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イノベイターの話が増えてゆく…あれ、何で…?
という話は関係なく。リボンズとリジェネです。
18.可愛い顔して(小説設定)
「詐欺だと思うんだよね」
唐突なリジェネの言葉にちらりと一瞥をやって、それ以外の反応は返さずに、リボンズは再び目の前のそこそこ重要な情報が表示されている端末に視線を戻した。
「だってヒリングの例を上げて考えてみるとさ、どうやっても詐欺だとしか思えないんだよ。僕らの顔の作りとか色々」
そうやって相手をするつもりもないと分かりやすく行動で表したつもりだったのだけれど、意図が伝わらなかったのか、どうでも良さそうな口調で彼は言葉を続けた。……どうでも良いなら黙っていて欲しいのだが。
……そして心の底からの思いも当然の様に伝わらなかったらしい。
「ヒリングさ、アロウズの人たちに告白されまくってるんだって。全部断ってるらしいけど、あれで実は女じゃないんですとか言ったら大変な事になるよね。だからといって男でも無い感じだし。中性的って言っちゃえば聞こえはいいんだけどね」
「……リジェネ・レジェッタ」
べらべらと喋り続ける同胞に、仕舞いには黙殺する事も出来なくなり。
端末の電源を切ってから、リボンズは、ゆっくりと座っていたソファーから腰を上げた。
おそらく今の自分の表情は子供が泣き出すような物だと思うのだが、それを真正面から見ているはずのリジェネはいつもと変わらぬ表情である。慣れたのか、はたまた気にとめてもいないのか……前者も悪いが、後者だったらなおさら悪い。後でしっかりと仕置きをしようと心に決めながら、ニコリと笑う。
「僕が取り込み中だったのが見て分からなかったのかな?」
「あ、仕事中だったんだ。ごめんね。何も言わないから言い続けても良い物だと思ってたよ。ごめんごめん。本当に悪かったと思ってるよ。ごめんね」
「謝罪の言葉を何回も続けたら謝ってる事になるとか、勘違いしてないよね?」
「まさか。……というわけだから、僕、家出するね」
「へ?……あ、リジェネ!?リジェネ・レジェッタ!?」
「じゃーねー!また今度ー!」
一瞬の内に自分からの距離を稼いだ彼は気楽な笑顔で手を振って、去って行った。
それを唖然と見送って、追いかけようかと迷って……ため息を吐く。彼相手にそんな事をしても無駄だ。
リジェネだってイノベイターなのだ、心配などする必要もない。だろうそれにあれは家でとかでは無くて、たんなる自分からの逃避だから、何もしなくてもその内帰ってくる。
しばらく放っておこうと決めて、リボンズは再びソファーに腰を下ろした。
小説でヒリング=彼を見たときには驚愕したものですが。
でも、もう今さらなのでヒリング=彼女で突っ走ります。
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