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式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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しばらくはこのシリーズに力入れないとなぁ、とか思って見たり。いや、作品数が少ないのって悲しいし。
というわけで、天玉町一家です。劉備、曹操様、呂布、曹丕のお話。



 普段ならば部活動があるため学校が終わってすぐに帰路につく、という事が出来ない。
 帰るのは早くて六時を回った頃だし、遅かったら八時になることだってある。他の部活は遅くても八時にはならないようだし、規則でもそこまで遅いのは禁止されているようだけれども、どうやら剣道部は色々と力を入れているために多少の練習時間の延長は許されているらしかった。
 けれども、今日は珍しくテスト期間でもイベントがあるわけでもないのに、部活は休みだった。どうやら顧問の先生が個人的な都合のせいで練習の立ち会いに来られないということが原因であったようだけれども……さて、どんな都合だったのだろう。
 力を入れているらしいのに顧問の先生の『個人的な』都合でどうとでもなってしまう剣道部の部活動にほんの少しの疑問を抱きながら、玄関のドアに手をかける。
 この時間ならもしかしたら誰も帰っていないかもしれない。そういえば用事があるとか言う事で、誰よりも早く曹丕が学校から出て行ってしまっていたから、用事の内容によっては既に彼が家にいるということもあるかもしれないけれど。
「ただいまー」
 そんな風に思いながら、劉備は玄関のドアを開けた。
「帰ったか」
 すると、何故か階段の三段目に座っていた曹操にお帰りの挨拶を返され。
「随分と遅い帰りだな」
 玄関と会談の間の平らなスペースに立っている呂布にも似た様な事を言われ。
「……」
 その呂布に絞め落とされかかっている曹丕が見えた。
 一瞬、沈黙。
「……って、ちょっと待て!?」
「何だ、どうかしたのか?」
「どうかしたも何も、アンタの血縁者がっ」
「あぁ、問題ない。俺がやらせている」
「やらせてるって……何やらせてるんだよ!?というかほら!曹丕が泡吹いてる!泡吹いてるからいい加減腕放してやれよ呂布!」
「……放していいのか?」
「あと十秒くらい待て」
「待たなくていいーッ!」
 
 
 少し騒いでから約五秒後。
「……川を見たぞ川を」
 呂布の腕から解放された曹丕は、絞められていた喉のあたりをさすりながら、表情を引きつらせて呻いた。
 まぁ……それはそうだろう。何せ、彼を締め落としかけていたのは居候仲間で、締め落とす様に指示していたのは血縁者だ。自分だってそんな状況に陥ったら、平静な表情をしていられる自身は無い。
 何となく曹丕の頭をよしよしと撫でながら、改めて加害者二名に視線を向ける。
「……で、何でこんな事になってたんだ?」
「曹丕が馬鹿な事を訊いてきたのでな」
「馬鹿な事?」
「……もうすぐ例のイベントがあろう」
 腕を組み始めに自分の問いに応じた曹操に代わる様に、まだ多少顔色が悪い曹丕が口を開いた。ちなみにその際、彼の頭を撫でていた自分の手は思いきり払われた。やはり子供扱いを思わせる対応は嫌らしかった。当然か。
 しかし……例のイベントとは何なのか。
 はてと首を傾げると、喉を未ださすっている彼がやれやれと息を吐いた。
「劉備よ、この月にあるイベントと言えば一つしかなかろう」
「えぇと……紅白歌合戦?」
「クリスマスだッ!何故このようなことも分からぬ!」
「え、だって……あー、でも、もうそんな時期なんだな。後何日後くらい?」
「残り日数は五日を切っているが」
「え、本当?」
 それは確かにもうすぐだと、曹操の言葉に驚きながら腕を組む。
「けど……それがどうしたんだ?サンタがいるとか信じてる年頃でもないだろ?」
「……顧問が今日の部活を休みにした理由を知っておるか?」
「いや、何か個人的な都合があったとしか聞いてないけど」
「あの顧問、彼女と旅行に行くためのプランを立てるために今日の部活を休みにしたのだ!信じられるか!?そして羨ましかろう!?」
「……あー、うん、その言葉でお前が何訊いたか分かったかもしんない」
 血涙でも流しそうなほどな形相の曹丕を前に頬を掻いて、言う。
「お前さ、どうやったらモテるのかとか訊いたんだろ」
「う」
「……」
 詰まった様な声と、無言と共に零されたため息が答えだった。
 それは相手が相手だし、確かに締め落とされかねない質問である。苦笑をしながら、曹丕の肩をぽんと叩く。
「まぁ心配しなくてもお前、不人気ってわけじゃないんだから良いんじゃないか?」
「良く無い。余は人気では無くて好意が欲しいのだ。出来れば妹属性を持った相手が良い!」
「……あ、そう」
 そう言い切られてしまうと、返答のしようが無い。
 曹操が曹丕の頭をはたくのを見ながら、劉備は、はぁ、と息を吐いた







実は、この話を書きながら、このサイトにおける曹丕の扱いという名の未来が見えた気がしたんだ……。
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