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このネタはやる必要があると思ってた。
042:笑顔
「いい加減に僕の可愛いクロームに近づかないでください」
顔を合わせるやいなや言い放たれた言葉に、レヴィはぴくりと眉を上げた。
ニコリと笑っているように見えてその実、目の奥には鋭い光が宿っている。つまり、笑顔なのだが目は笑っていない、という様子だった。
「…何故、会った瞬間にそのようなことを言われなければならん」
「今くらいしか機会がありませんからね。一応は同じボンゴレ同士とはいえ、貴方はヴァリアー幹部で、僕の方は一応ですが綱吉の霧の守護者です」
一応、一応と付けているのは、彼が完全にボンゴレに属する人間ではないからだろう。今も、虎視眈々とボンゴレという組織を乗っ取らんとしているはず、だ。
それにですね、と骸は頬に手を当て息を吐いた。
「僕には制限時間がありますからね、もしも、という可能性があるときはあまり外には出られないのです。その点、今回は完全にクリアできてますからね。何せ、守護者が勢揃いの上にヴァリアー幹部まで出てきているのですから」
「これほどの戦力が必要かは分からんが」
「別に、警備の問題で集めているわけではないでしょう。偶然集まったと言うべきか」
軽く肩をすくめ、骸は言う。
「こんな偶然、何の役に立つのか分かりませんが……それよりも」
「…何だ」
「答え、聞いてませんよ」
さぁ、どう答えますか?
再び笑っていない笑みを浮かべて尋ねてくる骸に、レヴィはほとほと困り果てた。何も、そんなにつきまとっているワケでもないというのに、何でここまで言われなければならないのだろうか。理不尽な扱いを受けている気がするのは気のせいではないだろう。
そんな理由で答え倦ねている間にパーティの招待客の一人が、骸に声をかけた。
当然、骸はそれに応答する。本当はそれすらも面倒なのだろうが、ここで問題を起こすと色々問題だろう。何せ、今の彼はクローム髑髏の体に意識だけ浮上させている状態…外見はクロームなのである。
先ほどよりも上手く笑っている骸から視線を外し、レヴィはとりあえず、この隙に逃げることにした。
骸はクローム溺愛しとけばいいと思います。