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秋はものすごくこじつけだと思います。こじつけました。
ガンダムとかシャアとかララァとか…そのあたりの皆様登場。
26:秋
朝っぱらから騒々しくやって来たガンダムたちに何だ、と思いながらも本気で困っていたようなので朝食を分けてやったのが数時間前。
だというのに。
「いつまで居座る気だ」
「んー?とりあえず昼ご飯の時間まで?」
「帰れッ!」
朝食だけでなく昼食まで食べていく気なのかコイツは。
そこまでやってやる義理はない、とシャアはゴロゴロとしているガンダムを起こしにかかった。とりあえず腕を引っ張る。
「いい加減に起きろ貴様は!見ろ、お前の妹はあんなに大人しくしているぞ!?」
「あー、アレックスは良い子だからなー、兄として誇らしい」
「その兄がぐうたらしていてどうする!」
「いやまぁ、それはそれ、これはこれ?」
「そんな言い分が通じると思うな!そもそもどうして朝食を食いに来たのだ!」
「しゃーねーじゃん昨日は大変だったんだから!」
「ところでシャア、ガンダム」
ついにガンダムも声を荒げて一触即発、そんな空気になったところでその雰囲気を打ち破ったのは、のほほんと湯飲みを持ってこちらを見ている美しい女性。
名前はララァ。
そう。ララァはそれはもう素晴らしく美しい女性になっていたのだった。
そして、ララァは微笑んだままに口を開いた。
「貴方たち、衣装替えしたらどうなるのかしら?」
「…えっと、衣装替え?」
突然の言葉にシャアは答えられず、呆然としながらも応答できたのはガンダムの方だった。他の面々は自分と似たようなもので、いきなりの問いかけにきょとんとした面持ちで互いに顔を見合わせていた。
何となく、言いたいことは理解しているのだが……どうして今、それを。
そんな自分の、自分たちの思いを知ってか知らずか、彼女の場合は知ってになるのだろうが、ララァはくるとアレックスの方を向いた。
「アレックスちゃんも思わない」
「え?…あ、ちょっと思います」
「セイラちゃんは?」
「……実は少し」
「そう。じゃあそういうことだから二人とも、頑張ってみて」
ララァに笑顔のまま催促され、シャアはついつい頷いていた。元から断る気はなかったのだが、今のだめ押しで本当に断れなくなった気がする。見れば、ガンダムも似たような状況だった。互いにララァには頭が上がらないから、仕方ないと言えば仕方ない。惚れた弱みというヤツだ。
が、一体どうすればいいのだろうという疑問はあるわけで。
「へーんしん!…とか叫べば変わるのかな?」
「本来の装備ならば武器もどこからともなく出現させられるようだからな…可能性は無いとは言い切れんだろう」
「じゃあお前先にやれよ」
「断る。どうして私が先にせねばならん」
「良いじゃんやれってば」
「…どうせ、私が『へーんしん!』と大声で叫ぶところが見たいだけだろう」
「あ、嫌なら『!』を『☆』にしても良いけど」
「自分でやれ」
冷たく言い放って、シャアはさっさとララァの隣に収まった。そうすれば自然と矛先はガンダムの方へと行くはずである。
実際、一人だけ残ってしまったガンダムは去るに去ることも出来ず、恨めしげな視線をこちらへ向けていた。もちろん全て無視するが。このくらい、朝食代だと考えればまだまら安い方だろう。何せある意味無料だ。
さぁどうする?と眺めていると、いい加減諦めたのかガンダムはキッと顔を上げた。
「へーんしん!」
そして本当に叫んだ。
結果。
「お…お兄さん、髪の色が変わりました!」
「え!?マジで!?」
「あぁ。昔ジムがお前を『ロマンスグレー』って形容してたときの色そっくりだ」
「秋、って感じの色だね」
「うわ、本当に変わるんだ…」
ワイワイと騒ぎ出したあちらを何気なく眺めていると、ふいにララァがこちらを見上げてきた。
「シャア、じゃあ、今の貴方は百式の状態なのかしら」
「良く分からんが……かもしれないな」
金髪を指先でクルクルといじりながら、シャアは頷いた。
ちょっとだけ気になった疑問でした。
…どうなんだろう。髪の色とか変わるのか…?