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何気にイノベイター関連が多いなぁと思う今日この頃。
あの人たちも良いキャラしてましたからね…。
08.電池切れ
「やっぱり、オリジナルが欲しいわ……」
「突然なんですか」
艦内にあった自動販売機でコーヒーを買い、リヴァイヴはくるりと振り返った。そこに、おいてある椅子に座っているヒリングがいるのである。ちなみにブリングは、自分の隣でどの飲み物を買おうか考えている様子だ。
買い終わったので自動販売機から離れることにし、リヴァイヴはとりあえず、とヒリングの隣に座った。
缶を開けて、で?と続きを促す。
「何が欲しいんです」
「だからオリジナルぅ」
「何のです」
「太陽炉の!」
叫んで、ヒリングはムスッとした表情で続いて言葉を紡いだ。
「だってあれって酷いと思わない?トランザムなんて反則ワザを使える上に、ずっとずっと電池切れ状態がないのよ!?そりゃ数の利とかイノベイターだとか言う点を考えたら、断然私たちの方が有利なんだけどさー。やっぱりオリジナルって良いじゃない?」
「それには同感ですね」
暖かいコーヒーを飲みながらリヴァイヴは肯定を返した。
確かに、制限時間があるのと無いのとでは酷く違う。トランザムに関してを置いておいたとしても、それでもかなりの驚異であることに変わりはないだろう。
それ程までに、制限時間の有無というのは重要な事柄なのである。
「しかし、突然どうしたんです?」
「…今日の仮想シミュレーションでの訓練あったじゃない」
「えぇ、貴方が好きな部類の訓練ですけど…それが?」
「……ちょっと勢いに乗りすぎたの」
あまり言いたく無さそうな様子に、リヴァイヴは少しだけ首を傾けた。
残念ながらと言うべきなのだろうか、自分はヒリングとは違う訓練を行っていたので彼女の訓練の様子を知らないのである。だから今の彼女の様子の理由が分からない。
ちなみに、自分たちはイノベイターだし別に訓練というのは必要ないのではないだろうか、と度々思うのだが、いつの間にかカティ・マネキンなどに乗せられ、気付いたときには一般兵と一緒に訓練をしていたりする。
本当に、不思議な話ではあるが。
「……ヘマをしたんだ」
と、微妙な方向にそれていた思考を引き戻したのは、手にココアの缶とスポーツ飲料の缶を持っているブリングだった。ココアの方が開いていることから、スポーツ飲料の方はヒリングにでも渡すのだろうと予想できる。
それはともかく。
「ヘマ?何です?」
「…言って良いのか?」
「言う!アンタが言うくらいなら自分で言うわ」
思った通りにスポーツ飲料を受け取ったヒリングは答え、意を決したように口を開いた。
「あのね、あのシミュレーションって結構さ、難易度高いらしいじゃない?」
「えぇ、僕たちはイノベイターですからそのくらいは当然でしょう」
「暴れまくれるからそこは良いんだけどね…」
やはり抵抗がある様子で、それでもヒリングは続けた。
「敵が多くってさぁ、突っ込んでいったら的を殲滅する頃に疑似太陽路が電池切れってワケ。本当に勘弁して欲しかったわ」
「あぁ、だからオリジナルの太陽炉を、と」
「そゆこと。…ブリングには恥ずかしいところを見せたと思うわ」
「……気にしていない」
そういえば、二人は今回は同じ訓練をしたのだったか。
何となく改めてそれを思い出して、だが、どうでも良いことだったので放っておくことにして、またコーヒーを一口飲む。
「ですが……そうですね、やはりオリジナルは欲しいですね」
「リボンズに頼んでみる?ていうかCBから強奪しちゃう?」
「まずは頼んでみましょうか。それから交渉してCBから強奪、というのが一番のパターンだと思います」
流石に、オリジナル太陽炉を一から作るには時間が掛かりすぎるだろう。というか、作り方がどんなものかも自分たちは知らない。リボンズなら知っているかもしれないが。
「制限時間がなかったら、私も思いっきり暴れられるのに」
「前言撤回です。頼むの止めましょう」
「え!?どうしてよ!」
非難の声を上げるヒリングだったが、彼女の暴れようという意欲を押さえる物がなくなる事が、どれほど大変なことかを自覚して欲しかった。
これにデヴァインも加えたい気がします、が…なんかこの三人で落ち着いてるんで。
この三人組は、私の中では定着済みです。