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とある生徒から見た昼の放送について。
凄く楽しいことになった。ネーナはそう感じていて、とても晴れやかな気分を味わっていた。理由なんて言うまでもない。昼にあったあの放送だ。
あの時の、自分のいた教室に見回りに来ていたグッドマンの表情ときたら。愉快で愉快で仕方がなかった。百面相とまでは行かなかったけれど、してやったりという達成感は、自分がやったのではないけれど味わえたのである。
だが、少し疑問が無いことはない。
あれは、一体誰が作ったMDなのだろうか?
ヴェーダ本人……ではないだろう。あの教員たちがそんな隙をヴェーダに対して見せるわけがないのだ。彼らにとって彼女は第一級危険物らしいから。そのくらいは自分にだって分かる。正確に言うと、誰にでも分かるくらい彼らの態度はあけすけだった。
となれば、残るは教師と生徒。
さて、どちらの仕業だろう。
どちらにしても、やり方を教えて欲しいものだ。
そう思って楽しく笑っていると、横から何かを危惧しているような声音が響いてきた。
「ネーナ…何か良からぬ事を考えていないか?」
「え?まっさかぁ。もしかして、ヨハン兄ってば私を疑ってる?」
「お前ならやりかねないだろう…」
どこか諦めたようなため息を吐いてそう言い、だが、と兄は言葉を続けた。
「今回はお前ではないな?」
「うん。何で分かるの?」
「お前だったらもっと別のリアクションをするだろう」
「あ、そうかもしんない」
そうだったら、もっとしてやったりという気持ちが強いだろうから確かに。
納得して、青空に手を向けてグッとのびをする。
「あーあ。でもミハ兄ったらとっても不幸。目を付けられなかったらまだ学園にいて、あの面白い放送聞けたかも知れないのに」
「ネーナ、忘れているようなら言っておくが、お前も充分過ぎるほどにブラックリスト候補者らしいぞ?」
「え、本当?」
「まだ尻尾を見せていないから無事なのだと、誰かが言っていたが。行動の他に頭髪が問題らしい」
それは、黒にしこいと言うことだろうか。
…何でそんな面倒なこと。
正直、ヨハンの言葉は正しいのだろうが、ネーナには従う気は全くなかった。あの教員たちの圧力に屈するのは、きっと何よりも悔しいことに違いないと確信しているから。だから、自分は自分のままで行く。その途中で停学にされようと構わない。とにかく、今まで通りを貫き通すだけ。
それが自分の反抗の仕方。
ヨハンはと言うと、上手く立ち回ってヴェーダとの接触を図っているらしい。出来るかどうかは分からないとして、学園所有者の言葉を直に聞いてどうにか出来る破片がないかと探すつもりらしいのだ。
頑張るなぁと兄のことを誇りに思いつつ、そういえばと言葉を紡ぐ。
「ヨハン兄、あのMDさ、どうやって作ったんだろ」
「あの会話を取った方法か?」
「そうそれ。まさか室内にずっといて録音してました、なんて無理でしょ?」
そんなことしてたら直ぐに見つかる上に、見つからなかった場合でも何となくイメージが崩れてしまうから嫌だ。
「…盗聴器、だろう」
「盗聴器?」
「それを恐らくグッドマンの服…あるいはいつも持ち歩くファイルにでも取り付けておく。そうすれば会話を盗み聞いて録音することくらい可能だろう」
「そういえば、昨日職員室に行ったとき…服、あったかも」
興味がなかったから、もう殆ど覚えてないけれど…言われてみれば………いや、間違いなくそこに黒色のスーツはあった。
ということは。
「犯人候補ってもしかして、職員室に行った生徒、とか?」
「少なくともあの教員たちはそう思っているようだが」
「ってことは何だろ、私も犯人候補?それと…他には」
「刹那、リジェネ、沙慈、ルイス、留美、アレルヤの計七名だな。全て昼休みに職員室を訪れた生徒だ。そして、スーツは昼休みだけ置いてあったそうだ」
「何か、リジェネが犯人で良いんじゃない?」
というかその面子で犯人なんてリジェネくらいしかいないんじゃないだろうか。
ヨハンの言葉を聞いてそう思ったのだが、しかしヨハンは首を振った。
「そうだとしても、圧倒的に証拠がない。よって、リジェネは未だに白だ」
「証拠って…見つかるの?」
「その内一人一人を集めて尋問を行うそうだが」
「…わー、そこまで本気なの?」
大人のそう言う種類の必死さは見苦しいのに。
思いつつ、面白いことが始まったとネーナは笑んだ。
面目丸つぶれなのだし、必死にもなろうものですが。
あの時の、自分のいた教室に見回りに来ていたグッドマンの表情ときたら。愉快で愉快で仕方がなかった。百面相とまでは行かなかったけれど、してやったりという達成感は、自分がやったのではないけれど味わえたのである。
だが、少し疑問が無いことはない。
あれは、一体誰が作ったMDなのだろうか?
