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お泊まり会なイノベイターも、次の話で終わりの予定。
そして今回はライルお疲れ。
この光景は何だろうと、ライルはちらりと視線を上げ……直ぐに戻した。
本当に何だろう。スプーンを口に運びながら思う。
「今日は双子の日か何かなのか……?」
小声で呟いた言葉は、どうやら目の前の二人には聞こえなかったようだ。反応が無く、ただ黙々と食事を続けているだけだった。
思えば、ブリーフィングルームの前を通りかかったときからだ。あの時にティエリアそっくりの見知らぬ誰かを見て、そして今も双子といわんばかりにそっくりな二人が目の前にいる。ティエリアたちは紫の髪だったが、今回は両方とも赤っぽい髪。付け加えると、この二人は髪が跳ねているかいないかではなくて、長さの方が違う。
こっちの方が分かりにくいかもしれない。自分とニールの、髪型も背の高さも殆ど一緒である組み合わせと比べればまだまだ可愛い方だと思うけれど。
それも所詮は程度の差。やはり目の前にこうやって双子っぽい二人がいると、どうしたって気になってしまう。見分けが付きやすいか付きにくいかなど関係ない。
勘弁してくれと、ライルは盛大に椅子にもたれかかって天井を仰いだ。
そんなときである。
救世主が現れた。
「ブリング・スタビティ!デヴァイン・ノヴァ!」
相変わらず凛々しいソーマ・ピーリス、である。
彼女はつかつかと食堂の中へと入り、ライルの隣に立ってバンッと机を叩いた。後ろから先ほど見たティエリアそっくりさんを背負ったアレルヤ、疲労のたまった顔をしている刹那がやって来ている。ティエリアは…いないようだ。
妙に思っている間に、ソーマが厳しい顔で口を開いた。
「貴様たち、よくも勝手に行動してくれたな…っ!おかげで私たちがどれほど苦労したと思っているんだ!」
「しかし、腹が減ったのだから仕方が…」
「デヴァインー、君、このままじゃ食いしん坊キャラになっちゃうよ。昨日だってリボンズさしおいて、いっぱいお菓子食べてたんでしょ?」
唐突にむくりと起き上がったリジェネがそれだけ言ったのだが、彼の傍にいた刹那の拳を後頭部に食らって再び強制的な眠りについた。
あの刹那がこんなマネを、と一瞬驚いたのだが、刹那の窶れた顔を見ているとそれさえ口にする気もなくなった。むしろ同情的な気持ちになって、これも悲しくても必要な行動だったのだろうとさえ思えてくる。
だがアレルヤはそうは思わなかったらしく、僅かに困ったような顔をした。
「刹那、あまり頭は叩いてはいけないよ?」
「諦めろ。必要な行動だった」
「……そうかなぁ…」
「ティエリアから許可は得てある。問題ない」
「そっか。なら多分、大丈夫だね」
「……大丈夫なのか?」
思わず呟いたが、これも先ほどと同じくスルーされた。
にしても『ティエリアが言った』とその一言だけで納得出来るとは。日頃の態度は大切だと言うことだろうか。自分が言ったという一言であったら、恐らくここまでの効果は発揮されないだろう。
そんな彼らの会話など気にした様子もなく、ソーマは尋問中の刑事よろしくブリング・スタビティ、デヴァイン・ノヴァというらしい両名に詰め寄っていた。
「腹が減っただと?そんなの我慢すればいいだろう!まさか出来ないほど減っていたなどという気はないな?昨日の夜あれほど食べていたんだからなッ!」
「それはそれ、これはこれと言う物では…」
「無い。昨日のことだろうと関係無い」
力強く断言して、ソーマは一旦体を起こして腕を組んだ。
「良いか?何が理由で原因であれ、貴様らが私たちに迷惑を掛けたのは事実だ。変えることの出来ない現実だ。それがちゃんと分かっているのか?」
「……漠然と」
「では、貴様らイノベイター全員の自分勝手な行動により総合判断した結果、今すぐ強制送還というのを聞けば分かるか?」
「ハッキリと分かった」
「よろしい」
頷くブリングとデヴァインを眺め、ソーマは満足げに笑った。
が、それはともかくとして……今、彼女は何と言っただろうか……『イノベイター』と言わなかっただろうか?そして『貴様ら』ということはつまり…リジェネの方も、イノベイターであるというわけだろうか。
敵が何でこんな簡単にここに。
しかも昨日からいたらしいし。
あまりの事態の呆然としていると、ガタガタと席を立つ音が聞こえた。赤っぽい髪の両名が立ち上がった音である。
「行くぞ」
そんな二人とアレルヤ、刹那に呼びかけて、ソーマはくるりときびすを返した。
その歩みは元軍人らしく、きびきびとした物だった。
ふとお泊まり会なイノベイターを読み返してたら、本当にデヴァインが食いしん坊キャラになりかけてた…。
ごめんねデヴァイン!
