式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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久々の弟妹同盟です。
これをもって六万打お礼にしようかと思います。
ボンゴレって言っても本当に三人しかいないんですけどね。しかもいつものメンバー。
今回は現代です。現代版弟妹同盟。十年後ではありません。
その二人が、どうしてここにいるのかは全く理解できなかったのだが。
雲雀は……とりあえず、その二人の間にある包みを目にして、それらの疑問を気にしないことにした。黙認するとでも言うべきだろうか。
だからそのまま歩いていって、二人の内、銀色の鮫の隣に腰掛けた。
「ご飯持ってきたんでしょう。じゃあ食べようよ」
「…お前」
「何?どうかしたの?」
「いや…何でもねぇ」
何か言いかけたのは間違いないスクアーロだったが、しかし何も言いたくないというのならば仕方がない。雲雀は追求はしないことにした。代わりにと言ってはなんだけれど、スクアーロとクロームの間にあった弁当の包みをほどく。
そこそこの量のある、弁当箱。段は三段分。
開けば、まるで行楽に行くかのような色合いが覗いた。
しかし気にするべきはそこではないのだ。そもそも、スクアーロにとってはこういう一時も有る意味では行楽のような物だろう。気楽という意味で、だが。だから納得できるし、最も気にするべきは……それを作ってきてくれたという事実だ。
「あ…タコさんウィンナー」
「それ作ってる最中にベルが来てな…全部食おうとすんの止めるの大変だったぜぇ」
「全部なんてがめついね。今度会ったら僕が制裁しとくよ」
「制裁は止めとけぇ。軽く血の雨が降る」
「良いじゃない、どうせ君たちは暗殺部隊なんだから」
それが今更『血の雨』なんて気にする道理はない。
自分だってそうだ。血のことを嫌悪していることはないし、誰も自分が血まみれだったとしても疑問は抱かないに違いなかった。
だから、止められる理由はない。
けれども、それでもスクアーロは渋い顔だった。
一体何でだろうかと雲雀がいい加減に訝しく思っていると、何やら思いついたらしいクロームが、あ、と小さく声を零した。
「もしかして……修理、費?」
「…正解だぁ」
「そんなのボンゴレだっけ?あそこから出させればいいじゃない」
「恭弥、お前はボンゴレを何だと思ってんだぁ…?便利屋じゃねぇぜ?」
「あぁ、そうなの?てっきりそうかと思ってた」
「……あのヘナチョコは何やってたんだぁ…」
「普通に手合わせ。咬み殺したいんだけど未だに出来ないんだよね…」
「そうかぁ?鞭を封じちまえば後は楽だぜ?」
むすびを口に運びながら、何でもないように言うスクアーロに雲雀は少しばかり畏敬の念を覚えた。それが中々に出来ないから困っているのだけれど、それすらも問題ないと彼は言うのだ。何となく『弟妹同盟』の一員として誇らしく思えてくる。
ちら、と視線を向ければクロームも同じ気持ちだったらしい。こくりと頷き返してきた。
…幻術師は嫌いだ。けれど、彼女のような相手ならば少しくらい一緒にいてやっても良いかと思えてくる。利害の一致というか、これは…そう、仲間意識というヤツだ。
並盛中の屋上の上、そんなことを思ってはた、と当初の疑問が戻ってきた。
「そういえば、クロームはどうしてここにいるの」
「えっと……スクアーロと一緒に」
「俺は真正面から堂々と入ったぜぇ?後は軽く階段上ってきただけだぁ」
「ふぅん…」
成る程、それなら何となく分かる。だが、そうだとしたら見回りをしている風紀委員たちは一体何をしていたというのか。学校関係者意外の者が巧者にいた場合、速やかに連絡せよと伝えてあるはずなのだが。
……後で全員咬み殺す。
心の中で静かに決定して、雲雀は卵焼きの方に箸をのばした。
それと同時に、穏やかで平和で、退屈だけれどそこそこ満足できる『今』という時間について思いを巡らせた。それにはスクアーロがいることだとか、多分クロームがいることも影響しているだろうけど。
それの一番の理由はきっと、ここが並盛だからだ。
「ねぇ、スクアーロから見て並盛はどう?」
「何だぁ?突然じゃねぇか」
「何となく訊いてみたいだけ」
「そうだなぁ……平和すぎて大変なところってトコかぁ?」
「大変…なの?平和なのに?」
クロームが不思議そうな声を上げたが、雲雀には、何となく彼が言いたいことが分かる気がした。平和すぎて大変だというのはつまり、平和すぎてやることが無くて困る、ということなのだろう。
雲雀は並盛の秩序の安定のために敵を咬み殺す。今は、そしてこれからも咬み殺す対象は出てくるだろうから、退屈は無いだろう。だが、もしもそれが今すぐにでも消えていなくなってしまったら。
退屈どころではない。
