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どうしてこの二人なのかは自分でも知りません。
そんなんばっかだけどね!
039:氷
「なー、家光、これ何やってんの」
「ん?かき氷を作ってるだけだが?」
「こんなんでかき氷って出来るんだ…へぇ、王子知らなかった」
しげしげとかき氷機を眺めるベルフェゴールに、家光はとりあえず実際に一杯ほどかき氷を作ってやることにした。こういうのは聞いて知るのと実際に見るのとでは、結構な理解の差が生まれる物なのである。
事の始まりは、ヴァリアーにちょっとした用事で出向かったことだった。かき氷機を持って行ったのは、何となく。知っているメンバーもいるだろうが、目の前にいるお子様のように、こういう物を知らない生活を送ったのもいるかと、ふと思ったからだった。
まぁ、ベルフェゴールの場合は生活が厳しいとか興味がなかったとかではなくて、ただ単に王族が云々という話故だろうが。
「シロップ三種類あるから好きな味選んどけ」
「イチゴにメロンにブルーハワイ……ちょっと、グレープとか無いの?有り得なくね?」
「そんな幾つも幾つも持ち運べるわけがないだろう…」
「知らないよ。王子は今はグレープな気分なの」
「そういう事を言うヤツには作ってやらないぞ、かき氷」
「うわ、そーやって子供を脅すとかサイテー。いい大人が何してんだろね、バカ?」
などと口ではぶつぶつと言っているが、三種類から選び出したところを見ると、素直にこちらの話に従うつもりになったらしい。こう言うところがまだまだお子様だと思わせる由縁だと思う。
鞄の中から保冷剤の入ったもう一つの入れ物を取り出して、中から氷を取りだし、かき氷機にセットする。皿の方もちゃんとしたにおいてある。そうしてふたを閉めてハンドルに手をかければもう準備は終了だ。
「あ、王子のだけじゃダメだから。ちゃんとスクとかマーモンとかにも…もちろんボスにも作れよ?オカマのは考えてやっても良いけど。ムッツリはどーでも良いからお前が考えろよな。俺、考えるの面倒だし」
「ムッツリってレヴィの事だな?お前、同じ幹部なのにその扱いはどうだ?」
「知らね。だってアイツはムッツリだし、俺は王子だもん」
それ以外に何の理由が?と言わんばかりの様子に、家光は少しばかりレヴィに対して同情の念を抱いた。
微妙に仲良しっぽくなりました。
…まぁ、平和はよいことです。