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佳人…薄命…とか考えてたんです。薄命って少ないから。何だかんだと言って殆ど生き残りそうだからね、一分例外があるとしても…。
005:佳人薄命
「濃姫様、お願いだから次の戦に出ないでよ」
「え?」
突然の蘭丸の言葉に、思わず目を丸くする。
「蘭丸君、一体どうしたのかしら?」
「…だって、光秀が言ってたんだもん」
「光秀が?何と?」
「綺麗な人って早く死んじゃうんだって。アイツ、本当のこと言わない事って良くあるけどさ、こういうこっちが嫌な気持ちになるようなことだけはちゃんと本当のこと言うから…本当だろうなって思って」
「……そう」
つまり心配してくれたと言うことなのか。
そのことに嬉しいと思うと同時に、彼自身が招いた評価だとはいえ……蘭丸にハッキリとあのように言われる光秀に何となく思うところがあった。出来るならもう少しくらい性格を改善してくれればいいと、本気で思うのだが。
流石に、慣れてしまっている自分でもあの性格はどうかと思うのであって。
……まぁ、治るものでも無かろうが。
だからあえてその部分は考えないことにして、蘭丸の頭をポンポンと叩いてやる。
「ありがとう、蘭丸君。けれど大丈夫よ?私は織田信長の妻だもの」
「…そうだね!濃姫様強いから大丈夫だよね!」
「えぇ。だから問題ないわ」
「でも、もしも濃姫様が危なくなったら」
と、彼はどこか真面目な表情で言った。
「その時は、蘭丸が助けるよ」
「あらあら心強いこと」
クスクスと笑いながら答えると、蘭丸は少しばかり頬を膨らませた。冗談だと受け取った、と思わせてしまったかもしれない。微笑ましいと思っただけで、実際はそうとは違うのだけれど。
光秀はきっと、人が嫌がる事実しか教えないに違いない。
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