式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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ただいま企画②で出そうか悩んだもの。花唄の前任を簡単に改造してupです。
さぁ、と吹いた風と髪を遊ばせて。
ヴェーダは階下の新入生たちを見やった。
誰も彼も緊張している……というわけでもなく、それほど緊張しているようには見えない生徒も何人かいる。入学式も二、三回くらい経験していたらそれ程目新しいものでもないだろうし、別に責める気は無い。
だいたい自分だって、入学式に限らず式典の時は絶対に眠っていたクチなのである。
彼らのことを、責めるわけにも行かないだろう。
まぁ…自分みたいにホームルームのときにまで眠っていたら、ちょっと危ないが。
「その時はまぁ…ちゃんと注意してあげないとねぇ…」
流石にいないだろうけれど。
そう続けられた言葉は、屋上に一つしかないドアが開かれた事でかき消された。
「や……やっと見つけた…」
「あら、早かったわね」
「それはまぁ……三人で手分けしたので…」
「あぁ、成る程」
一年前までは自分を探そうとがんばる生徒なんて一人しかいなかったから、それに対応するかのように見つかるのが遅かったと言うだけ、らしい。
それが一気に三人になったというなら、単純に考えると時間は三分の一になる。
まぁ…せいぜい、なったとしても二分の一な気がするけど。
だって、三人の中の二人の中は頗る悪いのだし、協力だって難しかろう。
柵から身を離して、ちょいちょいと自分を見つけた彼を手招く。
「…何、ですか?」
「まぁ来てみなさい。そして見てみなさい?」
大人しくやって来た彼に下の光景を見せてやると、彼…アレルヤは少し目を見開いた。
「……凄いですね」
「それって、どっちについて?」
「新入生の人たちもですけど、桜も凄いです」
「でしょ。一年前は早咲きだったし、屋上からこうして見る機会なかったでしょ?ちなみに生徒会長さんはねー、一昨年にもう見てるから良いの」
「え、じゃあハレルヤだけ見てませんよね。…見せたほうが良いんでしょうか」
「だめだめ。そんなことしたらからかうネタが減るじゃない」
「からかうネタって…」
困ったようにアレルヤは眉を八の字にした。
「それで被害を受けるのは大体…何も知らない先生方と、同級生と先輩と…今日から下級生含みなんですけれど」
「いつもの事じゃない」
「いつもの事ですけど……!」
「ヴェーダ…またアレルヤを困らしてるんですか」
「……」
と。
再び音と共に開かれた扉から、呆れ顔で不機嫌なティエリアと傷だらけで不機嫌なハレルヤが現れた。その様子からすると、どうやら時間は三分の一でも二分の一でもなくて、三分の二だったらしい。
仲の悪いこと。教師としてここにいる以上はそれを嘆くべきなのかもしれないが、むしろ微笑ましいものだと思いながら、ヴェーダは体をそちらに向けた。
「丁度良いわ、ハレルヤもこの景色を見ていきなさい」
「あ?」
「アレルヤと、貴方にも見せようかという話をしていたの」
「……」
横から何か言いたそうな視線が送られてきたが無視して、先ほどしたようにちょいちょいと、新しい乱入者を手招いてみる。
手招かれた乱入者は少し警戒している様子を見せた後、警戒はそのままにスタスタとヴェーダとアレルヤの間にやって来て収まった。その後に、ティエリアが誰もいないほうのヴェーダの隣に落ち着いた。
「やっぱり壮観よね」
「…まぁ認めてやらねーでもねぇけど」
「そういう時は素直に『凄いです』って言ったら?」
「うるせぇ。アレルヤのくせにンな事言ってんじゃねぇよ」
「アレルヤのくせにって…別に良いけど」
「ふん……子供だな。そんな事を言っているようでは、まだまだ」
「ンだと眼鏡!」
自分を挟んで続けられる言い合いに笑みながら、ヴェーダは下を見る。
新入生がたくさん。ちらほらと登校してきた在校生。
それに、満開の桜。
とても素敵な四月の風景。
