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前回上げた「今夜の食事」の、郵便局行った二人ヴァージョンです。
物問いそうな視線に苦笑をしながら、くるんとデスサイズは斜め後ろを歩いていたヘビーアームズの方を向いた。
「何でオレがあんな事を言ったか気になってるんだろ」
「……」
「ま、そりゃそうだと思う」
肯定の沈黙を返され、うんうんと頷く。
ちなみに『あんな事』というのは郵便局に用事があったのを良いことに、ヘビーアームズを連れて行って、あまつさえ残ったメンバーに料理をしておいてくれ、と言ったことである。しかも、残ったメンバーが料理がダメダメなメンバーであると承知の上なのだ。
帰ったら大惨事、というのは何となく想像できる。
そんなデメリットばかりの行動を起こした理由がヘビーアームズには分からないらしい。
自分でも、普通は分からないとは思う。大惨事になるのが分かっていて、こんなことをする人はあまりいないだろうし。
けれど、これはどうしても必要なことだったのだ。
いや、だってな?と頬を書きながら呟くように言う。
「覚えてるか?来週に何か調理実習有るらしいって話」
「……」
「あぁ、やっぱ覚えてなかったんだ。すっごく軽く言われてたから覚えてる方が少ないと思うんだけどな」
「……」
「うん、だから」
絶対に、あの三人の料理の腕前が上がっているとは思えない。練習もしていないし、させていないし……それで上がっていたら奇蹟だろう。些か過保護な気がしなくもないけれど、そうでもしないと月に一度……いや、毎日と言って過言でない程に台所に業者が入る。そんな修理費をサンドロックが気にするとも思えないけれど、やはり部屋の本来の主である彼にはあまり負担をかけたくはないのである。
そういう事情から、練習はさせていない。
練習させていないと言うことはつまり、料理をさせていないと言うこと。
そして、料理をさせていないというのは……。
「アイツらにな、とりあえず自分の料理の腕、って物を思い出してもらおうと」
「……」
「…分かってくれたんだな。そーだよ、調理実習の時までフォローなんて出来ないし」
調理実習はだいたい班に分かれる。仮に、小学校の時からそんなことは無かったのだが、班が分かれてしまったときのことは考えておくべきだろう。
もしも分かれたら。
その時に彼らが自覚を持たずに行動したら恐ろしいことになるだろう。
自分でも乾いた物になるのは実感しながら、少し笑って残してきた面々を思う。
「今頃ウイングは手の指切ってる頃?サンドロックは料理本さえあればどーにか出来ると思うんだけどな……どーだろ。ナタクは色々とやりすぎるって言うか大雑把だし…」
「……無理」
「だな。絶対にカレーは出来上がらないよな」
ぽつんと呟かれた言葉に同意して、帰りに出来合いの物でも買って帰るべきだろうかと考える。それを食べてもらう間にでも自分が何か簡単な物を作ればいいだろう。
しかし……あの三人、本当に大丈夫だろうか。
今の話ではない。今、大丈夫でないのは確定事項だ。それを覚悟で三人纏めて置いてきたのである。それは、これからの話。
昔からの幼なじみで、サンドロックの家がやけに凄い金持ちだったから、高校に入って五人で彼所有のマンションの一室(最上階で、その上改造されてて最上階の部屋全部をつなげきった広さという…)に住むことが出来ている。
けれど、これがずっと続くなんてご都合展開がこれから先、起こるとも分からない。何か起こりそうな気はするけど、まぁそこは置いておいて。
あの三人、というかウイングとナタクは一人暮らしが出来たりするんだろうかと、それが心配なのである。サンドロックはもう本当に金持ちなので、その辺りはどうとでも出来るに決まっているので気にしなくて良い。何度も実感してるから断言できる。
しかし二人については…それこそ、絶対に無理という物だ。
ということは何だろう、やっぱり離れていったり出来ないのか。よっぽどのことが無い限り、そんなことする気もないけれども。ていうか出来そうにないけど。
そんな事を考えて、息を吐く。
全く、こんな考えなんて……今更、だ。
気持ちを切り替えることにして、グッと伸びをする。
「さ、とっとと用事を済ませて帰るとしますか」
「……」
「晩はカレーで良いんだよな。多分だけど食材くらいは切ってると思うし」
「…」
「手伝うって?ありがとな。けどゆっくりしてても良いんだけど?」
「……」
「んー…そこまで言うなら…手伝ってもらおっか」
