式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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白辺高校、何かやっぱり好きな皆様に偏るからなぁ…ちょっと頑張って偏りを減らそうとかしてたのに。
結局、こんな感じ。でも悔いは無し。
包丁とニンジンを手に、ウイングは料理の本とにらみ合っていた。
その隣ではサンドロックが冷蔵庫の中身を確認していて、ナタクはとりあえず鍋を探してそのあたりの引き出しを開けていたりする。
……事の始まりは数時間前。
『オレちょっと郵便局に用事があるから夕食作っといて』
『…は?』
『あ、ヘビーアームズも連れてくな?帰りに買い物して帰るから』
『え…?』
『多分、カレー作れるくらいの材料はあるはずだし』
『……ちょっと待て』
『んじゃ、頑張ってなー』
…そんな会話が原因で、ウイングたちはこうやって台所に立っているのだ。
ただ、大きな問題があった。
残されたこの三名は……あまり料理をしないメンバーだったのである。
「こう言うときに」
冷蔵庫から残りの野菜や肉やらを取り出しながら、サンドロックがハァ、と息を吐いた。
「なんていうかさ…料理できる人のありがたさを知るんだね……ボクらにとってデスサイズとヘビーアームズの存在はとてつもなく貴重だったんだ…凄く頼ってたし」
「…確かに、頼りすぎていた気はするな」
腕を組んでナタクも同意を示す。彼の目の前にあるコンロの上には、丁度良いくらいの大きさの鍋が出ていた。目当ての物は見つけたらしい。
言われてみれば、とウイングは今までの生活について思いを巡らせてみた。
だいたい、料理はデスサイズがやってくれていた。彼が出来ないときはヘビーアームズが。別にその役割は全員の話し合いによって決められた物ではなく、いつの間にか……という自然の流れによる決定によるものだったと思う。
それは良いのだが、やはりそれに甘えすぎていた感じは……無くはない。
現にこうやって、残されてしまうと本当に困る。何をどうするべきかと一つも見当が付かないのである。
「…今後はたまに手伝うべきなのか?」
「そうかもしれんな…」
「だねぇ……あぁ、そういえば、それだけでなくて家事とかもやってもらいっぱなしだよねぇ……ボクら」
「……」
「……」
「……」
思い返してみると、とことん自分たちが何もしていないような気がしてきた。
実際は何もしていないわけではない……と思う。というか思いたい。実際、荷物持ちなどは半ば強制で手伝わされているし、自分からも手伝うことはある。けれども……言い換えると、本当にその程度しか手伝っていないのだ。
最も、家事に関しては殆どデスサイズが自分からどんどんやっていって、ウイングたちの手出しするような隙がない…というのも事実なのだが。
それはそれ、と言う物だろう。現にヘビーアームズはちょくちょくと手伝っているし。
「…うん、それより今は料理だね。カレーを作り上げることだよね」
「あぁ、そういえばそんな事もあったな…」
「ナタク!ちょっと落ち込んでるからって、そのショックでそんな今のことまで忘却したらダメだよ!?」
「…っは……それもそうだったな」
「…大丈夫?本当に何か衝撃受けてるみたいだけど…?」
本気で心配している声音を出すサンドロックと、それに問題ないと答えているナタクの声をBGMに、ウイングはまな板の上にニンジンを置いた。
「とりあえず切れば良いんだな?」
「そうなんだけど…そういえばウイング」
「どうかしたのか?」
包丁を改めて持ちながら、サンドロックを見やる。
「あのさ、君って中学校の時とかにね、家庭科の評価って2とか…1とかじゃなかった?」
「そういえばそうだったな……痛っ!?」
頷きながら、走った痛みに視線をまな板の方に向けると、ほんの少し動かした包丁で左手の指が切れていた。かなり深く行ったらしく、血がどんどんと溢れてくる。
懐かしい光景だと、包丁を手放し、血を舐め取りながらウイングは思った。調理実習の時はしょっちゅう手の指を切っていたものだ。どうにも自分は料理オンチらしいと、気付いたのは中学校を卒業する直前の調理実習でだった。
「…後思い出したけど、ナタクが火を使うとどうしても材料焦がしてたよね」
「そう言うお前は調味料を入れすぎることが多かったな」
「まぁそうなんだけど…ていうかそれは君の方が酷いんだけど…ともかく、このメンバーで料理って、実はかなりの無謀なんじゃ?」
「…確かにな」
この光景を見ればそうとしか言えないだろう。
「…もしかして、ボクらって手伝わないことが最大の手伝い?」
「……いや、家事ならばどうにか」
「それは良いんだが、カレーはどうするんだ?」