そして、次の話で終わりの予定です。
本当に何だろう。スプーンを口に運びながら思う。
「今日は双子の日か何かなのか……?」
小声で呟いた言葉は、どうやら目の前の二人には聞こえなかったようだ。反応が無く、ただ黙々と食事を続けているだけだった。
思えば、ブリーフィングルームの前を通りかかったときからだ。あの時にティエリアそっくりの見知らぬ誰かを見て、そして今も双子といわんばかりにそっくりな二人が目の前にいる。ティエリアたちは紫の髪だったが、今回は両方とも赤っぽい髪。付け加えると、この二人は髪が跳ねているかいないかではなくて、長さの方が違う。
こっちの方が分かりにくいかもしれない。自分とニールの、髪型も背の高さも殆ど一緒である組み合わせと比べればまだまだ可愛い方だと思うけれど。
それも所詮は程度の差。やはり目の前にこうやって双子っぽい二人がいると、どうしたって気になってしまう。見分けが付きやすいか付きにくいかなど関係ない。
勘弁してくれと、ライルは盛大に椅子にもたれかかって天井を仰いだ。
そんなときである。
救世主が現れた。
「ブリング・スタビティ!デヴァイン・ノヴァ!」
相変わらず凛々しいソーマ・ピーリス、である。
彼女はつかつかと食堂の中へと入り、ライルの隣に立ってバンッと机を叩いた。後ろから先ほど見たティエリアそっくりさんを背負ったアレルヤ、疲労のたまった顔をしている刹那がやって来ている。ティエリアは…いないようだ。
妙に思っている間に、ソーマが厳しい顔で口を開いた。
「貴様たち、よくも勝手に行動してくれたな…っ!おかげで私たちがどれほど苦労したと思っているんだ!」
「しかし、腹が減ったのだから仕方が…」
「デヴァインー、君、このままじゃ食いしん坊キャラになっちゃうよ。昨日だってリボンズさしおいて、いっぱいお菓子食べてたんでしょ?」
唐突にむくりと起き上がったリジェネがそれだけ言ったのだが、彼の傍にいた刹那の拳を後頭部に食らって再び強制的な眠りについた。
あの刹那がこんなマネを、と一瞬驚いたのだが、刹那の窶れた顔を見ているとそれさえ口にする気もなくなった。むしろ同情的な気持ちになって、これも悲しくても必要な行動だったのだろうとさえ思えてくる。
だがアレルヤはそうは思わなかったらしく、僅かに困ったような顔をした。
「刹那、あまり頭は叩いてはいけないよ?」
「諦めろ。必要な行動だった」
「……そうかなぁ…」
「ティエリアから許可は得てある。問題ない」
「そっか。なら多分、大丈夫だね」
「……大丈夫なのか?」
思わず呟いたが、これも先ほどと同じくスルーされた。
にしても『ティエリアが言った』とその一言だけで納得出来るとは。日頃の態度は大切だと言うことだろうか。自分が言ったという一言であったら、恐らくここまでの効果は発揮されないだろう。
そんな彼らの会話など気にした様子もなく、ソーマは尋問中の刑事よろしくブリング・スタビティ、デヴァイン・ノヴァというらしい両名に詰め寄っていた。
「腹が減っただと?そんなの我慢すればいいだろう!まさか出来ないほど減っていたなどという気はないな?昨日の夜あれほど食べていたんだからなッ!」
「それはそれ、これはこれと言う物では…」
「無い。昨日のことだろうと関係無い」
力強く断言して、ソーマは一旦体を起こして腕を組んだ。
「良いか?何が理由で原因であれ、貴様らが私たちに迷惑を掛けたのは事実だ。変えることの出来ない現実だ。それがちゃんと分かっているのか?」
「……漠然と」
「では、貴様らイノベイター全員の自分勝手な行動により総合判断した結果、今すぐ強制送還というのを聞けば分かるか?」
「ハッキリと分かった」
「よろしい」
頷くブリングとデヴァインを眺め、ソーマは満足げに笑った。
が、それはともかくとして……今、彼女は何と言っただろうか……『イノベイター』と言わなかっただろうか?そして『貴様ら』ということはつまり…リジェネの方も、イノベイターであるというわけだろうか。
敵が何でこんな簡単にここに。
しかも昨日からいたらしいし。
あまりの事態の呆然としていると、ガタガタと席を立つ音が聞こえた。赤っぽい髪の両名が立ち上がった音である。
「行くぞ」
そんな二人とアレルヤ、刹那に呼びかけて、ソーマはくるりときびすを返した。
その歩みは元軍人らしく、きびきびとした物だった。
ふとお泊まり会なイノベイターを読み返してたら、本当にデヴァインが食いしん坊キャラになりかけてた…。
ごめんねデヴァイン!
そして、次の話で終わりの予定です。
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