ヴェーダ本人……ではないだろう。あの教員たちがそんな隙をヴェーダに対して見せるわけがないのだ。彼らにとって彼女は第一級危険物らしいから。そのくらいは自分にだって分かる。正確に言うと、誰にでも分かるくらい彼らの態度はあけすけだった。
となれば、残るは教師と生徒。
さて、どちらの仕業だろう。
どちらにしても、やり方を教えて欲しいものだ。
そう思って楽しく笑っていると、横から何かを危惧しているような声音が響いてきた。
「ネーナ…何か良からぬ事を考えていないか?」
「え?まっさかぁ。もしかして、ヨハン兄ってば私を疑ってる?」
「お前ならやりかねないだろう…」
どこか諦めたようなため息を吐いてそう言い、だが、と兄は言葉を続けた。
「今回はお前ではないな?」
「うん。何で分かるの?」
「お前だったらもっと別のリアクションをするだろう」
「あ、そうかもしんない」
そうだったら、もっとしてやったりという気持ちが強いだろうから確かに。
納得して、青空に手を向けてグッとのびをする。
「あーあ。でもミハ兄ったらとっても不幸。目を付けられなかったらまだ学園にいて、あの面白い放送聞けたかも知れないのに」
「ネーナ、忘れているようなら言っておくが、お前も充分過ぎるほどにブラックリスト候補者らしいぞ?」
「え、本当?」
「まだ尻尾を見せていないから無事なのだと、誰かが言っていたが。行動の他に頭髪が問題らしい」
それは、黒にしこいと言うことだろうか。
…何でそんな面倒なこと。
正直、ヨハンの言葉は正しいのだろうが、ネーナには従う気は全くなかった。あの教員たちの圧力に屈するのは、きっと何よりも悔しいことに違いないと確信しているから。だから、自分は自分のままで行く。その途中で停学にされようと構わない。とにかく、今まで通りを貫き通すだけ。
それが自分の反抗の仕方。
ヨハンはと言うと、上手く立ち回ってヴェーダとの接触を図っているらしい。出来るかどうかは分からないとして、学園所有者の言葉を直に聞いてどうにか出来る破片がないかと探すつもりらしいのだ。
頑張るなぁと兄のことを誇りに思いつつ、そういえばと言葉を紡ぐ。
「ヨハン兄、あのMDさ、どうやって作ったんだろ」
「あの会話を取った方法か?」
「そうそれ。まさか室内にずっといて録音してました、なんて無理でしょ?」
そんなことしてたら直ぐに見つかる上に、見つからなかった場合でも何となくイメージが崩れてしまうから嫌だ。
「…盗聴器、だろう」
「盗聴器?」
「それを恐らくグッドマンの服…あるいはいつも持ち歩くファイルにでも取り付けておく。そうすれば会話を盗み聞いて録音することくらい可能だろう」
「そういえば、昨日職員室に行ったとき…服、あったかも」
興味がなかったから、もう殆ど覚えてないけれど…言われてみれば………いや、間違いなくそこに黒色のスーツはあった。
ということは。
「犯人候補ってもしかして、職員室に行った生徒、とか?」
「少なくともあの教員たちはそう思っているようだが」
「ってことは何だろ、私も犯人候補?それと…他には」
「刹那、リジェネ、沙慈、ルイス、留美、アレルヤの計七名だな。全て昼休みに職員室を訪れた生徒だ。そして、スーツは昼休みだけ置いてあったそうだ」
「何か、リジェネが犯人で良いんじゃない?」
というかその面子で犯人なんてリジェネくらいしかいないんじゃないだろうか。
ヨハンの言葉を聞いてそう思ったのだが、しかしヨハンは首を振った。
「そうだとしても、圧倒的に証拠がない。よって、リジェネは未だに白だ」
「証拠って…見つかるの?」
「その内一人一人を集めて尋問を行うそうだが」
「…わー、そこまで本気なの?」
大人のそう言う種類の必死さは見苦しいのに。
思いつつ、面白いことが始まったとネーナは笑んだ。
面目丸つぶれなのだし、必死にもなろうものですが。
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