…だから、こんな静かな一時は、一時であるからこそ良いのだ。
「クローム、リンゴは一人一個だからね」
「…うん。雲の人もそのポテトは一人二個」
「分かってるよ」
そんな感じで今日も仲良し三人組です。
雲雀は……とりあえず、その二人の間にある包みを目にして、それらの疑問を気にしないことにした。黙認するとでも言うべきだろうか。
だからそのまま歩いていって、二人の内、銀色の鮫の隣に腰掛けた。
「ご飯持ってきたんでしょう。じゃあ食べようよ」
「…お前」
「何?どうかしたの?」
「いや…何でもねぇ」
何か言いかけたのは間違いないスクアーロだったが、しかし何も言いたくないというのならば仕方がない。雲雀は追求はしないことにした。代わりにと言ってはなんだけれど、スクアーロとクロームの間にあった弁当の包みをほどく。
そこそこの量のある、弁当箱。段は三段分。
開けば、まるで行楽に行くかのような色合いが覗いた。
しかし気にするべきはそこではないのだ。そもそも、スクアーロにとってはこういう一時も有る意味では行楽のような物だろう。気楽という意味で、だが。だから納得できるし、最も気にするべきは……それを作ってきてくれたという事実だ。
「あ…タコさんウィンナー」
「それ作ってる最中にベルが来てな…全部食おうとすんの止めるの大変だったぜぇ」
「全部なんてがめついね。今度会ったら僕が制裁しとくよ」
「制裁は止めとけぇ。軽く血の雨が降る」
「良いじゃない、どうせ君たちは暗殺部隊なんだから」
それが今更『血の雨』なんて気にする道理はない。
自分だってそうだ。血のことを嫌悪していることはないし、誰も自分が血まみれだったとしても疑問は抱かないに違いなかった。
だから、止められる理由はない。
けれども、それでもスクアーロは渋い顔だった。
一体何でだろうかと雲雀がいい加減に訝しく思っていると、何やら思いついたらしいクロームが、あ、と小さく声を零した。
「もしかして……修理、費?」
「…正解だぁ」
「そんなのボンゴレだっけ?あそこから出させればいいじゃない」
「恭弥、お前はボンゴレを何だと思ってんだぁ…?便利屋じゃねぇぜ?」
「あぁ、そうなの?てっきりそうかと思ってた」
「……あのヘナチョコは何やってたんだぁ…」
「普通に手合わせ。咬み殺したいんだけど未だに出来ないんだよね…」
「そうかぁ?鞭を封じちまえば後は楽だぜ?」
むすびを口に運びながら、何でもないように言うスクアーロに雲雀は少しばかり畏敬の念を覚えた。それが中々に出来ないから困っているのだけれど、それすらも問題ないと彼は言うのだ。何となく『弟妹同盟』の一員として誇らしく思えてくる。
ちら、と視線を向ければクロームも同じ気持ちだったらしい。こくりと頷き返してきた。
…幻術師は嫌いだ。けれど、彼女のような相手ならば少しくらい一緒にいてやっても良いかと思えてくる。利害の一致というか、これは…そう、仲間意識というヤツだ。
並盛中の屋上の上、そんなことを思ってはた、と当初の疑問が戻ってきた。
「そういえば、クロームはどうしてここにいるの」
「えっと……スクアーロと一緒に」
「俺は真正面から堂々と入ったぜぇ?後は軽く階段上ってきただけだぁ」
「ふぅん…」
成る程、それなら何となく分かる。だが、そうだとしたら見回りをしている風紀委員たちは一体何をしていたというのか。学校関係者意外の者が巧者にいた場合、速やかに連絡せよと伝えてあるはずなのだが。
……後で全員咬み殺す。
心の中で静かに決定して、雲雀は卵焼きの方に箸をのばした。
それと同時に、穏やかで平和で、退屈だけれどそこそこ満足できる『今』という時間について思いを巡らせた。それにはスクアーロがいることだとか、多分クロームがいることも影響しているだろうけど。
それの一番の理由はきっと、ここが並盛だからだ。
「ねぇ、スクアーロから見て並盛はどう?」
「何だぁ?突然じゃねぇか」
「何となく訊いてみたいだけ」
「そうだなぁ……平和すぎて大変なところってトコかぁ?」
「大変…なの?平和なのに?」
クロームが不思議そうな声を上げたが、雲雀には、何となく彼が言いたいことが分かる気がした。平和すぎて大変だというのはつまり、平和すぎてやることが無くて困る、ということなのだろう。
雲雀は並盛の秩序の安定のために敵を咬み殺す。今は、そしてこれからも咬み殺す対象は出てくるだろうから、退屈は無いだろう。だが、もしもそれが今すぐにでも消えていなくなってしまったら。
退屈どころではない。
…だから、こんな静かな一時は、一時であるからこそ良いのだ。
「クローム、リンゴは一人一個だからね」
「…うん。雲の人もそのポテトは一人二個」
「分かってるよ」
そんな感じで今日も仲良し三人組です。
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