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ということでラスト。何か色々変わっちゃった気がするけどラスト。そんなのいつものことです。



 目の前にいる相手を、政宗は見据えた。
「小十郎……俺たちの使う道がよく分かったな」
「毛利が同行していると聞きましたので、この程度の悪道ならば難なく通るかと」
「……てーか政宗、小十郎の横で倒れてるあの人は無視?」
「Ah?そんなん後に決まってんだろ後に」
「…決まってるんだ」
「決まっておるぞ。当然であろう、無職」
「むしょっ…!?」
「して、独眼竜が右目」
 元就が、小十郎に視線を向ける。当然のように元親は無視の方向だ。まぁ、確かに……彼には苦労させたような気はするしその関係で多少の心配は覚えるし、というか様子から色々とあった末に小十郎に良いように使われたのだろうというのは分かったのだが、しかし今はそれどころではないのである。
 今は、小十郎だ。
 残念ながら今回ばかりは非がどこにあるとかはおいておくとしても、もう諸々が理不尽な気がしていて、現在進行形でもしている。それは確かに、少しくらいなら大丈夫だと思ったからとは言え衝動のままに裸足で出てしまったのは悪かったのかもしれない。そのくらいは認める…事にする。けれど、それであそこまで怒られる理由が全く分からない。
 従って、政宗は連れ帰られる気など全くなかった。今帰ったら小言が五倍くらいになって返ってくる。
 それだけは全力で阻止する。
 心の中でそう決意している間にも、隣に立っていた元就は腕を組んで口を開いていた。
「そなた、何故それ程までに小言を言うのだ。昔のことであろう」
「言うときに言っておかねぇと政宗様は止まらねぇんだよ」
「ふむ…それは納得できる。しかし、一時間以上は長すぎであろう」
「こんくらい普通じゃねぇか」
「…普通かなぁ?まつねぇちゃんの小言はもっと短…」
「慶次、比べようがねぇから止めとけ」
 慶次の言葉を遮り、息を吐く。
 小十郎の趣味はきっと、野菜作りだけではない。小言を言うことも同様に入っているに違いないと、政宗は常日頃から思っている。だから、そんな相手と小言について比べるのはいくら何でも相手が大変だと考える。
 実際、さほど間違ったことは思っていないはずだ。
「ふぅん…てかところで独眼竜」
「何だ?」
「鬼の人はいつまで放っておく気?」
「事が終わるまでだな。回収に行く隙がねぇ」
「あはは…確かに」
 政宗は慶次と話しているが、それは出番がないからであって言い合いが終わったからではない。今もまだ、小十郎と元就が言い合いを続けている。どうして自分でなく元就が言うようになったのかはまぁ……流れという他ないのだろう。
 そして、そんな二人の言葉は止まらなかった。
 普通とな?あぁ、普通だな。しかし雪の上に裸足で出た程度ぞ、やはり言うとしても一時間丁度であろう。分かってねぇな…それくらいじゃ政宗様は話を聞いてくれりゃしねぇ。成る程、それも道理か。…それにだ。…何ぞ?少々の時間とはいえ雪の上に裸足だ、寒さに多少は慣れているとはいえ…あれで霜焼けにでもなったらどうする。ふむ……それはそうか…だがその程度、政宗とて理解しているのでは?そりゃそうだが…最近はやけに大雑把なヤツらが多いからか、その影響を受けているのかもしれねぇな。…ほう、ということは。
 と、そこまでの会話を聞いて、政宗は地を蹴った。向かうは当然ながら倒れたままピクリ共動かない元親の方である。
 この話の流れはマズイ。絶対にマズイ。何がマズイって、このままでは何か雪の上に裸足で出たことが元親のせいにされそうな気がするのだ。確かに大雑把だけども、彼は全然関係ない。大雑把に影響を受けている、というその言葉からしてそもそも大間違いだ。小十郎に隠れて、昔から似たようなことはやっているのだし。
 だが、それを果たして彼らが大人しく聞くか……考えるまでもなく否。
 というわけで。
「慶次!このまま逃げるぜ!」
「あいよ!」
「あ、政宗様!」
「待て、政宗!そやつは置いてゆけ!」
「無理ッ!」
 叫んで言い放って、折ってきた慶次にこちらの方が適任だろうと、辿り着いて直ぐに拾い上げていた元親を預け、二人に背を向けたままさらに走る速度を上げた。
 それからふと、自分が行動していたこれは一体何だっただろうかと思ったのだが、直ぐにそんなことを思っているどころではなくなった。二人が追いかけてきたのである。
「慶次!speed上げろ!」
「だから南蛮語は分からないって!」
「とにかく走って追いつかれるなってんだ!」
 今は何も考えず、とにかく走るしかなかった。






そんな感じのラストでした。こじゅ&元就の連合軍って見ないというか有り得ないよね普通。
そしてアニキ…ごめん。足として使われて、ちょっとこき使われたので倒れました。ごめんね。
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