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平和が一番というか、何というか。
この二人も書いてみたかったんですよね。
045:たまご
「犬」
「なんら?」
「卵だけよらないで」
今夜の食事はクロームが作ったおでんだった。
だが、作った張本人は今ここには、いない。理由は当然のようにボンゴレの方から色々と頼み込まれたからだそうだ。こういうときは『守護者』という身分は面倒そうだが、それも全ては必要なことなのだ。彼女には悪いが諦めてもらうしかない。
そうして結果、千種は犬と一緒に二人の夕食にありついているのである。
向かいの席に座っている犬は、むっとした表情で、付け加えて卵だけを取り分ける作業を止めることもなくこちらを見た。
「どうしてびょん?俺は卵が食べたいんれす!」
「数に限りがあるから。クロームにも残さないといけないし」
「そんなの知らなねーびょん!」
ふいっと視線を逸らされて、クロームの名前を口にしたのは失敗だっただろうかと、十分に味が付いている大根を食べながら思う。犬は、クロームのことになると結構頑固な気がしなくもない。
実際にクロームの分も残しておくべきだし、千種も一つ二つくらいは食べたいので、とりあえず犬への説得?は必要なのだが。
さて、どうするべきだろうか。
少しだけ考えて、結局。
「……めんどい」
「あぁ?何か言ったれすか?」
「……」
犬の言葉に応えずに、千種は無言でまだ残っている卵の確保を開始した。
「あ!柿ピー何するびょん!」
「…強硬手段」
どうせ言って聞かないのなら、こちらにもそれ相応の対応の仕方というのがあるのである。文句を言わせるつもりはない。元はと言えば犬の方が始めた事なのだから、これは自業自得と形容できる事柄のハズである。
「だから柿ピー、その手を止めるびょん!」
「……」
「あー!それ俺が狙ってたヤツ!」
この二人はこの二人だけで、ちゃんと料理は出来るのかとふっと心配になった今日この日。