式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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ただいま企画②-1!ちょっと短い文章シリーズです!
きっと、桜が歌を歌ったら綺麗なんだろうなぁと、ぼんやりと思った。
桜は、綺麗だ。咲き誇っている姿もだし、散っていく姿もまた趣がある。だからこそ、そういう存在が歌う歌はとても綺麗なのだろうと思ったのだ。
ちょっとした思い付き。
けれど、実際に聞いてみたいなとも、思えた。
『案外呪いの歌だったりしてなァ?』
「…ハレルヤ、笑えないから止めてくれる?」
『良いじゃねぇか、別に』
くく、と笑いながら片割れは綺麗だった想像に水をさす。
良くないから言うのだけれど、それでも片割れは気にするな、なんて無茶な要求をしてくるのだろう。慣れた事とはいえ、こういう時くらい素直に『綺麗だ』と言ってくれてもいいだろうと思うのは、決して自分の望みすぎではないはずだ。
しかし、そんな事を思うのも手遅れであるからこそ。
もう一度桜に視線を戻したときには、綺麗だと思っていたそれらと、おどろおどろしい何かが重なっているように見えた。
「……何かなぁ」
『文句は受け付ねーからな。つーかこんな言葉だけで色々変わるお前が悪い』
「その理屈は無いよ…」
『いいやあるね。俺が言ってんだからあるんだよ』
「何それ…」
呆れながら、もう一度想像の中へ沈む。
実際、どうなのだろう。呪いと言われて嫌なものを浮かべてしまったけれど、実際はどうなのだろうか。もしかしたら呪いの歌でも綺麗な調べを持っているかもしれない。……内容は怖いかもしれないけれど。
それならば、まぁ、怖いけれど。
ちょっとくらいなら、やっぱり聞いてみたいような気も、する。
だからそう伝えると、片割れは息を掃いた、ような感じがした。意識はともかく体は一つしかないから、本当はそうでないのは分かるのだが。
『お前なぁ…何でそんな風に考えられるんだか』
「考えられたから考えられるんだよ」
『つーか、呪いの歌が素敵に綺麗だったら逆に怖いとか言い出すだろ、お前』
「う……」
『ほれみろ』
そんなんで桜の歌を聴きたいなんて、百年早ぇよ。
片割れはそう続けた。
対して自分には否定の言葉が無かったので、苦笑を浮かべる他無かった。
桜は、綺麗だ。咲き誇っている姿もだし、散っていく姿もまた趣がある。だからこそ、そういう存在が歌う歌はとても綺麗なのだろうと思ったのだ。
ちょっとした思い付き。
けれど、実際に聞いてみたいなとも、思えた。
『案外呪いの歌だったりしてなァ?』
「…ハレルヤ、笑えないから止めてくれる?」
『良いじゃねぇか、別に』
くく、と笑いながら片割れは綺麗だった想像に水をさす。
良くないから言うのだけれど、それでも片割れは気にするな、なんて無茶な要求をしてくるのだろう。慣れた事とはいえ、こういう時くらい素直に『綺麗だ』と言ってくれてもいいだろうと思うのは、決して自分の望みすぎではないはずだ。
しかし、そんな事を思うのも手遅れであるからこそ。
もう一度桜に視線を戻したときには、綺麗だと思っていたそれらと、おどろおどろしい何かが重なっているように見えた。
「……何かなぁ」
『文句は受け付ねーからな。つーかこんな言葉だけで色々変わるお前が悪い』
「その理屈は無いよ…」
『いいやあるね。俺が言ってんだからあるんだよ』
「何それ…」
呆れながら、もう一度想像の中へ沈む。
実際、どうなのだろう。呪いと言われて嫌なものを浮かべてしまったけれど、実際はどうなのだろうか。もしかしたら呪いの歌でも綺麗な調べを持っているかもしれない。……内容は怖いかもしれないけれど。
それならば、まぁ、怖いけれど。
ちょっとくらいなら、やっぱり聞いてみたいような気も、する。
だからそう伝えると、片割れは息を掃いた、ような感じがした。意識はともかく体は一つしかないから、本当はそうでないのは分かるのだが。
『お前なぁ…何でそんな風に考えられるんだか』
「考えられたから考えられるんだよ」
『つーか、呪いの歌が素敵に綺麗だったら逆に怖いとか言い出すだろ、お前』
「う……」
『ほれみろ』
そんなんで桜の歌を聴きたいなんて、百年早ぇよ。
片割れはそう続けた。
対して自分には否定の言葉が無かったので、苦笑を浮かべる他無かった。
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