チビスターズ第五話 ⑨

もの凄く久々ですが。
チビスタ、上げました。

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チビスターズ第五話　⑨


　どんなことにも終わりというのは来る物で、結局ジェットコースターに乗ることもなく遊園地を後にすることになった。
　どうしても時間がなかったというのならまだ考えてやっても良かったのだが、残念ながらそうではない。あの眼鏡が全ての原因であり元凶。どうして苛つかないことがあるだろうか、いやない（反語）。
　……というわけで、ハレルヤは結構イライラとしていた。
　それでもブチ切れないのは他でもない、片割れが自分の手をギュッと手を握っているからである。どうやら放したらどうなるかは予測済みらしく、とにかく放すまいとする姿は何というか……小さくなってもやっぱり変わらないとか色々と考えているけれど、そんな彼が可愛いとか考える自分は何だろう。いや、事実だから良いけども。
「楽しかったね」
「ん？……あぁ、まぁな」
　そんな片割れにこんな風に話を振られてしまったら、当然ながら首を縦に振るしかない。これで横に振って悲しませてしまうのは決して本意ではないのだ。
　アレルヤに甘い自分に苦笑している内に、イライラが少しずつ収まっていく。そして、それを自覚してさらに苦笑。
「さっすが癒し…近くにいるだけで効果抜群」
「……？」
「何でもねぇよ」
　ヒラリ、と軽く手を振って後、良いことを思いつく。
　なぁ、と呼びかけると何？という返事。
「折角だし、肩車でもしてみっか」
「え？」
「疲れてるだろ？」
　たとえ中身が二十歳だとしても、体は間違いなく子供の物なのだ。一日中遊んで疲れないわけがない。自分でもそれほどではないが疲弊しているのだし。けどまぁ、そういう相手に気を遣うのがアレルヤであるが。
　案の定、彼は、でも……と申し訳なさそうな視線を寄こした。
「ハレルヤも疲れてるでしょう？そんなことしたら、もっと疲れてしまうけど…」
「別に？そんくらいどうってことねぇし」
「けど……」
「そんな体になってんだし、いいだろ一回くらい」
「……かなぁ？」
　うつむき加減になって、片割れは考え込み始めた。
　少し、懐柔され始めたようである。
　当然の流れだ。ハレルヤが知る限りでは、アレルヤにそんなこと、つまり肩車をされた記憶はない。したがって、『普通』に憧れを持つ彼が興味を示すのは当たり前といえた。まぁ、だからこその提案ではあるのだが。
　数秒後、じゃあ、とアレルヤは顔を上げて照れくさそうに笑った。
「お願いしていい？」
「そうこねぇと」
　それから笑い合って、そして。
「あ……肩車してもらってる…」
「アレルヤ・ハプティズム、そんな男の肩車は乗り心地が悪いだろう？いっそのこと俺がやってやろうか？」
「……肩車に乗り心地って…あるの…？」
「肩車かぁ……刹那、」
「俺は嫌だ。少なくともお前にだけはやられたくない」
「刹那…相変わらず反抗期なんだな……」
「少なくともお前に対しては永遠に反抗期だ」
　口々に感想（後半は何か違う）を言うその他諸々を見、足を支えられていて、落ちないように頭に抱きついている片割れを見る。
　目があったので、また笑い合った。



「んじゃま、帰るかー」
「…バスに乗って帰るんだよね」
「あ、そのバス発進したみたい」
「何だと！？計画を歪めるなど……ロックオン・ストラトス！貴方は保護者失格だ！」
「落ち着け、ティエリア・アーデ。あれは別に最終でもない」
「それにな眼鏡、そんなんでいちいち目くじら立てると、心の狭さが知れ渡るぜ」
「っ……刹那・Ｆ・セイエイにハレルヤ・ハプティズム……手を組んだか！？」

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これももう少しで一期の分は終了する予定。
え、二期は？
…考え中、とだけ、言っておきましょう。