苦笑している間についた郵便局の、ドアにデスサイズは手をかけた。
大惨事はこうやって未然に防がれます。
「何でオレがあんな事を言ったか気になってるんだろ」
「……」
「ま、そりゃそうだと思う」
肯定の沈黙を返され、うんうんと頷く。
ちなみに『あんな事』というのは郵便局に用事があったのを良いことに、ヘビーアームズを連れて行って、あまつさえ残ったメンバーに料理をしておいてくれ、と言ったことである。しかも、残ったメンバーが料理がダメダメなメンバーであると承知の上なのだ。
帰ったら大惨事、というのは何となく想像できる。
そんなデメリットばかりの行動を起こした理由がヘビーアームズには分からないらしい。
自分でも、普通は分からないとは思う。大惨事になるのが分かっていて、こんなことをする人はあまりいないだろうし。
けれど、これはどうしても必要なことだったのだ。
いや、だってな?と頬を書きながら呟くように言う。
「覚えてるか?来週に何か調理実習有るらしいって話」
「……」
「あぁ、やっぱ覚えてなかったんだ。すっごく軽く言われてたから覚えてる方が少ないと思うんだけどな」
「……」
「うん、だから」
絶対に、あの三人の料理の腕前が上がっているとは思えない。練習もしていないし、させていないし……それで上がっていたら奇蹟だろう。些か過保護な気がしなくもないけれど、そうでもしないと月に一度……いや、毎日と言って過言でない程に台所に業者が入る。そんな修理費をサンドロックが気にするとも思えないけれど、やはり部屋の本来の主である彼にはあまり負担をかけたくはないのである。
そういう事情から、練習はさせていない。
練習させていないと言うことはつまり、料理をさせていないと言うこと。
そして、料理をさせていないというのは……。
「アイツらにな、とりあえず自分の料理の腕、って物を思い出してもらおうと」
「……」
「…分かってくれたんだな。そーだよ、調理実習の時までフォローなんて出来ないし」
調理実習はだいたい班に分かれる。仮に、小学校の時からそんなことは無かったのだが、班が分かれてしまったときのことは考えておくべきだろう。
もしも分かれたら。
その時に彼らが自覚を持たずに行動したら恐ろしいことになるだろう。
自分でも乾いた物になるのは実感しながら、少し笑って残してきた面々を思う。
「今頃ウイングは手の指切ってる頃?サンドロックは料理本さえあればどーにか出来ると思うんだけどな……どーだろ。ナタクは色々とやりすぎるって言うか大雑把だし…」
「……無理」
「だな。絶対にカレーは出来上がらないよな」
ぽつんと呟かれた言葉に同意して、帰りに出来合いの物でも買って帰るべきだろうかと考える。それを食べてもらう間にでも自分が何か簡単な物を作ればいいだろう。
しかし……あの三人、本当に大丈夫だろうか。
今の話ではない。今、大丈夫でないのは確定事項だ。それを覚悟で三人纏めて置いてきたのである。それは、これからの話。
昔からの幼なじみで、サンドロックの家がやけに凄い金持ちだったから、高校に入って五人で彼所有のマンションの一室(最上階で、その上改造されてて最上階の部屋全部をつなげきった広さという…)に住むことが出来ている。
けれど、これがずっと続くなんてご都合展開がこれから先、起こるとも分からない。何か起こりそうな気はするけど、まぁそこは置いておいて。
あの三人、というかウイングとナタクは一人暮らしが出来たりするんだろうかと、それが心配なのである。サンドロックはもう本当に金持ちなので、その辺りはどうとでも出来るに決まっているので気にしなくて良い。何度も実感してるから断言できる。
しかし二人については…それこそ、絶対に無理という物だ。
ということは何だろう、やっぱり離れていったり出来ないのか。よっぽどのことが無い限り、そんなことする気もないけれども。ていうか出来そうにないけど。
そんな事を考えて、息を吐く。
全く、こんな考えなんて……今更、だ。
気持ちを切り替えることにして、グッと伸びをする。
「さ、とっとと用事を済ませて帰るとしますか」
「……」
「晩はカレーで良いんだよな。多分だけど食材くらいは切ってると思うし」
「…」
「手伝うって?ありがとな。けどゆっくりしてても良いんだけど?」
「……」
「んー…そこまで言うなら…手伝ってもらおっか」
苦笑している間についた郵便局の、ドアにデスサイズは手をかけた。
大惨事はこうやって未然に防がれます。
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