式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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途美学園も久々な気がしてきた…。
今回は飼われている動物の中の鷲を…登場させました。
それは数学の授業中のこと。
その時の教師はグラハムだったので、それほど不満もなく授業を受けていた。この教師……気に入らないところもあるが、ガンダムに対する情熱は認めている。それに何より、授業が分かり易い。生徒である刹那にとって、教師の善し悪しを定める一番の要因はそこだった。
わりと静かなひととき……だったのだが。
問を解くように言われ、溜息を着いて立ち上がったときに事は起こった。
一匹の猫が飛び込んできたのだ。瞳の色は青。
「エクシア……一体、何が」
足下に寄ってきた猫を抱き上げ、彼が若干震えているのを訝しく思った。
「少年、エクシアはどうしたんだ?」
「分からない。何かに怯えているようだが……というか、俺は少年という名前ではない」
「細かいことは気にするな」
…酷く気になったが、気にしたら負けなのだろう。
近寄ってきたグラハムと共に首をかしげる。エクシアは勇敢な性格だ。ここまでおびえを見せることは…そうそう無い。よほどの『何か』がなければ。
ではそれは、と考えようとしたが……する必要はなかった。
その『よほどの何か』が姿を現したからだ。
猫の入ってきた扉、そこをくぐって現れた鷲。
アグリッサ。アリー・アル・サーシェスと共にいる姿を度々目撃される、凶暴な鳥だった。同じ鳥なら性根の曲がっている、トリニティの三羽の鳥の方がまだマシだ……いや、あの三兄弟の鳥も、長男は苦労していたか。
それはともかく。
どうりで……と、納得する。以前、アグリッサとの戦いに敗れ、半紙状態になってからというもの、リベンジを果たそうとはしているようだが……怯えが先にくるらしい。まだまだ子猫と形容できる年代の猫なので、仕方ないとは思うが。いつか、華麗に返り討ちにしてくれることを願おう。
…でなくて、と刹那は首を振った。今は考え事をしている場合ではない。エクシアの安全の確保が第一だ。
「少年、アリー先生に連絡を。携帯くらいは持っているだろう?」
「……それを授業中の生徒に求めるのか?休み時間ならともかく?」
「緊急事態だ」
臨機応変に、と言いたいのだろうが……応変すぎる。
呆れながらも刹那は口を開いた。
「自分の携帯を使え。お前こそ、大人なのだから持っているだろう?」
「ふっ……甘いな少年!」
「……?」
「ガンダムに関するデータを得るために使い続け、電気代の増大に手を貸してしまったのだ!結果、しばらく反省しろとカタギリに没収されてしまった、というわけだ!」
「自慢げに言うなっ」
ツッコミながら、こんなのが凄腕の教師という事実にもの悲しさを覚えた。熟練の教師たちに失礼だ。土下座して無言で謝れ。
そう思いながらも、携帯を片手で操作する。エクシアはもう片方の手で支えていた。理由は簡単、アグリッサから守るためだ。
「…つまり、使いすぎて携帯を取られたと」
「そうとも言うな」
「そうとしか言わない……始めからそう言え」
言い終えると同時に通話ボタンを押す。
携帯を耳に押し当て、コール音を数回聞いて後。
『おう』
「アリー・アル・サーシェスだな」
『ンだよ…ガキか。何の用だ?…いや、その前に……どうやって俺の携帯番号を調べた?』
「ヴェーダが配っていたぞ、生徒会役員に全教師の電話番号」
『……マジかよ…』
「事実だ」
生徒会メンバーには学園所有者からの命令で、全教師の電話番号を覚える義務がある。あと、特定の生徒(生徒会長だとか、問題児だとか、争い調停の最終兵器だとか)の電話番号も同様に。情報伝達の効率上昇のためらしいが、それはあながち嘘では無さそうだ。
最初は学園所有者ことヴェーダの勝手な思いつきかとも思ったが……学園理事長ことスメラギの『ちゃんとした』許可を取ってのことだったので、これは真面目な話なのだと分かった。そして思った……日頃の行いは大切だ。へたすれば、真面目なのに悪ふざけと取られかねない。
「用件を言う。アグリッサをどうにかしろ。お前の言うことしか聞かないからな」
『いくら出す?』
「……ヴェーダに言いつけるぞ」
『冗談だって冗談。お前、真面目すぎるんじゃねぇか?』
「お前が奔放すぎるだけだ。場所は分かるな?速く来い」
『頼んでる立場のお前が、どうしてそんなに偉そ…』
プツン。
彼の言葉が終わる前に通話を切り、教室内を見渡す。
アグリッサは相変わらず。グラハムは…猫の方に意識が行っている。下手したら鷲以上の敵になる恐れがあった。
しかし、それでも何も出来そうにないと溜息を吐く。
とても嫌いな教師の到着が、何だか待ち遠しかった。
今回はアグリッサを登場させてみました。いずれアルヴァさんがたも出したいなぁ…二期メンバーもね。ダブルオー一同は途美学園設定だと子猫設定だし。
