃねぇのか?あとヴェーダも軟禁中らしいし、一体何がしたいのか本気でわらかねぇ野郎どもだぜ…」
「テコ入れがしたいんですよ」
と。
その声はハレルヤとミハエルの間からした。
思わずぎょっそちらを見る不良コンビと、突然のことに固まって思わず箸が止まっているアレルヤと、そんな反応を楽しんでいるように笑うリントと。それらを総括して眺め、留美は紅茶を一口飲んだ。
さて、ここからが修羅場。
どうなるだろうと考え、そうなるしかないだろうと結論づけた頃に、リントがまるで演説でもせんがばかりに口を開いた。
「この学園はあまりに無秩序です。ですから、我々はこの学園に秩序を与えたいと思ってきたのですよ…分かりませんか?分かりませんか。まぁ、それも仕方がないでしょう。浅学で浅はかな血の気の多いだけの不良には到底、この目的の崇高さは分かりはしないでしょうからね」
「…分かりたくもねぇな」
「それは酷い。素晴らしいんですよ、実際にね」
獲物を見つけた蛇のような笑みを浮かべるリントは、さて、と一息をそこに置いた。
続く言葉は、目に見えて明らかだった。
「貴方たちはどうやら正しくない理念を持っているようですね」
「…だったら何だよ」
「停学です。三年の先輩方のように、一週間くらい家にいてくださいね。学園には立ち入り禁止ですよ…と、あぁ、そういえば貴方たちは寮生でしたか。否が応でも学園内ですね。では、寮から一歩も出ないでください」
そう、笑んで言う彼は、自分たちから見れば間違いなく疫病神だった。
こうやってどんどんと先生方、嫌われていくんですね…しかしこれは仕方がない気が。
やるとなったら徹底的なのかと、少しだけ感心しながら留美はお昼の紅茶を飲んでいた。もちろん昼休み、紅茶は今日ばかりは紅龍にその場で入れてもらった物ではない。魔法瓶にあらかじめ入れてきた物である。
こんな些細な事で目を付けられてはたまった物ではない。
「まぁ…何をしていなくても目に付く面子もいますけれど」
「それって誰のことだろうね…?」
「あら、分かっているでしょう?」
「…分からない方が問題じゃないかな」
「確かに、それもそうかもしれませんわ」
あれほどまでに他と違う髪の色では、分からない方が妙だろう。髪の色については受け入れすぎていて気にしていなかったとしても、教室の出入り口でじぃっとミハエルを見るリントの姿を見れば何となく察することくらい出来そうだ。
つまり、なのだが。
今回のターゲットはミハエルらしかった。
既に三年C組で起きた悲惨な『事件』は耳に届いている。ティエリア、ヒリング、リヴァイヴの三名が、些細すぎるほどどうでも良い事で停学処分にされてしまったという事件は。その事態から…午前中は全く来なかったので午後の授業では何かしてくるだろうと、思いはしていたのだけれど。
だが、思ったより彼らは早く行動してきた、ということだ。
「困りましたわね…まさか昼にまでいらっしゃるとは。明日からもこうなのでしょうか?でしたら気の休まるときがございませんことね」
「全くその通りだぜ…ったく、仕事はやんなくて良いのかよあの爬虫類」
「ハレルヤ…先生に向かってそう言うことは言ってはいけないよ」
「向かって言ってはいねぇんだから良いだろ別に」
「そういう問題じゃなくって…」
「いや、こう言うときこそ言うべきだね」
アレルヤが困ったように笑って諫めようとしたところで、しかしミハエルも同意したため彼は黙るしか無くなった。それからちらと向けられるのは助けを求める視線だろうか。もっとも自分に出来ることはないので軽く微笑んで返してみたら、がくりと脱力されてしまった。
けれども申し訳ないとは思わない。
留美としては、もう少し二人の話を聞いてみたかったのである。
…そして。
その後に、どんな結果が待っているかを確認したかっただけなのだ。
「てーかアイツら本気で有り得ねぇだろ。ため口くらいで停学とかよ」
「手悪さもダメってんだろ?どんだけ完全な生徒を求めてるのかねぇ……バカらしくて笑えてくるぜ」
「ま、あの眼鏡を停学にしたところは褒めてやっても良いけどな」
「にしてもまさか、あの生徒会長が目を付けられるとはねぇ…」
「同感だな。アイツにしては迂闊だったとは思うぜ」
「ていうか生徒会長停学にして問題無いのかよ」
「無いと思ってんじゃねぇのか?あとヴェーダも軟禁中らしいし、一体何がしたいのか本気でわらかねぇ野郎どもだぜ…」
「テコ入れがしたいんですよ」
と。
その声はハレルヤとミハエルの間からした。
思わずぎょっそちらを見る不良コンビと、突然のことに固まって思わず箸が止まっているアレルヤと、そんな反応を楽しんでいるように笑うリントと。それらを総括して眺め、留美は紅茶を一口飲んだ。
さて、ここからが修羅場。
どうなるだろうと考え、そうなるしかないだろうと結論づけた頃に、リントがまるで演説でもせんがばかりに口を開いた。
「この学園はあまりに無秩序です。ですから、我々はこの学園に秩序を与えたいと思ってきたのですよ…分かりませんか?分かりませんか。まぁ、それも仕方がないでしょう。浅学で浅はかな血の気の多いだけの不良には到底、この目的の崇高さは分かりはしないでしょうからね」
「…分かりたくもねぇな」
「それは酷い。素晴らしいんですよ、実際にね」
獲物を見つけた蛇のような笑みを浮かべるリントは、さて、と一息をそこに置いた。
続く言葉は、目に見えて明らかだった。
「貴方たちはどうやら正しくない理念を持っているようですね」
「…だったら何だよ」
「停学です。三年の先輩方のように、一週間くらい家にいてくださいね。学園には立ち入り禁止ですよ…と、あぁ、そういえば貴方たちは寮生でしたか。否が応でも学園内ですね。では、寮から一歩も出ないでください」
そう、笑んで言う彼は、自分たちから見れば間違いなく疫病神だった。
こうやってどんどんと先生方、嫌われていくんですね…しかしこれは仕方がない気が。
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