式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
生徒の反乱スタートです。っていっても、生徒全員が、ってわけじゃないですが。
「…大丈夫なのか?」
「えぇ。…心配をかけてごめんなさい、刹那」
「問題はない。それよりアレルヤにもう一度改めて言っておけ、大丈夫だと」
「そうね。そうしないとね」
笑んで、マリーは二日連続でわざわざ尋ねてきてくれた刹那に微笑みかけた。
全く、本当に友人というのは大切である。もしも彼らがいなかったら、少しずつ募っていく不満に従ってリントという教師を本気で病院送りにしかねなかったところだ。それは流石に行き過ぎであって退学騒ぎになりかねないので、遠慮したかったから本当にありがたかったのである。
おかげで、まだちゃんと学校に来れる。
素晴らしいことだった。
「でも、そのアレルヤは大丈夫なの?」
「本人にはそれらしい態度はなかったが」
「そういうのが一番危ないから、ちゃんと見ておくべきだと思うわ。それはもしかしたら刹那、貴方にも当てはまるのかも知れないけれど」
「どういう事だ?」
「大人しい人は、やるときはとことんやるって事」
首を傾げる刹那にそう言って、マリーは彼の弁当のフタにちょんと卵焼きを置いてやった。何故だか彼の弁当箱の中身は全て白米だったのである。
…どうしてこんな事になっているのだろう。冗談でなく疑問だった。
「とにかく刹那、貴方まで大騒ぎは起こさない方が良いわ。生徒会が三人残っている、つまり半分残っている今を維持しないと。そのうちきっと普通の生徒が退学になるわね」
「…そこまで不満は強いのか」
「強いわ。貴方は忙しくて、自分の気持ちをどうにかしている最中だから、まだゆっくりと当たりを見渡せないでしょうけど、よく見なくてもみんなが苛々としているのが分かるわよ。気をつけないと、本当に危ない」
「肝に銘じておく」
「そうしておいて頂戴」
そんなことを話している間に、毎日恒例のお昼の放送が始まる。今日はどんな曲を流すのだろうと思っていると、スピーカーからは不思議な言葉が聞こえてきた。
思わず、首を傾げる。
「…謎のMD?って何?」
「…分からない」
「…わよね、やっぱり」
その放送は、リクエストを受け付ける箱の中に曲名を書いていない、しかし昼になったら流して欲しいという希望を書いてあったというMDを発見したのだと、伝えていた。そしてそれを今から流そう、と。
今このぴりぴりしているときに、そんなの流して大丈夫なんだろうかと心配している間にも、スピーカーから音が漏れ出す。最初は少しの砂嵐。そして、
『全く……何も分かっていないガキどもが』
『あら、そういう上から目線だから嫌われるんじゃないの?』
聞こえてきたのは、あの教員たちの一人…グッドマンの声と学園所有者・ヴェーダの声。
マリーは刹那と素早く視線を交差させ、放送に耳を傾けた。
『せいぜい話し相手になってくれるのはジェジャンと…ホーマーくらいのものかしら?つまらないわね。四人中半分だけしか話が出来ないなんて。貴方とは話が平行線どころか属する世界が違うほどに違うからどうしようもないもの。正直、私の方こそ貴方のことを貶してあげたい気分なのよ?』
『…き…きさっ…』
『貴様?その後は一体どんな罵詈雑言が続くのかしら?…まぁ、良いか。飽きたからそろそろ黙ってくれる?眠いから眠るわ』
『ふ…ふざけるなッ!貴様にとやかく言われるいわれはない!いや……貴様、ひょっとして焦っているのか?』
ヴェーダは相変わらずヴェーダだと苦笑していた所で有り得ない言葉を聞いて、マリーは唖然とした。焦る?ヴェーダが?有り得ないことを言わないで欲しいのだけど。
実際それはヴェーダにとっても同じらしい。『…は?』という間の抜けた声が響いた。
だが、それに構わずグッドマンの言葉は続く。
『そうなのだろう?いや、そうに違いない。……それはそうだろうなぁ。もしかしたらお前の手から、この学園が奪われるかも知れない危機なんだからなぁ?その時のお前の顔が見物だよ、学園所有者殿?』
『…貴方』
『何を言っても無駄だ。我々はとある一定条件を満たせばこの学園を手にすることが出来る、許可を得ている。つまり貴様の国はあと少しで崩れ、私たちの作り上げる新しい秩序が、この場で、お前が支配していたこの場で生まれるのだ!』
そうして、その言葉を最後に、放送は切れた。
沈黙に包まれた教室の中で、マリーは、刹那の腕を軽くつついた。
「信憑性は…」
「あるだろうな」
「ということは、あの人…とても愚かね」
