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何気に骸率が高い気がするこのお題。
だって、骸くらいしかミルフィへの橋渡しが…
062:空っぽ
参ったと、うんともすんとも言わないパソコンを眺めて思う。
困ったことに、ハッキング中に何らかの罠を踏んでしまったらしい。お陰でパソコンの中にあったデータが綺麗にまっさらである。
いや、まぁ、悪いのは自分かもしれないけど。
というか、十中八九悪いのは自分だけども。
何せ、行っていたのがハッキングなのだし。
はぁ、と息を吐いて、しかしそれで現状を打開するための妙案が浮かんでくるわけでも、当然ながら無いわけであり。
グイド…否、骸ははぁ、ともう一度、ため息を吐いた。
「困りましたね……本当にどうしましょうこれ…」
これは、もう自分ではどうにもならない。
折角ミルフィオーレの情報が流れるようにと細工していたのに。これでは完全な形で細工が終わったわけでないから、そのシステムが作動するかは五分五分。それも、多めに見積もって。
そんな時である。
「どうかしたのか?」
どうするべきだろうかと、本気で悩んでいたところに救世主が現れた。
ぱぁぁっと顔を明るくして、骸はグイドの仮面を被ってくるりと振り返った。
「入江様!」
「…え、何でそんなに喜んで…って、あぁ、そういうことか…」
何も移していないパソコンの画面を見て全てを把握したのか、呆れたような表情を浮かべてスッと、骸の横から手を出してキーボードに触れた。
「何をどうしたらこうなるのやら…」
「…えぇと、それはまぁ…」
「別に良いよ、説明は。変なところにでも入ったんだろう?」
「…はい」
神妙に頷く。嘘ではないのだし良いだろう。
そうしている間に、パソコンは綺麗に修復されていった。
そんな骸様もありではないだろうか。