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日輪学院設定で、アニバサ録の司会な四人+αのお話です。しばらく続く予定。



054:君との距離
 
 
 
「……Hey、小十郎、目的地まであとどんくらいだ?」
「恐らく一時間はかかるかと」
「…………って事は何だ。一時間以上後ろはあの状態ってことか」
「でしょうね」
 頬を引きつらせながら運転席の小十郎に問いかけると、助手席に座っている政宗を見ることなく彼は頷いた。ちなみにそんな彼の涼やかな顔はまっすぐ前を向いている。運転中はわき見なんてしていられないと言うことだろう。
 流石、と彼の事を何となく誇らしく思い、思いながら、それだけを思おうとするのだが、けれども後ろから聞こえてくる喧騒がそうはさせないと思考の世界に旅立とうとする自分を、がっしりと捕まえてくれているのでどうしようもない。
 眉間の皺をほぐしながら、後ろの四人に声をかける。
「お前ら静かにしろよ」
「んな事言ったって政宗!半兵衛がいちゃもんつけてくるんだから仕方ないじゃん!」
「いちゃもんとは失礼だね。僕は慶次君に正当な要求をしただけだよ」
「今すぐ道路に飛び出せっていうのが正当!?」
「ふむ。しかし、それは良い案よな。よし、ならば馬鹿鬼よ、そなたに我の不愉快さを払しょくする大役を授けようぞ。今すぐドアを開き飛び降りて対向車に轢かれて宙を舞え」
「つまりテメェは俺に死ねと言ってんだな?誰がやるか!っつーかテメェがやれ!」
「生憎と我はドア側に座っておるわけでは無いのでな。出来るわけが無かろう」
 結果……この在り様だ。
 仲が悪いのとか、関係が拗れてるのとか、犬猿の仲だとか……まぁそんなの二組を三人座れるだろう後部座席に詰め込んだのだから、これはある意味当然の結果ではあるけれど。
 小十郎の車だからと助手席が確保できて良かった……と思っていた出発前の自分を殴りたい。どうしてそれでもあえて後部座席に乗ると言わなかったのだろう。そうすれば少しくらいは騒々しさも減ったかもしれないのに。
 アニバサ弐アニメ録のレギュラーメンバー+αの慰安会もどき。
 今から無事に終わるとは思えず、政宗は盛大なため息を吐いた。
 もっとも、そのため息も後ろからの喧騒にかき消されてしまったのだけれど。







高校生男子が三人乗り後部座席に四人って、非常にぎゅうぎゅうしてる気がするので。
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