式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
七不思議が書いてみたかったのです…。
始まりは、一本のナイフだった。
「……えっと」
それを見てどのような反応を表すべきなのだろうかと、綱吉は半ば呆然としながら思った。何せ、それは自分からしてみると何度も見た事がある造形の、使っている人物が一人しか思いつかない凶器だったのだから。
それは一緒にいた山本も思ったようで、あれ、という表情を彼は浮かべていた。もう一人……獄寺はというと、どこか顔色が悪そうで。
「…獄寺君…心当たりあるんだね」
「……っ」
尋ねれば、彼は息を呑んだ。
やっぱり、とため息を吐きつつ柱をちゃんと確認する。
「良く見れば柱に焦げ目もあるしね…ダイナマイト使ったの?」
「っすいません十代目!このナイフを回収し切れなかった、全ては俺のミスです!」
「……?回収…しきれなかった?」
「……はい…実は」
やや言いにくそうに彼は言葉を続けた。
「昨日、ヤツが突然目の前に現れて『王子と遊ぼ』なんて言い出しやがったんです。当然俺は相手をせずに去ろうとしたんですが……ヤツの挑発に耐えられずに…ッ」
「結果として学校で乱闘…ってこと?」
「…恥ずかしい限りですが」
「へー、そんな事があったんだな」
獄寺は無念そうに答え、山本はのほほんそう言って。
そして。
「で、ヤツって誰?」
「山本!?あれ!?分かってなかったの!?」
「いや、もうちょっとで思い出せそうなんだけどなー」
「ナイフ見たとき反応したろ!?あれは何だったんだよ野球馬鹿!」
「見た事あるなーって」
「あって当然だよ!?だってヴァリアーの、」
「あぁ!あの王子様か!」
ぽん、と手を打つ山本に、綱吉は一気に脱力した。
それから、山本は果たしてベルフェゴールの名前まで思い出せているのだろうかと疑問を抱いたりもしたが、こちらも口にしない事にする。きっと気にしたら負けなのだろう。
やれやれと、二人に気づかれないように綱吉は息を吐いた。いつもの事だし楽しいとは思うけれど……思うけれど…。
「これは…」
そんな事を思っていると、ふ、と耳に誰かの話し声が聞こえてきた。
「…これはアレだよな…」
「うんうんアレだね……」
「…ついにアレを見た…」
アレ、と。
その会話をしていた彼らはナイフの事を形容していた。
まるで既知の存在であるかのように語られるナイフの存在。
その会話の内容に思わず首をかしげる。自分たちはヴァリアーと直接対立なんてしてしまったわけだから知っているわけだけれど、彼らにそんな……いや、こんなのじゃなくても接点があるとは思えない。
何でだろうかと考えていると、ふいに頭に重みが加わった。
突然の事に驚き手をやれば、重みは頭を蹴りつけて飛び上がり、山本の肩に乗る。
重みの正体はリボーンだった。
そして、今日は忍者コスだった。
紫がかった衣装に身を包んだ赤ん坊は、ナイフを見てフッと笑う。
「七不思議か」
「今日はまた何でそんな格好してるんだよ…」
「天井から降りてくるんだ、ピッタリだろ」
「で……リボーンさん、今、七不思議って?」
不思議そうに訊く獄寺に、リボーンは何でもないように応じた。
「簡単な話だ。お前らの行動の結果が七不思議にされてんだよ」
「…へ?」
それは一体どういう状況だろう。
納得できずにいると、リボーンが呆れたようにこちらを見た。
「ツナ、じゃあ訊くが、一般人が突然十年後の姿になったり、それを見たりするか?」
「……いや、それは無いだろうけど」
「つまりはそういう事だ」
言い切られると唸るしかない。
思い出してみると、確かにそうだ。自分は特定条件下だが空を飛ぶし、幻覚を使って相手を惑わす術士もいる。リボーンが山本に与えたいつぞやのバットは日本刀に変わるし、獄寺はダイナマイトを投げ回る。
これらの非日常が何らかの形で残り、七不思議にされても不思議じゃない。
そうかそうかと頷いていると、リボーンがそうだ、と楽しそうに言った。