「やっぱり、良いわよね」
初めはこれを企画②にしようと思ったんだけど、長かったからやめたのですよね。
ヴェーダは階下の新入生たちを見やった。
誰も彼も緊張している……というわけでもなく、それほど緊張しているようには見えない生徒も何人かいる。入学式も二、三回くらい経験していたらそれ程目新しいものでもないだろうし、別に責める気は無い。
だいたい自分だって、入学式に限らず式典の時は絶対に眠っていたクチなのである。
彼らのことを、責めるわけにも行かないだろう。
まぁ…自分みたいにホームルームのときにまで眠っていたら、ちょっと危ないが。
「その時はまぁ…ちゃんと注意してあげないとねぇ…」
流石にいないだろうけれど。
そう続けられた言葉は、屋上に一つしかないドアが開かれた事でかき消された。
「や……やっと見つけた…」
「あら、早かったわね」
「それはまぁ……三人で手分けしたので…」
「あぁ、成る程」
一年前までは自分を探そうとがんばる生徒なんて一人しかいなかったから、それに対応するかのように見つかるのが遅かったと言うだけ、らしい。
それが一気に三人になったというなら、単純に考えると時間は三分の一になる。
まぁ…せいぜい、なったとしても二分の一な気がするけど。
だって、三人の中の二人の中は頗る悪いのだし、協力だって難しかろう。
柵から身を離して、ちょいちょいと自分を見つけた彼を手招く。
「…何、ですか?」
「まぁ来てみなさい。そして見てみなさい?」
大人しくやって来た彼に下の光景を見せてやると、彼…アレルヤは少し目を見開いた。
「……凄いですね」
「それって、どっちについて?」
「新入生の人たちもですけど、桜も凄いです」
「でしょ。一年前は早咲きだったし、屋上からこうして見る機会なかったでしょ?ちなみに生徒会長さんはねー、一昨年にもう見てるから良いの」
「え、じゃあハレルヤだけ見てませんよね。…見せたほうが良いんでしょうか」
「だめだめ。そんなことしたらからかうネタが減るじゃない」
「からかうネタって…」
困ったようにアレルヤは眉を八の字にした。
「それで被害を受けるのは大体…何も知らない先生方と、同級生と先輩と…今日から下級生含みなんですけれど」
「いつもの事じゃない」
「いつもの事ですけど……!」
「ヴェーダ…またアレルヤを困らしてるんですか」
「……」
と。
再び音と共に開かれた扉から、呆れ顔で不機嫌なティエリアと傷だらけで不機嫌なハレルヤが現れた。その様子からすると、どうやら時間は三分の一でも二分の一でもなくて、三分の二だったらしい。
仲の悪いこと。教師としてここにいる以上はそれを嘆くべきなのかもしれないが、むしろ微笑ましいものだと思いながら、ヴェーダは体をそちらに向けた。
「丁度良いわ、ハレルヤもこの景色を見ていきなさい」
「あ?」
「アレルヤと、貴方にも見せようかという話をしていたの」
「……」
横から何か言いたそうな視線が送られてきたが無視して、先ほどしたようにちょいちょいと、新しい乱入者を手招いてみる。
手招かれた乱入者は少し警戒している様子を見せた後、警戒はそのままにスタスタとヴェーダとアレルヤの間にやって来て収まった。その後に、ティエリアが誰もいないほうのヴェーダの隣に落ち着いた。
「やっぱり壮観よね」
「…まぁ認めてやらねーでもねぇけど」
「そういう時は素直に『凄いです』って言ったら?」
「うるせぇ。アレルヤのくせにンな事言ってんじゃねぇよ」
「アレルヤのくせにって…別に良いけど」
「ふん……子供だな。そんな事を言っているようでは、まだまだ」
「ンだと眼鏡!」
自分を挟んで続けられる言い合いに笑みながら、ヴェーダは下を見る。
新入生がたくさん。ちらほらと登校してきた在校生。
それに、満開の桜。
とても素敵な四月の風景。
「やっぱり、良いわよね」
初めはこれを企画②にしようと思ったんだけど、長かったからやめたのですよね。
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