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大分遅くなりました、Another Story (00)。
いやだって、何か浮かばなかったんですよ…。

今回はアリオスの考え事な話です。



「ダブルオー大丈夫かなぁ……」
 手すりに腰掛けて、アリオスは自分の本体のある方を見た。
 そこには本来、自分だけでなくてダブルオーの本体もあるはずだったのだが……はぐれてしまってから後、合流できないままで彼の姿はない。だから、二機ほどあるはずの機体は一機しかなかった。彼のためのスペースはポッカリと空いたまま。
 何だか寂しかった。
 彼に連絡でも入れれれば良いのだろうけれど、残念ながらそれは無理だ。実行できるかできないか以前の問題で、もしも彼が戦闘中だった場合には迷惑になりかねない……ような気がする。実際はあまり関係ないと知っているけど、やはり、気分的にはどうだろうと思わなくはなかった。誰かに言ったら笑われそうだと思う。
 ともかく、そういうわけだったから、アリオスは座ってずっと待ち続けていた。
 ケルディムとセラヴィーは、二人がいる方の格納庫にいるだろう。こちらに先ほど来てくれたのだが、今は一人が良いと帰ってもらった。得に理由はなくて、ただ、何となく一人でいたいと思った。少しだけ、考えたいことがあったから。
「僕は、」
 目を閉じて、現実を視界の外へと追い出す。
 そうして再び目を開いて、自分という存在を瞳に映す。
「僕は、ガンダムだ」
 見上げなければならない程の大きさの自分自身の、本体。人を殺すための道具。どんな大義名分があろうとその事実は変わることなく存在する。
「僕は兵器だ。そして、」
 たった一つの存在理由を基に、活きている。
「あらゆる紛争行為を止めるために、僕らはいるんだ……けど」
 表情がかげるのを感じながら、アリオスは息を吐いた。
「僕らは、その存在理由を果たせているのかな……」
 アロウズは非道い。それは多分、間違いないと思う。彼らのような存在は必要かも知れないが、残念ながら、そうも言っていられるほどに彼らは甘くなかった。取り締まるにしたってもう少し、やりようというものがあれば良かったのに。……これも、自分の甘さ故の馬鹿な考えなのだろうか。そうだとしても良い。そう思ったのだから。
 そんなアロウズを倒す。それも、間違いではないだろう。彼らは確実に紛争を起こしていて、火種だった。だから自分たちが行動を起こすのは不思議ではなくて。
 少し気になるのは、カタロンとちょっとばかり仲良くなってしまっていることだった。
 以前なら。四年前ならばカタロンだって介入の対象になっただろうに、アロウズだけに的が絞られていて。アロウズを片付けてしまった後は一体どうするのだろう。今はアロウズがいるから良いかもしれないが、いなくなったら。アロウズを倒しただけで恒久平和はないし、紛争だって無くならないだろうから。
 その時は、ちゃんと続けてくれるのだろうか。
 自分たちの存在理由を損なうことなく、武力介入を続けてくれるのだろうか。
 無いような気は、している。全てを終えたら罰を受けると皆は言うけれど、それにどれ程の意味があるのかがアリオスには分からない。だってそんなの。単なる自己満足でしかないじゃないだろうか。そんなことをしたって何も変わらないのに。
 罰なんて受けないで、続けないのならば平和に暮らしてくれた方が良いと思う。その方がアリオスとしても嬉しいし、罰を受けるよりも幸せになれる人が増える。あぁ、でも、あれだけのことをしたのに幸せに暮らすなんて、と思う人もいるかもしれない。なら、その人こそ幸せになるべきだ。幸せになれて、その罪悪感によって罰を受けて。一挙両得、とかいうやつだ。
 ともかく、分かっているのは『自分たちの存在理由が危うい』ということ。
「皆は、どう思ってるんだろうね……」
 考えていないかも知れないし、答えは出ているのかも知れない。訊いてみたら答えてくれるだろうか。でも、訊いても聞いても納得できるだろうか。
 ハッキリとした答えがあればいいのにと、そんな物が無いのは分かっていても思わずにはいられない。ハッキリとした答えがあれば、こんな風に迷わなくても良いのだろうに。もしかしたら、答えがあったらあったで、あったからこその迷いもあるのかも、しれないのだけれども。
 今、今のCBと共にあることは嫌ではない。結構気に入っている、と思う。だからこそこうして大人しくここにいるのだろう。
 だから、そう。この考えは本当に取り留めのない、ある意味で完全に無駄な思考なのだった。存在理由についての不安は本物だが、そうであっても立ち位置が変わることはない。道具にそんなものを変えようもないのは分かっているし、変えようとさえも思っていないから。これは考えなくても考えても、結論がどこまでも同じ思考。
 ただ、ふと。本当にふと、浮かんだ考えがあった。
 少しだけそれを考えてみて、首を振った。有り得そうだけれど、あまりあって欲しくないような考えだった。

 存在理由というのも、あるいは時を経て変わる物なのかも知れない。
 なんて。





ダブルオーは多分考えて無くて。
ケルディムは分かった上で。
セラヴィーは割り切っていると思う。

まぁ、とりあえず全員が全員パイロットが嫌いではないのでというか好きなので(ケルディムは、やっぱり少し複雑だけど)、そういう点があるので結局は彼らに付き合うのですが。
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