式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
一体何日ぶりだろうか、これの更新は…。
とりあえず、これの更新も頑張りましょう。
良いのか?と言わんばかりの視線が向けられているのは感じたが、出て行きたいと思ったからといって何をどう出来るわけでもない。出て行きたいのは山々だが、それは恐らくやってはならない類の事柄。
「……構わないと思うけど」
「そんなことを言ってくれるな?今のオレは本当に出て行きかねないからな」
「……」
それなら行けばいいのに。そんな思いが目から伝わってくるようで、ウイングはヘビーアームズの方から視線を外した。そんな風に見られていたら、本気で我慢できなくなりそうだった。彼はそれでも別に良いだろうと伝えてくるのだろうが、それをしてしまっては『フェア』ではないだろう。
仲間たちは誰も彼も、こんな状況でパイロットに話しかけたくて仕方がないに違いない。励ましか、慰めか、ただ単に話しかけたいだけか。それぞれに思いはあるだろうが、言葉を伝えたいという考えは誰もが持っているはずだ。
こんな状況だから。
こんな状況だからこそ、尚更に。
だからこそ、自分がここで出て行って話してしまうのはどうかと…憚られたのだ。
しかし。
「…違う」
「は?」
「…相手はパイロットじゃない」
今日は何故だかよく喋るヘビーアームズの言葉に、ウイングはそういえば、と、ヒイロと、自分が誤って落としてしまったあのシャトルに乗っていた人物の、娘なのだという少女の方を見やった。
言われてみればその通りだ。自分が話そうかと考えている相手はパイロットではなくて、それ以外の人物。
……ということは。
「これは…わざわざ我慢する必要もないと言うことなのか…?」
「……」
隣からの沈黙が『初めからそう言ってるのに』と責めてくるようで、さらに顔を彼の方から背けて、これは、と考え込む。
ならば……良いのだろうか。パイロットに接触したくても出来ない、他のメンバーに遠慮しなくても良いのだろうか。パイロットでは、無いのだし。
迷い思っている間にヒイロは去り、トロワもいなくなった。
残っているのは遺族たる彼女と、姿は見えない自分たちだけ。
出るのならば、今。
そんな時に、ふいに背中を押す力を感じた。
「……」
振り向けば、行ってくると良い、という表情を浮かべているヘビーアームズと目があった。彼は、行けばいいと伝えてくる……そう、初めから。
分かっているのだろう、彼も。ヒイロ同様に自分もあの出来事を悔やんでいることに。全てを知ってから行動を起こすことになった自分は、もしかしたら自分のパイロット以上に悔やんでいるかもしれないということを。今出て行って何かを言わなければ自分に後悔が残ると、分かっているのだろう。
あぁ、自分は本当に良い仲間に恵まれている。
静かに笑みを浮かべ、また直ぐにその笑みを消したウイングは一歩、足を踏み出した。
それと同時に精神体から実体になっていくのを感じながら、少女の後ろ側から、少女の背中に向けて声をかける。
「アイツのことばかり責めないで欲しい」
「……貴方は?」
突然に響いた自分の声に驚いたらしい少女は、バッと振り返ってこちらへと視線を向けてきた。その目に浮かんでいるのは純粋な驚き、か。彼女にとっては突然すぎる新しい登場人物である自分に対し、驚きの念を抱くのは無理もない話だろう。あと、人化状態においての自分の髪の色にも驚いているらしい。まぁ、それも分からなくはないか。白い髪を軽くつまみながら思う。この外見でこんな髪の色は珍しいだろう。
だが、別にそんなことで驚かせるために出てきたわけではないのだ。彼女にとって多少は唐突な話になるかもしれないが、言いたいことだけは言わせてもらう。
「俺のことはどうでも良い。それよりも、さっきの話だ」
「…貴方も、関わっているの?」
「直接に手を下したのはどちらかといえば、俺だからな」
「何を言っているの?あの人は自分が殺したって…」
「だから、アイツの言うことも正しい」
ヒイロが操縦していた自分が彼らを殺したのだから。
しかしそこまで説明する気は初めから無く、ウイングは続けて言いたいことだけ言った。
「……悪かったな」
本当のターゲットでも無いのに命を奪ってしまった、その行為を許されるとは思わないし、そもそもこんな謝罪が意味をなすとも思えないけれど。
反応に困り俯いている少女の視線がこちらに向いていないのを確認し、実体化を解いたウイングは、後ろでずっとこちらを見ていたヘビーアームズに行くぞ、と促した。言うことは言った。だから終わりだ。本当はもう少し説明もすべきだろうが、そうするといらないことまで言わざるを得ない状況になりそうだから、無理だ。
突然消えた『自分』に驚いてキョロキョロと辺りを見渡している少女に背を向け。