設定が折角あるから、全員書きたいんですよねぇ…もちろんラグナとかも。アロウズも出したいな…。
その時の教師はグラハムだったので、それほど不満もなく授業を受けていた。この教師……気に入らないところもあるが、ガンダムに対する情熱は認めている。それに何より、授業が分かり易い。生徒である刹那にとって、教師の善し悪しを定める一番の要因はそこだった。
わりと静かなひととき……だったのだが。
問を解くように言われ、溜息を着いて立ち上がったときに事は起こった。
一匹の猫が飛び込んできたのだ。瞳の色は青。
「エクシア……一体、何が」
足下に寄ってきた猫を抱き上げ、彼が若干震えているのを訝しく思った。
「少年、エクシアはどうしたんだ?」
「分からない。何かに怯えているようだが……というか、俺は少年という名前ではない」
「細かいことは気にするな」
…酷く気になったが、気にしたら負けなのだろう。
近寄ってきたグラハムと共に首をかしげる。エクシアは勇敢な性格だ。ここまでおびえを見せることは…そうそう無い。よほどの『何か』がなければ。
ではそれは、と考えようとしたが……する必要はなかった。
その『よほどの何か』が姿を現したからだ。
猫の入ってきた扉、そこをくぐって現れた鷲。
アグリッサ。アリー・アル・サーシェスと共にいる姿を度々目撃される、凶暴な鳥だった。同じ鳥なら性根の曲がっている、トリニティの三羽の鳥の方がまだマシだ……いや、あの三兄弟の鳥も、長男は苦労していたか。
それはともかく。
どうりで……と、納得する。以前、アグリッサとの戦いに敗れ、半紙状態になってからというもの、リベンジを果たそうとはしているようだが……怯えが先にくるらしい。まだまだ子猫と形容できる年代の猫なので、仕方ないとは思うが。いつか、華麗に返り討ちにしてくれることを願おう。
…でなくて、と刹那は首を振った。今は考え事をしている場合ではない。エクシアの安全の確保が第一だ。
「少年、アリー先生に連絡を。携帯くらいは持っているだろう?」
「……それを授業中の生徒に求めるのか?休み時間ならともかく?」
「緊急事態だ」
臨機応変に、と言いたいのだろうが……応変すぎる。
呆れながらも刹那は口を開いた。
「自分の携帯を使え。お前こそ、大人なのだから持っているだろう?」
「ふっ……甘いな少年!」
「……?」
「ガンダムに関するデータを得るために使い続け、電気代の増大に手を貸してしまったのだ!結果、しばらく反省しろとカタギリに没収されてしまった、というわけだ!」
「自慢げに言うなっ」
ツッコミながら、こんなのが凄腕の教師という事実にもの悲しさを覚えた。熟練の教師たちに失礼だ。土下座して無言で謝れ。
そう思いながらも、携帯を片手で操作する。エクシアはもう片方の手で支えていた。理由は簡単、アグリッサから守るためだ。
「…つまり、使いすぎて携帯を取られたと」
「そうとも言うな」
「そうとしか言わない……始めからそう言え」
言い終えると同時に通話ボタンを押す。
携帯を耳に押し当て、コール音を数回聞いて後。
『おう』
「アリー・アル・サーシェスだな」
『ンだよ…ガキか。何の用だ?…いや、その前に……どうやって俺の携帯番号を調べた?』
「ヴェーダが配っていたぞ、生徒会役員に全教師の電話番号」
『……マジかよ…』
「事実だ」
生徒会メンバーには学園所有者からの命令で、全教師の電話番号を覚える義務がある。あと、特定の生徒(生徒会長だとか、問題児だとか、争い調停の最終兵器だとか)の電話番号も同様に。情報伝達の効率上昇のためらしいが、それはあながち嘘では無さそうだ。
最初は学園所有者ことヴェーダの勝手な思いつきかとも思ったが……学園理事長ことスメラギの『ちゃんとした』許可を取ってのことだったので、これは真面目な話なのだと分かった。そして思った……日頃の行いは大切だ。へたすれば、真面目なのに悪ふざけと取られかねない。
「用件を言う。アグリッサをどうにかしろ。お前の言うことしか聞かないからな」
『いくら出す?』
「……ヴェーダに言いつけるぞ」
『冗談だって冗談。お前、真面目すぎるんじゃねぇか?』
「お前が奔放すぎるだけだ。場所は分かるな?速く来い」
『頼んでる立場のお前が、どうしてそんなに偉そ…』
プツン。
彼の言葉が終わる前に通話を切り、教室内を見渡す。
アグリッサは相変わらず。グラハムは…猫の方に意識が行っている。下手したら鷲以上の敵になる恐れがあった。
しかし、それでも何も出来そうにないと溜息を吐く。
とても嫌いな教師の到着が、何だか待ち遠しかった。
今回はアグリッサを登場させてみました。いずれアルヴァさんがたも出したいなぁ…二期メンバーもね。ダブルオー一同は途美学園設定だと子猫設定だし。
設定が折角あるから、全員書きたいんですよねぇ…もちろんラグナとかも。アロウズも出したいな…。
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