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いやもう、こんなんでホントにすみません。
04.マシュマロ
それは、刹那が地上でのミッションから帰ってきた日の話。
自分の部屋に訪れた彼を出迎えると、刹那はいつもの様に言葉少なに挨拶をして、それから中に入り……机の上に、少しだけ大きめのビンを置いた。
「これは……?」
「町を歩いていたら見つけた」
透明なそのビンの中を覗き込むと中にはいくつもの、フワフワとした白いものが入っている。ちょうど、親指と人差し指でふにふにと押しつぶし易そうな、そんな大きさの、甘そうな菓子……マシュマロが。
「刹那がこういうのを買うのって、珍しいよね……どうかしたの?」
「いや……アレルヤが好きそうだと思ったから」
言いながら背けられた顔は、よくよく見れば赤に染まっている。照れているらしい。
そんな様子に微笑みを浮かべ、アレルヤはビンのふたを取った。
「刹那、こっち向いて」
「……?」
どうかしたのか、という顔をしながらも振り返る刹那の、その少しだけ開いている口の中にマシュマロを一つ、ポイッと投げ込む。
突然のことだったからか、彼の顔に驚きが広がった。
「……!?」
「どう?おいしい?」
「……まずくは、無い」
嚥下を終えるのを待ってから訊くと、返ってきたのはこんな返事。
……それはつまり、おいしいということ。
自分への土産として買ってきてくれたようだけど……それでも買った本人なのだから、一回くらいは食べておいてもいいだろう。折角なのに、味わいもしないのはもったいないと思う。
……という考えからの行動だったけれど、どうやら問題は無かったようだ。
微笑んで、それからアレルヤは自分もマシュマロを口にすべく、手を伸ばし……刹那に、その腕を掴まれた。
彼の行動に困惑して、問うように彼を見る。
「えと……刹那?」
「アレルヤだけが普通に食べるのは、ずるい」
「それは……え?」
一体、どういうことだろうか。
首をかしげている内に、刹那は素早くマシュマロを一つ手にとって、さっきの自分と同じように、それをアレルヤの口の中に放り込んだ。
不意を突かれて思わず固まると、してやったりという表情の刹那と目があう。
……………なるほど、よく分かった。この食べさせられ方は、結構…コメントしにくいというか……とりあえず、仕返しがしたくなるのは納得できた。
とまぁ、それはおいておいて。
「刹那……何で構えてるの……?」
「いや、とくに理由はない」
「理由なしで構えたりはしないよね!?ていうか君、そういうキャラだっけ!?」
「細かいことはどうでもいいだろう」
「細かくないから!」
マシュマロを構えて、ジリジリと近づいてくる刹那に、ほんのちょっとばかし恐怖を覚える。普段のキャラと違うことをされると、ここまで怖いものなのだと今、身をもって理解した。自分はできるだけしないようにしよう。
そして……。
「やっぱり、普通に食べるのが一番だよね」
「あぁ。さっきのはムダに疲れた」
「って、君がやってたんだけど……」
アレルヤはその後、何とか説得を成功させた。
その説得によって二人はベッドに腰掛けて、のんびりとマシュマロを口に運ぶという現在の状態へ。
ここまで持ってくるのは、なかなか……大変で。
さっきまでの状況を思い浮かべ、ため息を吐きそうになる。だが、刹那に心配をかけてしまいそうなので、何とか堪える。
代わりにマシュマロを取って、ポツンと呟いた。
「おいしいね」
「…そうだな」
返ってきた賛同の言葉に、アレルヤは笑んだ。
「……刹那、ありがとう」
「……………別に。いつものお礼だ」
お礼の言葉は自然と口から出て。
それを受けて再び顔を赤くした刹那は、本当に弟のようで。
見ていたアレルヤは、とても嬉しく思った。
さぁ、みんなで叫びましょう!
GUDA★GUDAだと!
……あぁ、本当に文才が欲しいです。
誰か、私に文才をくれないものでしょうか……