式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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~三年A組編~とありますが、だからといって別のクラスの学年ものがあるとは限りません。
ただ、無いとも限りません。
「……えっと、今の時間って何の教科だったっけ」
「理科だろ理科」
「…の、どれ?」
化学、物理、生物、地学。もっと細かく言えば幾らでも例を挙げることが出来るが、今自分が訊いているのはそういう事。
対して訊かれている相手は、あー、と困ったように頬を掻いて口を開いた。
「……生物?」
「化学の時間なのに?」
「それはまぁ、あれだろ。ギャンにそう言うこと求めても無駄ってことだろ?」
いい加減諦めないか?と。
そう言うきゃのっ八の言は確かに正しいのだろう。
何せ、自分たちは今年が三年生。今年さえ耐え抜けば来年には晴れて自由の身となっているはずなのである。一年生や二年生と違って来年が、無い。
だから諦めて、受け入れて受け流すのが最も正しい判断には違いないのだ。
しかし。
ガンダムは目の前にある液体を眺め、ため息を吐いた。
「でもさー、卒業前に生ける屍になってたら意味無いじゃんかー」
「生ける屍ってお前…いや、でもある意味正しいのか?」
「ある意味どころでなく正しいと思うけど…」
「……」
「……」
「……」
控えめにジムも同意して、三人は一斉に黙る。
本気で、その可能性を危惧しなければならないと悟ったのだ。
さしあたって、今。
明日の太陽に…否、今夜の月に、果たして無事に巡り会うことが出来るのだろうか。
「…他の班はどうなってんだ?」
「えっと……みんな固まってる。誰も手を伸ばそうとはしてないな」
「そりゃそうか」
「だろうね。みんな死にたくないだろうしね」
きゃのっ八に頷いて答え、ガンダムは腕を組んで改めて目の前の液体に視線を移した。
これが、自分たちに与えられた『試練』の形である。つまり、これを飲んで五分後に何が起こるかを身をもって体験して、その結果をレポート用紙一枚分に纏めて提出せよと言う事らしい。
ハッキリ言ってしまうと実験。
しかも、実験体が生徒であるという、実に恐ろしい実験なのだった。
「…とりあえず死ぬことは無いと信じたいけれど」
「まぁ、そこは教師だし気にはかけているんじゃないか?」
「…本当に?」
「……」
「…なぁ、ジム、あまりそーいう事言わないで欲しいなー、なんて」
「……ごめんなさい」
「だけどな…やっぱり問題だぞ」
萎れたジムから視線を液体に移して、きゃのっ八は眉を寄せた。
「何が起こるのかが分からないってのが一つ。と……誰が、コレを飲むかっていうのが問題として残ってるわけだしな」
「流石にね、誰も飲みたがらない…となると」
「…だな」
「……え?どうかしたの?」
二人頷き合うと、何が何だか分かっていない様子のジムがオドオドとし始めた。こういう流れになって良いことがあった事なんて一度もないからだろう。
…ごめんねジム。
「何事にも犠牲は付きものって事で!」
「え?ちょっ、きゃのっ八!?何でボクを後ろから羽交い締めにって……ぎゃぁぁぁぁぁぁあッ!?ガンダムさん!?何で、え、何で液体持ってるのどうしてボクに近づいてきてるの!?思い直そうよねぇ思い直そ、」
「諦めろジム!」
「そしてゴメン!」
…かくして。
「…あれ、動かなくなったけど大丈夫?」
「だと思うけどな…」
「……目を覚ましたら謝っとこうか」
「ついでにアイスかケーキか、何か奢ってやろうぜ」
「そうだね…そのくらいしないと割に合わないね…」
実験は終了した。
憐れな犠牲者は床の上でのびていた。
ジムはこういう子だと思うんだ…いつもは影が薄いのに、こう言うときは標的にロックオン!的な。
…ごめんね…。
「理科だろ理科」
「…の、どれ?」
化学、物理、生物、地学。もっと細かく言えば幾らでも例を挙げることが出来るが、今自分が訊いているのはそういう事。
対して訊かれている相手は、あー、と困ったように頬を掻いて口を開いた。
「……生物?」
「化学の時間なのに?」
「それはまぁ、あれだろ。ギャンにそう言うこと求めても無駄ってことだろ?」
いい加減諦めないか?と。
そう言うきゃのっ八の言は確かに正しいのだろう。
何せ、自分たちは今年が三年生。今年さえ耐え抜けば来年には晴れて自由の身となっているはずなのである。一年生や二年生と違って来年が、無い。
だから諦めて、受け入れて受け流すのが最も正しい判断には違いないのだ。
しかし。
ガンダムは目の前にある液体を眺め、ため息を吐いた。
「でもさー、卒業前に生ける屍になってたら意味無いじゃんかー」
「生ける屍ってお前…いや、でもある意味正しいのか?」
「ある意味どころでなく正しいと思うけど…」
「……」
「……」
「……」
控えめにジムも同意して、三人は一斉に黙る。
本気で、その可能性を危惧しなければならないと悟ったのだ。
さしあたって、今。
明日の太陽に…否、今夜の月に、果たして無事に巡り会うことが出来るのだろうか。
「…他の班はどうなってんだ?」
「えっと……みんな固まってる。誰も手を伸ばそうとはしてないな」
「そりゃそうか」
「だろうね。みんな死にたくないだろうしね」
きゃのっ八に頷いて答え、ガンダムは腕を組んで改めて目の前の液体に視線を移した。
これが、自分たちに与えられた『試練』の形である。つまり、これを飲んで五分後に何が起こるかを身をもって体験して、その結果をレポート用紙一枚分に纏めて提出せよと言う事らしい。
ハッキリ言ってしまうと実験。
しかも、実験体が生徒であるという、実に恐ろしい実験なのだった。
「…とりあえず死ぬことは無いと信じたいけれど」
「まぁ、そこは教師だし気にはかけているんじゃないか?」
「…本当に?」
「……」
「…なぁ、ジム、あまりそーいう事言わないで欲しいなー、なんて」
「……ごめんなさい」
「だけどな…やっぱり問題だぞ」
萎れたジムから視線を液体に移して、きゃのっ八は眉を寄せた。
「何が起こるのかが分からないってのが一つ。と……誰が、コレを飲むかっていうのが問題として残ってるわけだしな」
「流石にね、誰も飲みたがらない…となると」
「…だな」
「……え?どうかしたの?」
二人頷き合うと、何が何だか分かっていない様子のジムがオドオドとし始めた。こういう流れになって良いことがあった事なんて一度もないからだろう。
…ごめんねジム。
「何事にも犠牲は付きものって事で!」
「え?ちょっ、きゃのっ八!?何でボクを後ろから羽交い締めにって……ぎゃぁぁぁぁぁぁあッ!?ガンダムさん!?何で、え、何で液体持ってるのどうしてボクに近づいてきてるの!?思い直そうよねぇ思い直そ、」
「諦めろジム!」
「そしてゴメン!」
…かくして。
「…あれ、動かなくなったけど大丈夫?」
「だと思うけどな…」
「……目を覚ましたら謝っとこうか」
「ついでにアイスかケーキか、何か奢ってやろうぜ」
「そうだね…そのくらいしないと割に合わないね…」
実験は終了した。
憐れな犠牲者は床の上でのびていた。
ジムはこういう子だと思うんだ…いつもは影が薄いのに、こう言うときは標的にロックオン!的な。
…ごめんね…。
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