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①をあげてからいったい何か月がたったんでしょうか…はた迷惑な彼②です。続きです。
彼らは過敏になっているのだと、言いきれない所が何ともいえない。
全く、これほど心配をかけて彼は一体どこにいるのかと、マークⅡは息を吐いた。
メタスからゼータがまだ家に帰っていないと連絡があったのがつい先ほど。それを聞いた自分は彼を探しに出ると彼女に告げて、すぐさま外へ飛び出したのである。
それからずっと街中で聞き込みを続けているのだが……数十人に訊いて成果なしというのは本当に、どうなっているのだろう。探し人のあの容姿は人目を引くはずなのだが。
探す方法を変えるべきかと真剣に悩んでいると、ふいに軽く肩を叩かれる感覚に現実に引き戻された。
何だと思いながら背後に視線をやると、そこにあったのは同じくゼータを探しているはずのプラスの姿。
疲れ切った表情で彼は笑い、口を開いた。
「よぉ……何か良いネタ入ったかい?」
「全然……っつーかお前どうしたんだ。ひでぇ顔だぜ?」
「まぁ……街中二周くらいして来たからよ……」
「にっ……!?」
自分が電話を受けたのが十分程度前。
そしてプラスも知り合いに電話をしていただろう事は間違いなく、故に彼が行動をしていた時間と言うのは明らかに自分が外にいた時間よりも少ないわけであり。
そんな時間内で街中二周というある意味での偉業を成し遂げたプラスに驚愕を覚えながら、マークⅡは、どうだった?と成果を尋ねる事はあえてしなかった。この問いの答えは、彼の表情を見れば嫌でも分かる。
なんて迷惑な奴だと、全ての原因を思いながら、一方向を指さし言う。
「じゃあ、オレはあっち探すから」
「オレは反対側を探せば良いんだな?」
「おう。……そういやメタスちゃんも出てんのか?」
「まーな。止めても聞きやしねぇよ。……とりあえずダブルゼータ呼び出してつけといたから問題ねーと思うけどよ」
「大丈夫だろ、それなら。アイツだってやるときはやるだろうし」
「……だな」
顔に呆れと心配があふれ出ているプラスに思わず苦笑を浮かべると、彼も僅かにだが苦笑を浮かべて返してきた。
それを認めてから、先ほど自分で指さした方に体を向ける。
「じゃ、オレはそろそろ行くぜ。お前も頑張るのは良いけどほどほどにしろよ」
「分かってるって。アンタもほどほどにな」
そう言って。ひら、と手を振ったプラスが遠ざかって行くのを見てから、マークⅡも再び歩を進ませ始めた。
まだもうちょい続きます。
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