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何というか、一期の最終回の後の話だと思います。
そして思うのですが、結構私ってトリニティも好きだよね…。
15.待ちぼうけ
しとしとと、降ってくる雨。
それを遮ることもなく、避けることもなく…ただ、そこにいた。
空は晴れる様子もなく、暗くドンヨリと雲が覆っている。
その下で、ただ、そこに。
ポタポタと前髪から落ちる滴にも構わず、ベンチに座って前をぼんやりと見る。
誰かが、迎えに来てくれることを望んで。
長兄なら、呆れながら傘を差しだしてくれるだろう。
次兄なら、慌てて走ってくるだろう。
あるいは。
小さな彼は、困惑の表情を浮かべても、きてくれるかもしれない。
兄貴面をしていたあの人なら、長兄と同じ反応かもしれない。
二人で一人の彼なら、もう一人とケンカしながらも来てくれるかもしれない。
生真面目なあの人なら、無視してしまうかもしれないけれど。
誰でも良いから、迎えに来て欲しいと思った。
誰でも良いから、自分の前に現れて欲しかった。
何でこうなったんだろう。
どうしてみんないなくなったんだろう。
私たちは『良いこと』をしていたハズだよね。
…許せない
許せない許せない許せない許せない…許さない
自分から全てを奪ったあの男も、こんな世界も大嫌いだ。
こんな世界、滅んじゃえばいいのに。
しとしとと雨が降る。
そこで、ただ、人を待つ。
待ち人が来ないと知りながらも。
ただただ、待っていた。
ネーナは全てを失ったから、先に進めなくなったんだろう、と。
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