…結局、カレーはデスサイズとヘビーアームズが帰ってくるまでには完成しなかった。
ちなみに郵便局に行った二人組版のもあります、話。
その隣ではサンドロックが冷蔵庫の中身を確認していて、ナタクはとりあえず鍋を探してそのあたりの引き出しを開けていたりする。
……事の始まりは数時間前。
『オレちょっと郵便局に用事があるから夕食作っといて』
『…は?』
『あ、ヘビーアームズも連れてくな?帰りに買い物して帰るから』
『え…?』
『多分、カレー作れるくらいの材料はあるはずだし』
『……ちょっと待て』
『んじゃ、頑張ってなー』
…そんな会話が原因で、ウイングたちはこうやって台所に立っているのだ。
ただ、大きな問題があった。
残されたこの三名は……あまり料理をしないメンバーだったのである。
「こう言うときに」
冷蔵庫から残りの野菜や肉やらを取り出しながら、サンドロックがハァ、と息を吐いた。
「なんていうかさ…料理できる人のありがたさを知るんだね……ボクらにとってデスサイズとヘビーアームズの存在はとてつもなく貴重だったんだ…凄く頼ってたし」
「…確かに、頼りすぎていた気はするな」
腕を組んでナタクも同意を示す。彼の目の前にあるコンロの上には、丁度良いくらいの大きさの鍋が出ていた。目当ての物は見つけたらしい。
言われてみれば、とウイングは今までの生活について思いを巡らせてみた。
だいたい、料理はデスサイズがやってくれていた。彼が出来ないときはヘビーアームズが。別にその役割は全員の話し合いによって決められた物ではなく、いつの間にか……という自然の流れによる決定によるものだったと思う。
それは良いのだが、やはりそれに甘えすぎていた感じは……無くはない。
現にこうやって、残されてしまうと本当に困る。何をどうするべきかと一つも見当が付かないのである。
「…今後はたまに手伝うべきなのか?」
「そうかもしれんな…」
「だねぇ……あぁ、そういえば、それだけでなくて家事とかもやってもらいっぱなしだよねぇ……ボクら」
「……」
「……」
「……」
思い返してみると、とことん自分たちが何もしていないような気がしてきた。
実際は何もしていないわけではない……と思う。というか思いたい。実際、荷物持ちなどは半ば強制で手伝わされているし、自分からも手伝うことはある。けれども……言い換えると、本当にその程度しか手伝っていないのだ。
最も、家事に関しては殆どデスサイズが自分からどんどんやっていって、ウイングたちの手出しするような隙がない…というのも事実なのだが。
それはそれ、と言う物だろう。現にヘビーアームズはちょくちょくと手伝っているし。
「…うん、それより今は料理だね。カレーを作り上げることだよね」
「あぁ、そういえばそんな事もあったな…」
「ナタク!ちょっと落ち込んでるからって、そのショックでそんな今のことまで忘却したらダメだよ!?」
「…っは……それもそうだったな」
「…大丈夫?本当に何か衝撃受けてるみたいだけど…?」
本気で心配している声音を出すサンドロックと、それに問題ないと答えているナタクの声をBGMに、ウイングはまな板の上にニンジンを置いた。
「とりあえず切れば良いんだな?」
「そうなんだけど…そういえばウイング」
「どうかしたのか?」
包丁を改めて持ちながら、サンドロックを見やる。
「あのさ、君って中学校の時とかにね、家庭科の評価って2とか…1とかじゃなかった?」
「そういえばそうだったな……痛っ!?」
頷きながら、走った痛みに視線をまな板の方に向けると、ほんの少し動かした包丁で左手の指が切れていた。かなり深く行ったらしく、血がどんどんと溢れてくる。
懐かしい光景だと、包丁を手放し、血を舐め取りながらウイングは思った。調理実習の時はしょっちゅう手の指を切っていたものだ。どうにも自分は料理オンチらしいと、気付いたのは中学校を卒業する直前の調理実習でだった。
「…後思い出したけど、ナタクが火を使うとどうしても材料焦がしてたよね」
「そう言うお前は調味料を入れすぎることが多かったな」
「まぁそうなんだけど…ていうかそれは君の方が酷いんだけど…ともかく、このメンバーで料理って、実はかなりの無謀なんじゃ?」
「…確かにな」
この光景を見ればそうとしか言えないだろう。
「…もしかして、ボクらって手伝わないことが最大の手伝い?」
「……いや、家事ならばどうにか」
「それは良いんだが、カレーはどうするんだ?」
…結局、カレーはデスサイズとヘビーアームズが帰ってくるまでには完成しなかった。
ちなみに郵便局に行った二人組版のもあります、話。
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