式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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とにかくほのぼのさせたかったんだろう…。
イノベっていうかアロウズ。
13.キーホルダー
キラキラと。
それを見ているライセンス持ちたちの瞳が輝いているように見えたのは気のせいだろうか。……いや、とカタギリは心の中で首を振った。
違う。間違いなくこれは輝いてる。
「カタギリ…これは…まさしく」
「ガンダムだよ。…君が欲しがっていると思ったから暇つぶしがてらに」
「ねぇねぇ!これってガラッゾとガデッサよね!」
「良かったらあげるけれど」
「誠か!?」
「本当!?」
グラハ…じゃなかった、ミスター・ブシドーとヒリングが同時に嬉しそうな叫び声を上げた。そこまで喜んでもらえれば、作ったこちらとしても作ったかいがあったというものである。少し、満足した思いを抱く。
まぁ、諸々の事柄があってからCBが早く壊滅してしまえばいいとか、ちょっとは思ったりするようになったのだけれど、だからといってガンダムの素晴らしさを否定する気にはなれなかったのであって。
あの機体たちが自分たちの大切な者を奪っていったのは事実だ。
それは悔しくはあるけれども。
だからといって、ガンダムという存在をも否定は出来なかった。技術屋として、否定することが難しかったという事もある。
それ程までに、彼らは衝撃的な存在だったのだから。
そんな相手だったので、キーホルダーにしてみるのもさほど抵抗はなかった。
「良かったらガデッサ、色違いも作ろうか」
「本当!?じゃあ、私のカラーでお願いね。リヴァイヴのは燃やしても良いから」
「……ちょっと待ってください、ヒリング」
後ろで無言で…しかし少し興味を持っているような顔を見せていたリヴァイヴが、ヒリングの肩に手を置いた。少しその手に力が入り掛かっているように見えるのは、気のせいではないだろう。
「…何で燃やすんですか。除外しておいて、ならまだしも…そこで燃やす必要はあるんですか!?嫌がらせですか!?」
「嫌がらせなんて生温いわね。虐めよ」
「貴方という人は…ビリー・カタギリ!ヒリング機の方を跡形もなく全て燃やしてしまってください!」
「ちょっと!そんなの許せるわけ無いじゃない!」
「それはこちらのセリフです!」
ギャーギャーと始まったライセンス持ちの争い。
毎度の事だからさほど驚きもせず、気にもとめず、大人しくキーホルダーに夢中になっているミスター・ブシドーとブリングの方に視線を向ける。ブリングの方は分かりにくいが、彼も喜んでいるようだった。よく見れば少し周りに明るい色の花が飛んでいるような気がする。
「良かったらあげるよ?ガラッゾのやつ」
「…礼を言う」
「カタギリ、少年の期待だけではなく他の物も作ってくれないか?」
「具体的に?」
「狙撃型、羽根付き、デカブツ、それからコードが髪のようだった機体、それに…」
「つまり存在が認められた全てのガンダムだね?」
「その通りだ!」
「…相変わらず、無茶を言ってくれるよね」
あわして一体いくつになると思っているのか。
考えてみれば作戦の時も自分はあまり関係ないし、整備だってやってしまえばそれで終わりなのだし、時間はないこともないのだろうが。
それほど、暇人であるわけでもないのだけれども。
……それを分かってはいないのだろうなと思うと、ため息も自然と出てくるものだ。
「まぁ…良いけれど」
「流石は我が盟友だな!しかし…腕も動くのか」
「凝ったから。あ、ガラッゾは手にビームの爪みたいなの、付けるオプション有るけれど。……いるかい?」
「…いる」
「じゃあ、ガデッサのオプションのビーム砲も渡しておくから、二人が落ち着いたときにでも渡してあげてくれるかな」
「…分かった」
「うん。頼むね」
そう言って、カタギリはブリングにオプションの部品を渡した。
…横で、期待に満ちた目をしているミスター・ブシドーにはガンダムの装備していた大剣を渡しておいた。
そしてガンダムを嫌ってほしくない私の願望入りの話でした。
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