式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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久方ぶりの更新です。もうちょっと速く更新できるようになったらいいなぁと…思うのですが。
「やぁ、久しぶり。調子はどう?」
「……」
にこやかな声音と無言の視線を自身のコクピット内に感じて、ウイングの意識は微かながらに浮上した。
そうして分かったのは、コクピットがしまっていること。中にサンドロックとヘビーアームズが、わざわざ人の姿を取ってまでして盛り込んでいることだった。閉めたのは外から見られることを懸念したからだろうか。だったら実体化せずに精神体でいればいいと思うのだが。
まぁ、来たのならば応じるのが礼儀だろう。
ウイングはスクリーンを機動させ、そこに精神体での顔を映し出した。
『何か用か?』
「用か、じゃないよね、本当。姿が見えなくなったから何やってるんだろうなぁって思ってたら……よりによって」
と、サンドロックはため息を吐いた。
「…コロニー落としとはね。しかも、カトルと」
『サンドロック、』
「あぁ、うん。分かってるよ。君にはどうしようもないことくらいさ。でもねぇ……こっちとしては中々に割り切れないんだよね、そういうの」
『……気持ちは分からないでもない』
「でしょう?」
静かに微笑むサンドロック。しかし、心の中までそのように落ち着いていると考えるべきではないだろう。今まさに、荒波でも起こっていかねない。
荒波、といえば。ヘビーアームズだって、あまり穏やかな気持ちではいることが出来ないだろう。何せ、自分に乗っていたサンドロックのパイロットとの交戦中に、彼は消息を絶ってしまったのだから。
こうしてみると改めて、結構なことをしてきたのだと分かる。
『…何とも言えないな』
「何が?…ところで、そういえばどうして本体から出てこないの?」
『出れないからな』
「……へ?」
「……?」
『だから、出られないと言った』
唖然とした表情と、不思議そうな表情を浮かべる仲間たちに答えて、ウイングは腕を組んだ。もっとも、彼らからすると画面の中でなのだが。
『よく分からないが、精神体で出ることが出来ない。恐らくこの体に慣れていないからだと思うんだが…どうやら、この体は特殊な物らしいからな』
「そういえばドクターJたちが言ってたよね……あーあ、あの人たちなんでこんな厄介な物を作り上げるのかな……」
『それは言うな』
そんなことを言ったら、自分たちは全員がそれに当てはまるではないか。
「いやぁ…分かってるけどね」
「……」
『確かに、言わないとやっていけない気持ちは分かるが』
「だよね。そこはヘビーアームズに同感」
視線に込められた意図を読み解いて、ウイングとサンドロックは頷き合った。意見を述べた…というか表したヘビーアームズは、どこかボウッとした様子なのだが。
全く、子に親は選べないと言うが、まさかそんな子に対してこんな大問題なシステムを組み込む親がいるとは。頼むから止めてくれと思うのだが、時既に遅し、というような状況が現状である。
それを差し引いても、やはり厄介な物を、という気持ちはあった。
よく分からないが、暴走やら何やらは全体的に自分のこのシステムのせいであるようだし。自分の精神体が外に出られないのは他でもなく、このシステムによるものが大きいようだし。これに慣れるまでにはえらく時間が掛かることだろう。
『気長に行くしかないか…』
「何の話?」
『こっちの話だ。それより、デスサイズやナタクはどうした?』
「あの二人は新しい体でパイロットと一緒に宇宙に出てるから、多分帰ってこないよ」
『そうか』
それは残念と言うべきか、幸運と言うべきか。しばらくぶりだったので会いたいと思っていたのだが、ここから出ることが出来たというのならそれ以上の幸運もないだろう。
「あ、でもまだ調整が終わってないらしくて」
『…大丈夫か?』
「ま、そこはパイロットを信じるとしようか」
『…あまり安心出来ないな』
パイロットたちが良い腕を持っているのは知っているのだけれど。それとこれとではとてつもなく別問題だ。
ともかく、再び会えるのはしばらく先らしい。
その時はいつ来るのだろうかと、ウイングは瞳を閉じた。
