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骨、って言われた瞬間に「骨を拾ってやる」的なのしか浮かばない私は一体。
いや、これは普通ですかね…その次は骨付き肉とかだったけど。ドラクエで出てきそうなアイテムだな…。
そんな感じで上記の中だと、骨を拾う、しか関係ない話です。
032:骨
「……というわけだよ。これがそれ関係の書類」
「おう、サンキューな」
部下が傍にいるディーノは本当にしっかりしている。書類を手渡しながらマーモンは思った。ちゃんと礼を言って、好意的な笑みさえ浮かべて。これで部下がいないと、礼は言えても頭を下げた瞬間に滑ってこけて相手にドーンとぶつかってしまうのだ、なんて実際に見なければ信じられないだろうとも。
ちなみにその時の相手は某鮫だった。
あの鮫も苦労しているとしみじみ感じている間にもディーノは書類を捲り、そこに書いてあった文章に目を通して眉をひそめた。
「うわ…容赦ねーな」
「容赦なんてしてもお金は入らないからね。というかさ、暗殺部隊に容赦なんて言葉がいると思っているのかい?」
「ごもっとも」
呆れたように息を吐けば、それはそうだと苦笑を浮かべられた。分かってるなら最初から言わないで欲しい。
「ところでさ、どうしてこの資料を貴方に渡さないといけなかったの?」
「んーっとな、この裏切り者の仲間がこっちにもいる可能性があって。しかもほぼ100%」
「馬鹿ってどこにでもいるんだね」
マフィアの世界での裏切りが、それほどの物かを知らないわけでもあるまいし。
しかし、それはおいておくとして…彼は裏切り者を殺せるだろうが、それを嫌だと思ってはいないのだろうか。もし嫌だと思っているなら…そこは稼ぎどころである。
「もしも良かったらだけどさ、僕がそいつを見つけて消してあげようか?もちろん報酬はもらうけどね」
「いや、こっちでやる。それがせめてもの慈悲だろ?」
寂しげに笑うディーノに、ふむ、とマーモンは顎に手を当てた。本当に最初から最後まで真っ直ぐというか、一般的に言われる『好青年』っぷりというか。まぁ、あくまで一般であって、それがこの世界でどれ程の意味をなすかは知らないが。それに部下の前じゃなかったらダメダメだが。
けれど、そんな跳ね馬に何となく忠告。
「…いい加減にさ、スクアーロにちょっかい出すの止めたら?ボスに消されるよ?」
「分かってるけどなー、別に大丈夫だろ、今までも大丈夫だったし」
「ふーん…ま、もしもの時は骨くらい拾ってあげる。骨が残るか保証は出来ないけどね」
マモの何となく忠告というのは、実は貴重な物だと思う…。金取られないんだものね。