「全くだな」
そうやってどんどん支持率は落ち込みます。はじめっからゼロなのにね。
「えぇ。…心配をかけてごめんなさい、刹那」
「問題はない。それよりアレルヤにもう一度改めて言っておけ、大丈夫だと」
「そうね。そうしないとね」
笑んで、マリーは二日連続でわざわざ尋ねてきてくれた刹那に微笑みかけた。
全く、本当に友人というのは大切である。もしも彼らがいなかったら、少しずつ募っていく不満に従ってリントという教師を本気で病院送りにしかねなかったところだ。それは流石に行き過ぎであって退学騒ぎになりかねないので、遠慮したかったから本当にありがたかったのである。
おかげで、まだちゃんと学校に来れる。
素晴らしいことだった。
「でも、そのアレルヤは大丈夫なの?」
「本人にはそれらしい態度はなかったが」
「そういうのが一番危ないから、ちゃんと見ておくべきだと思うわ。それはもしかしたら刹那、貴方にも当てはまるのかも知れないけれど」
「どういう事だ?」
「大人しい人は、やるときはとことんやるって事」
首を傾げる刹那にそう言って、マリーは彼の弁当のフタにちょんと卵焼きを置いてやった。何故だか彼の弁当箱の中身は全て白米だったのである。
…どうしてこんな事になっているのだろう。冗談でなく疑問だった。
「とにかく刹那、貴方まで大騒ぎは起こさない方が良いわ。生徒会が三人残っている、つまり半分残っている今を維持しないと。そのうちきっと普通の生徒が退学になるわね」
「…そこまで不満は強いのか」
「強いわ。貴方は忙しくて、自分の気持ちをどうにかしている最中だから、まだゆっくりと当たりを見渡せないでしょうけど、よく見なくてもみんなが苛々としているのが分かるわよ。気をつけないと、本当に危ない」
「肝に銘じておく」
「そうしておいて頂戴」
そんなことを話している間に、毎日恒例のお昼の放送が始まる。今日はどんな曲を流すのだろうと思っていると、スピーカーからは不思議な言葉が聞こえてきた。
思わず、首を傾げる。
「…謎のMD?って何?」
「…分からない」
「…わよね、やっぱり」
その放送は、リクエストを受け付ける箱の中に曲名を書いていない、しかし昼になったら流して欲しいという希望を書いてあったというMDを発見したのだと、伝えていた。そしてそれを今から流そう、と。
今このぴりぴりしているときに、そんなの流して大丈夫なんだろうかと心配している間にも、スピーカーから音が漏れ出す。最初は少しの砂嵐。そして、
『全く……何も分かっていないガキどもが』
『あら、そういう上から目線だから嫌われるんじゃないの?』
聞こえてきたのは、あの教員たちの一人…グッドマンの声と学園所有者・ヴェーダの声。
マリーは刹那と素早く視線を交差させ、放送に耳を傾けた。
『せいぜい話し相手になってくれるのはジェジャンと…ホーマーくらいのものかしら?つまらないわね。四人中半分だけしか話が出来ないなんて。貴方とは話が平行線どころか属する世界が違うほどに違うからどうしようもないもの。正直、私の方こそ貴方のことを貶してあげたい気分なのよ?』
『…き…きさっ…』
『貴様?その後は一体どんな罵詈雑言が続くのかしら?…まぁ、良いか。飽きたからそろそろ黙ってくれる?眠いから眠るわ』
『ふ…ふざけるなッ!貴様にとやかく言われるいわれはない!いや……貴様、ひょっとして焦っているのか?』
ヴェーダは相変わらずヴェーダだと苦笑していた所で有り得ない言葉を聞いて、マリーは唖然とした。焦る?ヴェーダが?有り得ないことを言わないで欲しいのだけど。
実際それはヴェーダにとっても同じらしい。『…は?』という間の抜けた声が響いた。
だが、それに構わずグッドマンの言葉は続く。
『そうなのだろう?いや、そうに違いない。……それはそうだろうなぁ。もしかしたらお前の手から、この学園が奪われるかも知れない危機なんだからなぁ?その時のお前の顔が見物だよ、学園所有者殿?』
『…貴方』
『何を言っても無駄だ。我々はとある一定条件を満たせばこの学園を手にすることが出来る、許可を得ている。つまり貴様の国はあと少しで崩れ、私たちの作り上げる新しい秩序が、この場で、お前が支配していたこの場で生まれるのだ!』
そうして、その言葉を最後に、放送は切れた。
沈黙に包まれた教室の中で、マリーは、刹那の腕を軽くつついた。
「信憑性は…」
「あるだろうな」
「ということは、あの人…とても愚かね」
「全くだな」
そうやってどんどん支持率は落ち込みます。はじめっからゼロなのにね。
PR
この記事にコメントする