閉じた瞼の裏に浮かぶのは、落としていったコロニーの姿だったかも知れない。
ウイング、お疲れ様。けれどまだ苦労は続くのですよね…。
「……」
にこやかな声音と無言の視線を自身のコクピット内に感じて、ウイングの意識は微かながらに浮上した。
そうして分かったのは、コクピットがしまっていること。中にサンドロックとヘビーアームズが、わざわざ人の姿を取ってまでして盛り込んでいることだった。閉めたのは外から見られることを懸念したからだろうか。だったら実体化せずに精神体でいればいいと思うのだが。
まぁ、来たのならば応じるのが礼儀だろう。
ウイングはスクリーンを機動させ、そこに精神体での顔を映し出した。
『何か用か?』
「用か、じゃないよね、本当。姿が見えなくなったから何やってるんだろうなぁって思ってたら……よりによって」
と、サンドロックはため息を吐いた。
「…コロニー落としとはね。しかも、カトルと」
『サンドロック、』
「あぁ、うん。分かってるよ。君にはどうしようもないことくらいさ。でもねぇ……こっちとしては中々に割り切れないんだよね、そういうの」
『……気持ちは分からないでもない』
「でしょう?」
静かに微笑むサンドロック。しかし、心の中までそのように落ち着いていると考えるべきではないだろう。今まさに、荒波でも起こっていかねない。
荒波、といえば。ヘビーアームズだって、あまり穏やかな気持ちではいることが出来ないだろう。何せ、自分に乗っていたサンドロックのパイロットとの交戦中に、彼は消息を絶ってしまったのだから。
こうしてみると改めて、結構なことをしてきたのだと分かる。
『…何とも言えないな』
「何が?…ところで、そういえばどうして本体から出てこないの?」
『出れないからな』
「……へ?」
「……?」
『だから、出られないと言った』
唖然とした表情と、不思議そうな表情を浮かべる仲間たちに答えて、ウイングは腕を組んだ。もっとも、彼らからすると画面の中でなのだが。
『よく分からないが、精神体で出ることが出来ない。恐らくこの体に慣れていないからだと思うんだが…どうやら、この体は特殊な物らしいからな』
「そういえばドクターJたちが言ってたよね……あーあ、あの人たちなんでこんな厄介な物を作り上げるのかな……」
『それは言うな』
そんなことを言ったら、自分たちは全員がそれに当てはまるではないか。
「いやぁ…分かってるけどね」
「……」
『確かに、言わないとやっていけない気持ちは分かるが』
「だよね。そこはヘビーアームズに同感」
視線に込められた意図を読み解いて、ウイングとサンドロックは頷き合った。意見を述べた…というか表したヘビーアームズは、どこかボウッとした様子なのだが。
全く、子に親は選べないと言うが、まさかそんな子に対してこんな大問題なシステムを組み込む親がいるとは。頼むから止めてくれと思うのだが、時既に遅し、というような状況が現状である。
それを差し引いても、やはり厄介な物を、という気持ちはあった。
よく分からないが、暴走やら何やらは全体的に自分のこのシステムのせいであるようだし。自分の精神体が外に出られないのは他でもなく、このシステムによるものが大きいようだし。これに慣れるまでにはえらく時間が掛かることだろう。
『気長に行くしかないか…』
「何の話?」
『こっちの話だ。それより、デスサイズやナタクはどうした?』
「あの二人は新しい体でパイロットと一緒に宇宙に出てるから、多分帰ってこないよ」
『そうか』
それは残念と言うべきか、幸運と言うべきか。しばらくぶりだったので会いたいと思っていたのだが、ここから出ることが出来たというのならそれ以上の幸運もないだろう。
「あ、でもまだ調整が終わってないらしくて」
『…大丈夫か?』
「ま、そこはパイロットを信じるとしようか」
『…あまり安心出来ないな』
パイロットたちが良い腕を持っているのは知っているのだけれど。それとこれとではとてつもなく別問題だ。
ともかく、再び会えるのはしばらく先らしい。
その時はいつ来るのだろうかと、ウイングは瞳を閉じた。
閉じた瞼の裏に浮かぶのは、落としていったコロニーの姿だったかも知れない。
ウイング、お疲れ様。けれどまだ苦労は続くのですよね…。
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