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上中下(場合によってはおまけ付き)、でおおくりする予定の香の効。
全体的にあれです。毛利さんが可哀想です。
酷く、困ったことが起こった。
困ったことだが…実害はないだろう。
元親は、現状をそういう類の事態だと受け入れていた。こんな状況でも死ぬことはないだろうし、いつまでもこのままということもないだろうし、それにこういう状況も面白くないわけではない。むしろ面白い。
…まぁ。
「俺が部屋の隅で膝頭抱えて座り込んでるってのは見ててやなもんだけどな…」
「諦めろ、元親。しゃーねーよ、あれは」
ぽん、と自分の肩を叩くのは、元就。
実際、中身は政宗なのだが。
そして自分は政宗の中。
元就は……部屋の隅で角の方を向いてうずくまって座り込んでいる、自分。
いわゆる人格交換というか。要はそれぞれの人格がそれぞれ入れ替わってしまったに過ぎないのである。
「にしてもその香、効き目あったんだな。見た目から胡散臭いってのに」
「俺もそれ思ってたぜ。何の効果もねぇだろうってよ」
「持ってきた張本人がそれで良いのかよ?」
中身は政宗の元就がそう言うので、元親…外は政宗だが…は、にっと笑って彼の背を叩いた。本物の毛利元就ならばこのようなことをしたら直ぐに武器が出てくるが、相手が政宗だとそんな心配もしなくて良い。本当に楽だ。
「良いじゃねぇか。実際に何か効果あったんだしよ」
「そりゃそうだが…ていうか元親、頼むから俺の顔でそんな明るすぎる笑顔は止めてくれねぇ?何か見てて凄ぇ違和感する」
「そうかい?…ま、俺がここまでやって大人しい毛利ってのも変なんだけどよ」
「確かにな。けど一番はアレだろ」
ちら、と部屋の隅にいるのを見て元就(政宗)が言う。
彼の視線を追って、思わず苦笑い。
「…否定できねぇな」
そこには当然ながら元親(元就)がいる。よっぽど衝撃的だったのか、入れ替わってしまった後からずっとあんな状態なのである。
出来るなら早く立ち直って欲しい。正直、中身が別物とはいえ自分があぁやって落ち込んでいる姿はあまり見たくはない。誰だってコレはいやだろう。
立ち直らせるのが無理なら、戻ればいいだけの話、なのだが。
だがしかし、そこで一つ問題。
戻し方が分からない。
…そもそも、元親自身もこの妙な香の効果など信じてはいなかったのだ。それでもやってみたのは、もしかしたら…というのが半分。もう半分は大したことはない、奥州に行く口実を得るためである。
何だかんだで、こっちにくると中々面白い事態が起こる。こちらにはよくよく客人が来るようだし、運が良ければ政宗の作る料理もいただけるし。海に勝るとは思わないが、陸の中でも奥州は二番目くらいに愉快な場所だと元親は認識しているのだ。ちなみに一番は当然ながら四国だが。
というのはともかく、として。
「さァて…これからどうするかねぇ。政宗はどうしたらいいと思う?」
「俺に訊くな俺に。アンタが持ってきた品じゃねぇか」
「仰るとおり、てか?ま、そうだよな。おーい、毛利ー、お前は…って聞いちゃいないか」
意見を聞くべく声をかけたのだが、やはり答えがない。
そんなに衝撃的だったのか?と首を傾げていると、隣から笑い声を含んだ声音が耳に届いた。
「よっぽど嫌だったのであろうな、元就は」
「…あそこまで拒否されると傷つくねぇ…で、政宗、頼むから毛利の喋り方真似るの止めてくれねぇ?」
「似てただろ?」
いたずらが成功した子供のように笑う元就(政宗)に政宗(元親)は思わず息を吐いた。
「似てるも何も本人の体で本人の声だろうが」
「違いねぇ…けどこれ、割と不便じゃねぇか?」
「そうか?何の問題も無いと思うんだが」
「じゃあ訊くが」
す、とこちらに人差し指を突きつけて、彼は言った。
「アンタ、俺の体に入ったままあの碇の形の槍、使えんのかよ」
「…無理だな」
「そして、俺も六爪は使えねぇ。元就in元親だったらまだ武器も扱えると思うけどな」
「綺麗に意気消沈ってか?」
「ここで敵が攻めてきたら問題が起こるじゃねぇか」
「奥州には竜の右目がいるだろ?」
だから大丈夫だろう?と返すと、元就(政宗)はそれはそれはとてつもなく朗らかな様子で笑みを浮かべた。つい鳥肌を立てたのは日頃の経験のせいだろうか。
「元就、良いか?家臣がpartyやってんのに、どうして俺だけ参加出来ねぇんだよ」
「あ、つまりお前が暴れたいだけか」
「折角のpartyなんだ、参加しない手はねぇだろ」
「お前らしいなァ、おい」
そんな風に話している間も、部屋の隅の一人はいつまでも隅にいるままだった。
あの丸い輪っか的な毛利さんの武器、使うのってコツが要りそうじゃありません?
