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一見するとデートみたいな買い物の話です。
デスティニーとガイアちゃんの話だよ。
休日の駅前、という物に不慣れなわけではない。家でゴロゴロとしている事だってよくあるが、こちら側に出てくる事だって割とある。
けれど……今、デスティニーはがらでもなく緊張していた。
しも、するだろう。
今日は出かけると言っても、いつもと種類が違う。
何せ……
「お待たせ……待った?」
いつもとは全く違う相手と、一緒に出かける、のだから。
待ち合わせ時間の少し手前で現れた彼女は、少し恥ずかしそうに笑んでいて。それと……私服を着ていた。休日なのだから当然だけれど、制服しか見た事がないこちらからすると何だか新鮮で、それが余計に緊張を増してくれる。困った話だった。
「いや……待って、ないけど」
「そ……そう?なら、良い、んだけど」
「……」
「……」
そして……どうやら相手もそれは同じだったらしい。
気まずさとは違う種類の沈黙の中、一体何を口にしたらいいのだろうかとデスティニーはひたすら考え込んだ。あまりにぎごちない先ほどの会話を反省しながら。けれど、次に何かを言った時もあぁならない、という自信は全く無かった。
別に、今回の外出は特別な何かでは無い。彼女が買い物をするのに、いつも一緒について来てくれるのだという二人が無理だと言うから、今回は付き合って欲しいと言われて頷いた、ただそれだけなのだ。
が、改めて考えてみると、これはどう考えたって……。
そちら側へ行こうとする思考を頭を振ることでどうにか引き戻し、ようやく言うべき言葉を見つける事が出来たので、口を開く。
「……行こうか」
……確かに言うべき言葉だったが、何とも気の利かない言葉だった。
けれども、そうだとしても現状を打ち払う手立てではあったらしい。
「……うん」
明らかにホッとした表情で、彼女……ガイアは、頷いた。
そうして、二人の『買い物』は始まる。
何気に運命と大地(黒)が仲良しなのを押してます。
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