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 帰ってきたリジェネを目にして、オーガンダムは目を丸くした。小さいのが一人、足りなかったのだがそれさえ気にならないほどに驚いた。

「……どうしてそんなに不機嫌なのですか?」
「大したことじゃないよ。気に入らないのが現れただけ」
「気に入らないの、ですか?」
「うん」

 全く……どうして最後の最後にアイツの顕現を感じないといけないんだろうね。嫌がらせ以外の何者でもないよ。僕がアイツのことをどれだけ嫌いかなんて良い表せられないけれど、とにかく嫌いなのに。あーあ、あの子と出会えただけだったら良かったのになぁ……外野が多すぎるんだよねぇ……。

 そんなことをブツブツと呟きながら、リジェネが運んでいたティエリアをソファーの上に転がした。そうして、自身は一人用のフカフカのチェアに腰掛ける。

「……私が片付けてきましょうか」
「気持ちはありがたいけれど無理だね」
「無理、ですか……」
「絶対。アイツは強いから」
「父様よりも?」
「確実にね。アイツに勝てるのはせいぜいあの子くらいの物だよ……」

 はぁ、と憂鬱げに溜息を吐いてリジェネは、オーガンダムが置いておいた紅茶に手を伸ばし、色づいた液体を眺めてもう一度溜息を吐いた。よっぽど『アイツ』という誰かのことが嫌いらしい。

「あの子……とは、アレルヤのことですか?」
「ん?あぁ、うん。そうだよ」
「では…アレルヤはどこへ」
「……家出」
「帰ってきますか?」
「帰ってくる、じゃなくて連れて帰るんだよ」

 それはつまり、自然にしていては返ってこないと言うことだった。
 何があったのだろうと首を傾げ、次は、とティエリアの方を見る。

「ティエリアはどうして寝ているのです?」
「ちょっと意識を飛ばされただけだよ。直ぐに起きる」
「それでも……このままでは冷えますね。毛布でも持ってきましょうか」
「それはいらないと思うよ?だって、直ぐ起きるだろうし」
「ですが…」
「直ぐ起きるんだから、いいの」
「…はい」

 何だか『八つ当たりみたいだけど、別にティエリアが風邪引いたって良いよね』という声が聞こえてきそうだった。よっぽど機嫌が悪いらしい。

 本当に何があったのだろうと思いながら、それでもやはり言うことを聞かないという選択肢がオーガンダムの中には無いため、大人しく座っているリジェネの傍らに立つことで収まった。

「これからどうなされますか?」
「明日にでもリボンズに話をしに行くよ……それが楽そう」
「情報交換を?」
「そういうこと。あぁ、僕がいない間にティエリアよろしく」
「といいますと?」

 世話なんていらないだろうと不思議に思うと、クスリという笑い声。

「だからね、逃げないように気をつけていてっていうことだよ」
「……分かりました」

 何でそんな危険性があるかは分からなかったが、リジェネの言うことならばと頷いた。リジェネの言葉が、嘘であるはずがないから。

 

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