ウイングはヘビーアームズと共にヒイロとトロワの後を追った。
つまりは自己満足の行為ではあるのでしょうが、区切りを着ける意味でも必要な行為ではあると思うのです。
「……構わないと思うけど」
「そんなことを言ってくれるな?今のオレは本当に出て行きかねないからな」
「……」
それなら行けばいいのに。そんな思いが目から伝わってくるようで、ウイングはヘビーアームズの方から視線を外した。そんな風に見られていたら、本気で我慢できなくなりそうだった。彼はそれでも別に良いだろうと伝えてくるのだろうが、それをしてしまっては『フェア』ではないだろう。
仲間たちは誰も彼も、こんな状況でパイロットに話しかけたくて仕方がないに違いない。励ましか、慰めか、ただ単に話しかけたいだけか。それぞれに思いはあるだろうが、言葉を伝えたいという考えは誰もが持っているはずだ。
こんな状況だから。
こんな状況だからこそ、尚更に。
だからこそ、自分がここで出て行って話してしまうのはどうかと…憚られたのだ。
しかし。
「…違う」
「は?」
「…相手はパイロットじゃない」
今日は何故だかよく喋るヘビーアームズの言葉に、ウイングはそういえば、と、ヒイロと、自分が誤って落としてしまったあのシャトルに乗っていた人物の、娘なのだという少女の方を見やった。
言われてみればその通りだ。自分が話そうかと考えている相手はパイロットではなくて、それ以外の人物。
……ということは。
「これは…わざわざ我慢する必要もないと言うことなのか…?」
「……」
隣からの沈黙が『初めからそう言ってるのに』と責めてくるようで、さらに顔を彼の方から背けて、これは、と考え込む。
ならば……良いのだろうか。パイロットに接触したくても出来ない、他のメンバーに遠慮しなくても良いのだろうか。パイロットでは、無いのだし。
迷い思っている間にヒイロは去り、トロワもいなくなった。
残っているのは遺族たる彼女と、姿は見えない自分たちだけ。
出るのならば、今。
そんな時に、ふいに背中を押す力を感じた。
「……」
振り向けば、行ってくると良い、という表情を浮かべているヘビーアームズと目があった。彼は、行けばいいと伝えてくる……そう、初めから。
分かっているのだろう、彼も。ヒイロ同様に自分もあの出来事を悔やんでいることに。全てを知ってから行動を起こすことになった自分は、もしかしたら自分のパイロット以上に悔やんでいるかもしれないということを。今出て行って何かを言わなければ自分に後悔が残ると、分かっているのだろう。
あぁ、自分は本当に良い仲間に恵まれている。
静かに笑みを浮かべ、また直ぐにその笑みを消したウイングは一歩、足を踏み出した。
それと同時に精神体から実体になっていくのを感じながら、少女の後ろ側から、少女の背中に向けて声をかける。
「アイツのことばかり責めないで欲しい」
「……貴方は?」
突然に響いた自分の声に驚いたらしい少女は、バッと振り返ってこちらへと視線を向けてきた。その目に浮かんでいるのは純粋な驚き、か。彼女にとっては突然すぎる新しい登場人物である自分に対し、驚きの念を抱くのは無理もない話だろう。あと、人化状態においての自分の髪の色にも驚いているらしい。まぁ、それも分からなくはないか。白い髪を軽くつまみながら思う。この外見でこんな髪の色は珍しいだろう。
だが、別にそんなことで驚かせるために出てきたわけではないのだ。彼女にとって多少は唐突な話になるかもしれないが、言いたいことだけは言わせてもらう。
「俺のことはどうでも良い。それよりも、さっきの話だ」
「…貴方も、関わっているの?」
「直接に手を下したのはどちらかといえば、俺だからな」
「何を言っているの?あの人は自分が殺したって…」
「だから、アイツの言うことも正しい」
ヒイロが操縦していた自分が彼らを殺したのだから。
しかしそこまで説明する気は初めから無く、ウイングは続けて言いたいことだけ言った。
「……悪かったな」
本当のターゲットでも無いのに命を奪ってしまった、その行為を許されるとは思わないし、そもそもこんな謝罪が意味をなすとも思えないけれど。
反応に困り俯いている少女の視線がこちらに向いていないのを確認し、実体化を解いたウイングは、後ろでずっとこちらを見ていたヘビーアームズに行くぞ、と促した。言うことは言った。だから終わりだ。本当はもう少し説明もすべきだろうが、そうするといらないことまで言わざるを得ない状況になりそうだから、無理だ。
突然消えた『自分』に驚いてキョロキョロと辺りを見渡している少女に背を向け。
ウイングはヘビーアームズと共にヒイロとトロワの後を追った。
つまりは自己満足の行為ではあるのでしょうが、区切りを着ける意味でも必要な行為ではあると思うのです。
PR
この記事にコメントする