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このお題も久しいとか言ってからふと思いますが、よく考えると取り扱ってるジャンルが三つある上に00で使ってるお題の量は多いから、こういうことって割と有り得ることでは。
07.無言のまま
ふぁあ、という欠伸を聞いて、アレルヤは隣に座っているティエリアの方を見た。
それから眼鏡を取って、目をごしごしと擦っている彼を見て首を傾げる。
「眠いの?」
「…まぁな。昨日は殆ど睡眠を取っていない」
「それはまた…」
昨夜の彼に何があったのだろう。また、一人で大変な仕事でも背負い込んでいたのだろうか。だったら……お疲れ様という他ないし、言ってくれれば手伝ったのにと思わないこともない。
だが、何てことはないとティエリアは肩をすくめた。
「仕事ではなく、僕が自主的に行っていた…まぁ、大雑把に言ってしまえば趣味のような物か?だから気にする必要はない」
「…なら良いけど…何やってたのそれ」
そういう答えをもらうと、今度は別の答えが欲しくなるのだけれど。
恐る恐るだが聞いてみれば、彼はフン、と鼻を鳴らした。
「赤ハロに目に物を見せてやろうと思っただけだ」
「赤ハロ限定?」
「その通り。彼には眼鏡の恨みがあるからな……ウイルスでも作って送り込んでやろうかと画策しただけだ」
「それ、だけって言うかなぁ…」
言わないような気がするのは自分だけだろうか。
というか、そんなことを実際にやったら沙慈とかが色々大変な目に遭いそうな予感がする。何せ、オーライザーの操縦の殆どは、あの赤色のハロがになっているのである。それが突然に使い物にならなくなったら色々と困るのでは無かろうか。
まぁ、沙慈がいなくてもダブルオーライザーは動くけども。
……そこは、触れなくても言い箇所と言うことで良いと思う、今は一応。
ちなみに『眼鏡の恨み』というのは、赤ハロのせいで一度、ティエリアの眼鏡が壊れてしまったことがあったのだ。ティエリアはそれに関して未だに恨み辛みを抱いているのだろう。
「で、出来たの?」
「いや……あと少し、なんだがな」
心底残念そうに呟くティエリアに、アレルヤはホッと息を吐いた。完成させられていたら、今頃赤ハロは酷い目に遭っていたに違いない。
「それは良かった…」
「何故だ?」
だから心の底からそう零したのだが、生憎とティエリアには同意しかねる物だったらしい。彼は不思議そうにこちらを見た。
「前々から思っていたんだが、ハロというのは間違いなく純粋培養の性格をしていないぞ?このあたりで一度しめておかなければ今後の作戦に支障が出る恐れも…」
「いやぁ……それは無いんじゃないだろうかと」
公私混合はしないだろう、ハロといえど…というかハロだからこそ。
とりあえず彼らはAIなのである。
というか…。
「僕は、君がそこまでハロに対して警戒を抱いていたとは全く知らなかったよ…」
「あぁ…僕は最近になってようやく、対ハロの警戒を抱くことに対する必要性を知ったからな。知らなくても無理はないと思うが」
「…へぇ」
そこまでの警戒を抱かせるような事柄をしたのか、ハロは。
眼鏡以外にも何かあるだろうと思ったが、何をしたのだろうとは問いかける気にはなれなかった。何となく問いかけづらかったのもあるし、触れてはいけない箇所であるような気もしたのである。
そう言うときは、そう言うところに触れるべきではないだろう。
「大変なんだね」
結局アレルヤはそう言うだけに止め、お疲れ様、と微笑みかけた。
対してティエリアはハァと息を吐いて、腕を組んで目を閉じた。
「ティエリア?」
「寝る。三十分くらい経ったら起こして欲しい」
「そのくらいなら構わないよ。おやすみ」
「…」
「もう眠ったのかい?」
返ってこない返事に苦笑を浮かべて、アレルヤは傍に置いてあった自分所有の本を手に取った。三十分経ったら起こさなければならないし、それまでは本でも読んで待っておこうと思ったのだ。
「ゆっくり休んでね」
それからふっと言った言葉に、当然ながら返事はない
過去の梅お題の流れを汲んでおります。