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ちょっと違う組み合わせで。
「…で、何でオレらなんでぇ」
「……さぁ」
そんなことを言われても困る。
プラスの言葉に首を傾げてみせると、盛大にため息を吐かれてしまった。まるで何も考えていない相手にわざわざ何かを訊いてしまったかのような態度で。もし本当にそう思っているのだとしたら……別に何もないか。
しかしそれにしても。
先ほど、連絡があったにしても。
「コロニー全体で入れ替わり騒動……か」
にわかには信じ難い話ではあるが、こう目の前にハッキリと見せつけられてしまうと反論の仕様もない。それにそもそも、このコロニーというか自分たちの周りでは『そういう事』がしばしば起こるのだし、信じ難くともすんなり受け入れていただろうけど。
「……まぁ、困ることも無いし良いんじゃないか?」
「そうは言ってもよぉ…やっぱ違和感があんだって」
「そうか?さほどいつもと変わりないような……」
言いさして、はたと気付く。
「そういえば…『お前』はどこへ行ったんだ?」
「マークⅡさんは事情説明に兄さん方んトコに行くって言ってたぜ…って聞いてなかったのかよ、ゼータ」
「本に集中していたからな」
ぱたむ、と本を閉じて、改めてマークⅡと入れ替わってしまったというプラスを見る。
外見がこうであるからといって中身がどうと変化してしまっているわけではなく、それは確かにちぐはぐなのだから最初こそ戸惑うかも知れないが、問題と言った問題は無いように思われた。喋り方を確認したら一発で分かる事も手伝って。
喋り方はともかくとして、住人がみんな個性的なこのコロニーである。やはり、誰かと誰かを間違えるような事は無いのではないだろうか。
だからそう告げると、プラスは何とも言えない顔をした。
「…どうした?」
「間違っちゃいねぇけど…間違っちゃいねぇけどよ……やっぱ、入れ替わる当事者には色々思うところがあんだぜ?てーか、何でゼータが無事なんだよ」
「何でだろうな……何となく抵抗したような気はするんだが…そのせいかもしれない」
「は?抵抗?」
「あぁ。…何となく……従うのが気にくわなかった、気がするんだ」
「…何だそりゃ」
訝しげな表情の弟に、ゼータは肩をすくめて答えた。
普通はマークⅡとゼータ、とかゼータとプラス、って感じなのかなぁやっぱ。
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