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100題ラストは00でした。ってなわけで、途美設定のハプティーズです。
100:また、明日
「眠ぃ……」
「じゃあ眠ればいいじゃないか」
欠伸を噛み殺すこちらを呆れたように見やって、片割れはしおりを挟んだ本をぱたむと閉じた。本日の読書タイムは終了らしい。
閉じた本を机の上に置くアレルヤを眺めながら、言われたとおりにするべく、ベッドの端から適当にまとめておいた布団を引き上げる。その後もぞもぞとその中に潜り込むが、未だ部屋の照明は点いているために十分な暗さは得られなかった。
その事が不満で、少し、呻く。
「アレルヤ……電気消せ」
「君の方がスイッチに近いんだから、君が消せばいいでしょ?」
「寝ろって言ったのはお前……だろ」
そろそろ目を開けているのも難しくなってきた。そしてそんな状況である、布団から出てベッドから下りて、電気を消すスイッチの所に辿りつく事が出来るかも怪しい。ならば片割れに全部やらせた方が良いに決まっている。既に上手く働かなくなってきた頭でそこまで思い、さらに布団をぎゅぅと握った。
こちらのそんな考えが伝わったのかもしれない。息を吐く音が聞こえ、その後に足音が耳に届いた。さらにその数秒後、カチ、という音と共に明かりも消える。
ようやく暗くなった室内で満足げに、にぃと笑って布団を握る力を弱める。
「まったく……子供みたいだね」
「煩ぇよ……あとそのセリフ、ウサギと戯れる高二にだけは言われたくねぇ……」
「なっ!?……いっ、いいじゃないか、あのくらい」
「良いかもな……なら俺がこんな態度をとることだって問題ねぇだろうよ……」
「そうかなぁ」
「だろ……」
「……それにしても、本当に眠そうな声だねぇ」
「実際……眠ぃんだよ……」
「じゃあ、喋るのはもうやめようか。……おやすみ」
「おー……」
そう答えた後直ぐに、ハレルヤの意識は黒に溶けた。
眠たげハレさん。たまにはこういう姿を見せたりするんじゃないかな……。
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