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クリスマスリクでリクエストいただいた「SDFCで大御所兄妹でほのぼの」です。
が……ほのぼの…?な出来かと……思いま…す。相変わらずですが。
そんなので良い勇者さんはどうぞお進み下さい。

カテゴリが「SD:ささげもの」に入っている理由は、後書きまで読んでいただければ……分かるかと。



「お兄さん、何したんですか?」
「うーん……その、ね」
「その?」
「真冬の川で寒中水泳を……」
 言いながら、少し……いや、かなり情けなく思う。寒中水泳をして現状に陥っているのはまぁ、仕方がないとしよう。何せ真冬だし。けれど、そこに至る過程を思い浮かべてしまうと仕方がないでは済まされない。
 というか正確に言うと寒中水泳ではないのだ。
 ただ単に、よそ見をしていて足を滑らせて橋から川に落ちただけで。
 ……今思い出しても恥ずかしいというか。
 だから、こんな事実だけは聞かせたくはないと、つまりは兄としてのプライドが妹に真実を伝えることを躊躇わせていた。一応、真実ではなくても嘘ではないので、その辺りの良心の呵責は小さいのが救いだろうか。
 はぁ、と溜息を吐いて額の冷えピタシートに触れる。見舞いの品だと持ってきてくれたのは、存在自体が謎の天然と、そのツッコミ役の二人だった。
 それから視線を巡らせてみれば、たくさんのものがゴッチャリと布団の周りにおいてある。全て見舞いの品で、中には「余ったんだ」とか言って新品の品を持ってきた見舞客もいたのを思い出して、微かに笑う。本当、素直じゃない。微笑ましいと思う……けれど、その品物が呪いに関する本とかだったのはどうかと思うのだけど。暇だろう?確かに暇だ。でも、出来ればもっと別の暇つぶしを持ってきて欲しかった。
 そんなものでも……心配してくれているのは、本当に良く分かる。
「……みんなに迷惑かちゃったな」
「大丈夫ですよ、お兄さん。みんな気にしないでって言ってましたし」
「けどね」
 そうは言われても、気になってしまうのが悲しい性。
 お返しは何が良いだろうと悩んでいると、冷却シートが剥がされる感覚。取り替える時間らしい。そんなに長く付けていたつもりはないのだけど、途中で寝ていたから、その間の自分の感覚はあまり信じられないから……付けて長かったのだろう。
「お兄さんが体を治すことが、一番のお返しですよー」
「……ねぇ、アレックス」
「はい?何でしょう?」
「オレ、お返しどうこうって言ったっけ?」
 思いはしたけれど、口には出していなかった気がするのだが。
 訝しげに問いかければ、キョトンとした顔になった後にアレックスはやんわりと笑った。
「そんなの見てたら分かりますよ?」
「え……本当?」
「本当ですよ。お兄さんって分かり易いですから」
「……そんなに分かり易いかぁ」
 分かり難いとは思っていないけど、そこまで分かり易いのはちょっとどうかと思う。
 直すべきなんだろうか、そもそも直るんだろうか……布団を引き上げながら考え込んでいると、そんなことを考えているとは流石に分からなかったらしく、アレックスは不思議そうな顔でこちらを見ていた。
「お兄さん?」
「あぁ、いや、何でもないよ。……あ、そうだ」
「?」
「卵酒、作ってくれる?」
 昔に似たような状況で、日本酒の中に卵を入れられて出してもらったことは……絶対に忘れられないんだろうと思う。結局アレは飲むことになって、ほんの微かにトラウマになっているような気もする。
 さぁどうする?と興味津々で見ていると、アレックスはとっても朗らかな笑顔でじゃあ日本酒と卵持ってきますなんて言うものだから、ガンダムは慌てて止めた。すると、え、じゃあ洋酒ですか?なんて言われて、脱力する。だから、そうでなくて。
「アレックス、それ、卵酒じゃないと思うんだけど」
「でもでも、お酒に卵ですよ?」
「字面的には間違ってないのかも知れないけどね……」
 実物とは絶対に違う。
 確信と共に力強く言うと、分かりました、と一言。
 あぁ、やっと分かってくれたのかと安心したのも束の間、彼女の口からはとんでもない言葉が飛び出てきた。
「日本酒と洋酒を混ぜて、その中に卵を入れてみます」
「……………ねぇそれはちょっと拙いんじゃな、」
「大丈夫です!全部飲食物ですし」
「飲食物でも、組み合わせたら恐ろしいことになることもあるんだけど!?」
 例えばお汁粉に紅茶と炭酸飲料を入れて固形物のスナック菓子を入れてみたりした結果だとか。危険物になる可能性なんて驚くほど高い。
 が、それさえも分かっているのかいないのか、自慢の妹はにっこりと笑った。
「大丈夫ですよ、死んだりはしませんから」
 本日二度目の彼女の『大丈夫』。
 だったがしかし、こちらは全然『大丈夫』ではなさそうだった。





最後の例えばの「お汁粉に紅茶~」は割と事実に基づいた話です。かつて、こういうブレンドもあったのですよ……?

というわけで。
この話はリクエストしてくださった 清羅繭 様に献上したいと思います。迷惑でなければもらってやってください。返品可能です。その時はどうぞ、たんくの砲撃でもノワールの呪いでも何でも付けて送り返してくださいませ。
リクエストありがとうございました!

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