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どうして僕らは……
…それを言っても意味はないぞ
チビスターズ第四話 ③
「……参ったね…」
「だな……」
刹那とアレルヤは今、人気のない階段に腰掛けていた。
二人はいつの間にか人の波に流され、気づけば四人の姿が見えない場所まで来てしまっていたのだ。
CBの人間だから目立つ行動をするわけにもいかず、何より、二人は「まさか、この歳になって……」という共通の思いを持っていたので、迷子センターのお世話になるという選択肢は元より浮かんでいない。いくら見た目的には問題は無いとはいえ、ここは自分たちの心情が、やはり。
「探す、にしても……この身長じゃ…ねぇ」
「また迷うだけだ」
「やっぱり、ここにいるのが一番?」
「だろうな」
刹那の答えに、アレルヤがため息を吐く。
気持ちは、分からなくもない。あの四人に迷惑を掛けるのを、彼は憂鬱に思っているのだろう。刹那の場合、別にマイスターたちには申し訳なさを覚えてはいない。が、年下のフェルトに対しては思うところがある。
早く、見つけてくれれば良いのだが……そう簡単にいくことでも無いだろう。
「でもさ……ずっとここにいるっていうのも、少し目立つっていうか……」
「あぁ、確かに目には止まるだろうな」
「移動した方が良いかな、もしかして」
「それは必要ないだろう」
確かに人目を気にするのならば、それが最もベストの行動かも知れない。
だがそれ以前に、はぐれてしまった集団と合流をしなければ。まぁ、放っておけばハレルヤあたりがアレルヤのいる場所を察知しそうなものだし、そこは心配する事も無いかもしれないが。
しかしそれも、一所に止まっていたらの話だ。あまりにあちらこちらと移動していては、居場所なんて感づくのは難しいだろう。
流れていく人混みを眺めながら肘を膝に当て、頬杖を付く。
「通信端末は持っていないのか?」
「持ってないけど……持ってても、電波状況悪いよ、ここ」
「……それもそうだな」
瞳に映るのは、仲の良さそうな親子。子供は無邪気に親に笑いかけ、親は優しげに子供に微笑み返している。
つい、と視線をずらせば、そこには怒られて泣く兄弟の姿があった。大方、我が侭を言って駄々をこねて、それで親を怒らせてしまったのだろう。いくら今日がセールで諸々の物が安い日だからといって、何でも買ってもらえるわけではないというのに。金には限度という物がある。
他にもいくつか親子の組み合わせがあったが、どれもこれも幸せそうだ。
こういう世界があるのだと、今更ながらに感慨深く思う。
「ねぇ……刹那」
ふいに、アレルヤが口を開いた。
何だ?と視線で問うと、彼はニコリと笑んだ。
「あの人たちが、羨ましい?」
「……違う」
それは思わない。
ただ、普通の生活を送っていたら。そうしたら、自分にもああいう事をした思い出ができたのだろうかと、そう考えていただけだ。
そう言うと、彼は呆れの表情を浮かべた。
「そんな事を考えるってことは、つまり羨ましいってことじゃないかな?」
「……そうなのか?」
「僕はそう思うよ。少なくとも、どうでも良いとは思ってない」
前者は本当か分からないが、後者はその通りだと納得できた。失った物だから、それが大切なものなのだというのは理解できている。
だけれど、それだけだ。
だが……アレルヤがそう言うなら、そうかもしれない。
そう、思った。
「ところで……みんな、いつになったら見つけてくれるかな?」
「さぁな。当分先だと思うが」
「……かな。いい加減、誰かが僕らのことを気にし出すと思うんだけど……」
「早く見つけてもらえるようにと、祈っておくべきか?」
「……誰に?刹那だし、神様にじゃないよね?」
「もちろんガンダムにだ」
「いや、それは……ううん、何でもないよ」
…けど本当、どうしてハプニングにばかり。
(どうしようもないのは分かってるけどさ……)
刹那は「神はいない」と言った御仁ですので、祈るとしたらガンダムに…でしょう。特にエクシア。
アレルヤは普通に神様かも知れません。だってアレルヤだし。
ティエリアだったらヴェーダかなぁ…けど最終回近くはヴェーダ離れしてるし…。
一番分からないのはロックオンかな。彼が信じるのは何だろう…?