「ツナ、お前今夜学校に来て七不思議めぐりしろ」
「……え?」
リボーンの理不尽さは変わらずに。
「……えっと」
それを見てどのような反応を表すべきなのだろうかと、綱吉は半ば呆然としながら思った。何せ、それは自分からしてみると何度も見た事がある造形の、使っている人物が一人しか思いつかない凶器だったのだから。
それは一緒にいた山本も思ったようで、あれ、という表情を彼は浮かべていた。もう一人……獄寺はというと、どこか顔色が悪そうで。
「…獄寺君…心当たりあるんだね」
「……っ」
尋ねれば、彼は息を呑んだ。
やっぱり、とため息を吐きつつ柱をちゃんと確認する。
「良く見れば柱に焦げ目もあるしね…ダイナマイト使ったの?」
「っすいません十代目!このナイフを回収し切れなかった、全ては俺のミスです!」
「……?回収…しきれなかった?」
「……はい…実は」
やや言いにくそうに彼は言葉を続けた。
「昨日、ヤツが突然目の前に現れて『王子と遊ぼ』なんて言い出しやがったんです。当然俺は相手をせずに去ろうとしたんですが……ヤツの挑発に耐えられずに…ッ」
「結果として学校で乱闘…ってこと?」
「…恥ずかしい限りですが」
「へー、そんな事があったんだな」
獄寺は無念そうに答え、山本はのほほんそう言って。
そして。
「で、ヤツって誰?」
「山本!?あれ!?分かってなかったの!?」
「いや、もうちょっとで思い出せそうなんだけどなー」
「ナイフ見たとき反応したろ!?あれは何だったんだよ野球馬鹿!」
「見た事あるなーって」
「あって当然だよ!?だってヴァリアーの、」
「あぁ!あの王子様か!」
ぽん、と手を打つ山本に、綱吉は一気に脱力した。
それから、山本は果たしてベルフェゴールの名前まで思い出せているのだろうかと疑問を抱いたりもしたが、こちらも口にしない事にする。きっと気にしたら負けなのだろう。
やれやれと、二人に気づかれないように綱吉は息を吐いた。いつもの事だし楽しいとは思うけれど……思うけれど…。
「これは…」
そんな事を思っていると、ふ、と耳に誰かの話し声が聞こえてきた。
「…これはアレだよな…」
「うんうんアレだね……」
「…ついにアレを見た…」
アレ、と。
その会話をしていた彼らはナイフの事を形容していた。
まるで既知の存在であるかのように語られるナイフの存在。
その会話の内容に思わず首をかしげる。自分たちはヴァリアーと直接対立なんてしてしまったわけだから知っているわけだけれど、彼らにそんな……いや、こんなのじゃなくても接点があるとは思えない。
何でだろうかと考えていると、ふいに頭に重みが加わった。
突然の事に驚き手をやれば、重みは頭を蹴りつけて飛び上がり、山本の肩に乗る。
重みの正体はリボーンだった。
そして、今日は忍者コスだった。
紫がかった衣装に身を包んだ赤ん坊は、ナイフを見てフッと笑う。
「七不思議か」
「今日はまた何でそんな格好してるんだよ…」
「天井から降りてくるんだ、ピッタリだろ」
「で……リボーンさん、今、七不思議って?」
不思議そうに訊く獄寺に、リボーンは何でもないように応じた。
「簡単な話だ。お前らの行動の結果が七不思議にされてんだよ」
「…へ?」
それは一体どういう状況だろう。
納得できずにいると、リボーンが呆れたようにこちらを見た。
「ツナ、じゃあ訊くが、一般人が突然十年後の姿になったり、それを見たりするか?」
「……いや、それは無いだろうけど」
「つまりはそういう事だ」
言い切られると唸るしかない。
思い出してみると、確かにそうだ。自分は特定条件下だが空を飛ぶし、幻覚を使って相手を惑わす術士もいる。リボーンが山本に与えたいつぞやのバットは日本刀に変わるし、獄寺はダイナマイトを投げ回る。
これらの非日常が何らかの形で残り、七不思議にされても不思議じゃない。
そうかそうかと頷いていると、リボーンがそうだ、と楽しそうに言った。
「ツナ、お前今夜学校に来て七不思議めぐりしろ」
「……え?」
リボーンの理不尽さは変わらずに。
PR
この記事にコメントする