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拍手再録です。



11.去年のカレンダー



「……何、これ……」
 その扉を開いたとき、零れ出たのはその言葉しか無かった。
 呆然とその部屋の中を眺めていると、後ろからヒョコリと除く同じ顔。そして、引きつる顔。どうやらハレルヤも同じように思ったらしい。
「オイオイ……何だここ。倉庫か?」
「にしてもゴッチャリと……よく紅龍さんが放っておいたものだね……」
 その部屋は、ガラクタ置き場としか形容できない部屋だった。
 とにかく色々ありすぎるのだ。机やタンスというものはまだ良いとして、あそこにあるのはベビーカーだろうか……何と言うか、反応に困る物を全てごったに突っ込んだような感じの部屋だ。というか間違いなく突っ込んだのだろう。
「見てよハレルヤ、カレンダーまであるよ……」
「しかもメチャクチャ高価そうなのな……何だあの装飾。カレンダーにあんな装飾いらねぇだろ絶対。売ったらいくらだアレ……」
「去年のですし、せいぜい十万前後かと思いますわよ」
 突然背後から響いた声にバッと振り向くと、そこには留美が立っていた。いつものお嬢様、な姿ではなくジャージというのが新鮮……とも言えるのだろうか。そして何故ジャージかというと、今は留美邸の大掃除の真っ最中だったからだ。本当は参加しない予定の留美だったが、そこは何か色々とあって参加することになった。いやもう本当に色々と。
 ……というか。
「十万円でせいぜいって…言う?」
「言いますわよ。そんなはした金『せいぜい』で充分ですわ」
「へ……へぇ」
 そうなのかと、アレルヤは固まった笑みしか浮かべられなかった。間違いなく違う気がするのだが、そういうのにも憚られるような自信が留美にはあるように見える。これが育ちの差なのだろうか……。
「オイ、この部屋はこのまんまでいいのか?」
「えぇ。流石にここは魔の巣窟だと紅龍も言っておりましたし」
「……あの紅龍がか…」
 それならば間違いなく、ここには手を出さない方が良い。
 そう思って、アレルヤとハレルヤは互いに顔を見合わせ頷き合った。

(2009/03/14)
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