困ったことだが…実害はないだろう。
元親は、現状をそういう類の事態だと受け入れていた。こんな状況でも死ぬことはないだろうし、いつまでもこのままということもないだろうし、それにこういう状況も面白くないわけではない。むしろ面白い。
…まぁ。
「俺が部屋の隅で膝頭抱えて座り込んでるってのは見ててやなもんだけどな…」
「諦めろ、元親。しゃーねーよ、あれは」
ぽん、と自分の肩を叩くのは、元就。
実際、中身は政宗なのだが。
そして自分は政宗の中。
元就は……部屋の隅で角の方を向いてうずくまって座り込んでいる、自分。
いわゆる人格交換というか。要はそれぞれの人格がそれぞれ入れ替わってしまったに過ぎないのである。
「にしてもその香、効き目あったんだな。見た目から胡散臭いってのに」
「俺もそれ思ってたぜ。何の効果もねぇだろうってよ」
「持ってきた張本人がそれで良いのかよ?」
中身は政宗の元就がそう言うので、元親…外は政宗だが…は、にっと笑って彼の背を叩いた。本物の毛利元就ならばこのようなことをしたら直ぐに武器が出てくるが、相手が政宗だとそんな心配もしなくて良い。本当に楽だ。
「良いじゃねぇか。実際に何か効果あったんだしよ」
「そりゃそうだが…ていうか元親、頼むから俺の顔でそんな明るすぎる笑顔は止めてくれねぇ?何か見てて凄ぇ違和感する」
「そうかい?…ま、俺がここまでやって大人しい毛利ってのも変なんだけどよ」
「確かにな。けど一番はアレだろ」
ちら、と部屋の隅にいるのを見て元就(政宗)が言う。
彼の視線を追って、思わず苦笑い。
「…否定できねぇな」
そこには当然ながら元親(元就)がいる。よっぽど衝撃的だったのか、入れ替わってしまった後からずっとあんな状態なのである。
出来るなら早く立ち直って欲しい。正直、中身が別物とはいえ自分があぁやって落ち込んでいる姿はあまり見たくはない。誰だってコレはいやだろう。
立ち直らせるのが無理なら、戻ればいいだけの話、なのだが。
だがしかし、そこで一つ問題。
戻し方が分からない。
…そもそも、元親自身もこの妙な香の効果など信じてはいなかったのだ。それでもやってみたのは、もしかしたら…というのが半分。もう半分は大したことはない、奥州に行く口実を得るためである。
何だかんだで、こっちにくると中々面白い事態が起こる。こちらにはよくよく客人が来るようだし、運が良ければ政宗の作る料理もいただけるし。海に勝るとは思わないが、陸の中でも奥州は二番目くらいに愉快な場所だと元親は認識しているのだ。ちなみに一番は当然ながら四国だが。
というのはともかく、として。
「さァて…これからどうするかねぇ。政宗はどうしたらいいと思う?」
「俺に訊くな俺に。アンタが持ってきた品じゃねぇか」
「仰るとおり、てか?ま、そうだよな。おーい、毛利ー、お前は…って聞いちゃいないか」
意見を聞くべく声をかけたのだが、やはり答えがない。
そんなに衝撃的だったのか?と首を傾げていると、隣から笑い声を含んだ声音が耳に届いた。
「よっぽど嫌だったのであろうな、元就は」
「…あそこまで拒否されると傷つくねぇ…で、政宗、頼むから毛利の喋り方真似るの止めてくれねぇ?」
「似てただろ?」
いたずらが成功した子供のように笑う元就(政宗)に政宗(元親)は思わず息を吐いた。
「似てるも何も本人の体で本人の声だろうが」
「違いねぇ…けどこれ、割と不便じゃねぇか?」
「そうか?何の問題も無いと思うんだが」
「じゃあ訊くが」
す、とこちらに人差し指を突きつけて、彼は言った。
「アンタ、俺の体に入ったままあの碇の形の槍、使えんのかよ」
「…無理だな」
「そして、俺も六爪は使えねぇ。元就in元親だったらまだ武器も扱えると思うけどな」
「綺麗に意気消沈ってか?」
「ここで敵が攻めてきたら問題が起こるじゃねぇか」
「奥州には竜の右目がいるだろ?」
だから大丈夫だろう?と返すと、元就(政宗)はそれはそれはとてつもなく朗らかな様子で笑みを浮かべた。つい鳥肌を立てたのは日頃の経験のせいだろうか。
「元就、良いか?家臣がpartyやってんのに、どうして俺だけ参加出来ねぇんだよ」
「あ、つまりお前が暴れたいだけか」
「折角のpartyなんだ、参加しない手はねぇだろ」
「お前らしいなァ、おい」
そんな風に話している間も、部屋の隅の一人はいつまでも隅にいるままだった。
あの丸い輪っか的な毛利さんの武器、使うのってコツが要りそうじゃありません?
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