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『描写する100のお題』は、ちょっと短めの形で行きたいと思います。
短めで、登場中心人物は二人、という感じで。
001:雪
室内から外を見てみれば、ちらちらと灰の空から降ってくる白い真綿。
どうりで寒いわけだと眺めていると、呆れたようなため息が聞こえた。
「貴方、何しようとしてるの」
「ん?」
「その右手」
ジトッと効果音が付きそうな視線の先にあるのは、自分の右手。窓を閉めている鍵を空けようとしている右手である。
これが普通の反応かと、笑って手を離すと再度、ため息。
「何でこんな寒い日に窓を開けようとしてるのさ」
「気分だぁ。どんくらい寒いのか、ってな」
「やるなら今度、余所でやって。少なくとも今、応接室でやるのは許さないよ」
寒いのは苦手だからね、と黄色い小鳥にエサをやりながら雲雀は続けた。スクアーロが窓を開けないと判断するやいなや、意識は殆ど小鳥の方へやってしまったらしい。分かり易いというか何というか。
今から空けてみようかと一瞬思ったが、すぐさま鋭い視線が送られてきたので断念した。多少はこちらに注意を向けているらしい。
窓を開けるのは断念して、大人しくソファーの方へ行くと雲雀が軽く体を端へ寄せてくれた。座りやすいようにとの配慮だろう。
「悪いなぁ」
「気にしないで。さっきのお茶のお礼」
「茶って、普通に茶葉入れて湯を注いで…何も特別なことはしてねぇぞ?」
というか彼の場合、何も言わなくてもやってくれる部下たちがいると思うのだけど。わざわざ自分がやらなくても良かったのでは……と思い、そういえば今日は雲雀以外の風紀委員の姿がなかったことを思い出す。休日だし、彼一人で雑務をこなしていたのだろうか。だとしたら随分仕事熱心なことだ。
自分だったらどうだろうと考えて、間違いなく休日だったら仕事はしないと結論づける。休みだったら殺しの任務は入らないし、出来るとしたらデスクワーク……嫌だった。自分は体を動かす方が性に合っているのである。たまに強制的にザンザスの手伝いをさせられたり、ベルフェゴールに押しつけられたりもするが。
そういえば、イタリアでは雪は降っているのだろうか。
本部に残っているだろう何人かの顔を浮かべながら、そんなことを思った。
この二人である理由は、この二人が大好きだからです。
一応、この二人は兄弟みたいに書けたらいいとか思ってみたりなんだり…とりあえず×は無いかな…。