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シークレット・メモリーの餅つきの話の続き……これの話を求めてくれる人は誰かいるのだろうか?
…いない気がするなぁ…。



「というわけで餅つき大会を開始する」
「待てぇッ!」
「ん?何だ二世」
「俺はテメェの案に乗った覚えは…」
「じゃあ反逆罪で一ヶ月監禁するぞ。初代権限で」
「ざっけんなぁッ!」
 後ろでギャーギャーと騒がしいボスたちは放っておくことにして、小さな嵐はちゃくちゃくと準備を終えていく初代の雨と二世の雨を眺めていた。とても二人は仲が良さそうで、そう言うときに初代の雨を不機嫌そうに追い払う自分のボスはケンカの真っ最中。どうせ初代には勝てないのだから放っておけば良いのに、と思わなくもない。
 実力とか、そういうのは関係ないのだ。ただ、性格的にもう勝てないことが決定してる気がする。まぁ、実力の話でも初代はかなり反則な零地点突破という面倒な技を持っているから、あまり何か言えたりしない気もするけど。
 そこまで思って、しばらく終わりそうもないケンカを続ける二人は放っておくことにして、小さな嵐はいついものウサギのぬいぐるみを抱きかかえてとてとてと、何かコメ、とか呼ばれてるやつのよく分からない状態のを持っている二世の雨の側に寄った。もちろん、初代の雨から注意を逸らさせるためである。
 初代のなら初代のらしく、初代の所にずっといればいいのだ。
 ひょこん、と二人の雨の間に割り込んで、二世の雨の方をくるんと向く。
「ねー、それ何?どーすんの?」
「これは餅米だ。これをこれに入れて」
 と、指さされたのは木で作られた円柱型の何か。真ん中の辺りがスプーンでごっそり取られたみたいにボールの形にへこんでいた。
「それから、それで叩く」
 次に指さされたのは、長い棒の先にクチバシみたいな何かが付いている物。この、クチバシみたいなのでボールっぽいところを叩くんだろう。
「お前も後でやるか?持てねぇことはねぇだろ?」
「当然。だって俺、守護者だもんね」
「いや、それって出来るかどうかと関係なくね?背の高さとかそーいう系が必要だと…」
「煩いんだよ初代の。初代のは初代のらしく、初代にくっついとけよバーカ」
 口を挟んできた初代の雨を軽く睨んで、ふいと視線を逸らした。
 二世は彼のことを好いていない。同様に、自分だって彼のことは微妙に気に入らないのだ。だって、しばしば自分たちの雨を連れて行ってしまうから。
 気が合うのは別に良いけど、だからって彼の独り占めは許さない。
「んで、それで食べる物が出来るワケ?」
「らしーぜ。俺も餅つきは初めてだから何とも言えねぇけど」
「モチって美味しいの?」
「多分な」
 頷く自分たちの雨に、そっか、と答えてモチゴメとやらを見る。
 これがモチになるそうだが、そういえば自分はモチというのがどのような物なのかすら知らないのだ。だから完成系も分からず、これが恐らく何度も叩かれてから、どのような形になるのかが全く分からない。
 ちょっと、楽しみだった。
「んじゃ、そろそろ始めるか」
「俺がつくからアンタが合間合間の、やってくれる?」
「良いぜ。ボスさんたちは使い物になりそうにねぇし…」
「待て」
 苦笑と共に零された二世の雨の言葉は、その主の声によって遮られた。
 ん?と小さな嵐が二世の方に目をやると、彼は初代を引きずってこちらへ向かってきていた。初代は引きずられるまま、されるがままだったが気絶はしていないようだ。むしろ、そちらの方が動かなくて楽だからさせている、という感じ。
 相変わらずよく分からない相手だった。
 それよりも分からないのは二世である。
「ボスー、何かあったの?嫌がってたんじゃなかったっけ」
「気が変わった。俺がつく。コイツが合間に何かするヤツで良いだろ」
「…ボス、一応初代様だぜ?もう少しくらい敬意持ってやった方が…」
「んなマネが出来るか」
 吐き捨てる、といった様子で二世は言って、棒にクチバシっぽいのがついてるのを手に取った。やり方は知っているらしい。さすがはボスである。
 初代はと言うと、呆れたような顔でせっせと用意を始めている。結局、餅つきが出来るのが楽しいだけらしい。こんなんが初代ってどうなんだろうと最近、小さい嵐は思うのだが探せば同士はたくさんいる気がした。
「では始めるか」
「…」
 袖をまくって初代が言うと、静かに手に持っていた物を振り上げる二世。
 そして、それはモチゴメの方に……は行かず、初代の頭に力一杯振り下ろされた。
 もちろん初代も、それをみすみす許したりもしない。いつの間にか着用していた武器のグローブで受け止めていた。
「…俺らでやるか」
「だなー。アイツらにまかせてたら終わらなさそ」
 それを見ながらの雨二人の会話を聞いて、小さな嵐は息を吐いた。何でボスたちよりこっちの方が大人びてるワケですか。統率者、これで本当に大丈夫?







小さい嵐はこんな大人しか周りにいないから大人びております。
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