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ハレルヤとアレルヤ。
ワタリは、ハレアレが一番好き…なのかもしれません。
たまにハレルヤが可哀想なことになるけど(例・ティエリアとのケンカで)
チビスターズ第二話 ⑪
ドアの開く音に、目を覚ました。
ゆっくりと身を起こすと、そこには小さくなった半身の姿が。
「あ、起こしちゃった?」
「気にすんな。元から浅ぇ眠りだ」
申し訳なさそうな顔をするアレルヤに、思わず呆れる。こんなこと、気にする必要もないだろうに。自分と彼の仲だというのに……どこまで律儀なのやら。
「でも……」
……まだ言うか、コイツは。
小さくため息を吐いて、ハレルヤはベッドから降りた。
そのまま、アレルヤの真正面まで行く。
「えっと……どうかした?」
「じゃなくてな、お前、色々気にしすぎ」
しゃがんで、半身の額を軽く小突いた。
突然のことだったから、驚いたらしい。アレルヤは軽く仰け反り……何とか元の体制に持ち直して、キッとハレルヤを睨みつけてきた。
「何するのさ!」
「べっつにぃ?人起こしたくらいで、必要以上に申し訳なさそうな顔をするヤツのデコを小突いただけだけど?」
「だって、起こしたら悪いかなって思うだろ?」
「いや?俺は他人はどうでもいいし」
こう言ってしまえば、アレルヤの反論はなかなか来ない。話の流れが途切れるから、一瞬、何を言っていいのか分からなくなるのだろう。
とりあえず、入り口を開いたまま話すのもなんだったので、ドアを閉じて、それからアレルヤの服の襟を掴んだ。
「……ちょっと」
「苦情は受け付けてねぇからな」
猫みたいに運ばれるアレルヤ(首は絞まらないように工夫済み)が、じとっとこちらを見てきたが、あえて無視。多分、これが一番運びやすい……わけではないけれど。普通に抱く方が楽だろうけど、それでは何だかつまらないし。
ベッドの上にドサッと落として、ハレルヤも腰掛ける。
「で?どこに行ってたんだよ。帰ってくんの、遅かったじゃねぇか」
「キュリオス見てきたんだ。少し乗ってみたけど……操縦は難しいかな。できなくはなさそうだったけどね」
「俺が乗るから、それでも別にいいだろ」
「それはそうなんだけど……」
ちょっとだけ、複雑かな。
そう言って、アレルヤは笑った。
「昨日までできてたのにね……」
「小さくなっちまったんだし、しゃーねーだろ」
「いやまぁ、そうなんだけどね?できれば僕もできてたほうがいいし」
「できねぇでいい。そのナリで前と同じような操縦できたら怖ぇ」
「……………確かに、それはあるかも」
納得した様子のアレルヤ。
そう、小さな彼が以前と同じような操縦をできたら何というか……(正確には違うけれど、見た目が)年上だというプライドが一応、あるわけだから。やっぱり。
……というか、できてしまったら軽く傷つく。
「ハレルヤ?どうかした?」
黙り込んでしまった自分を訝しく思ったらしい。アレルヤが顔を覗き込んできた。
ハレルヤは問いには答えず、黙って再びベッドに横になった。
「寝る」
「え?でもハレルヤ、さっきまで寝てなかったっけ?」
それで眠れるの?と訊いてくる半身の体を、ぐいと引っ張って近づける。
突然のことで反応できなかったのだろう。アレルヤはいとも簡単にハレルヤの腕の仲に収まった。
「えと……ハレルヤ?」
「お前、小さいんだし丁度良い大きさだし、せっかくだから抱き枕にでもさせてもらうぜ?」
「抱き枕って……まぁ、いいけど」
くすりと笑って、半身が目を閉じた。
「おやすみ」
「……おう」
会話の続きは、また明日。
そして第三話へ、という流れです。
この二人が『一緒に』幸せになって欲しいと、心から思います。
……ここで書くような事じゃないかも、だけどね。