式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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横暴の真骨頂。といったところでしょうか。
英語の時間が、これほどまでにつまらなかった時はあっただろうか。
頬杖を付き、黒板を眺めながらティエリアは内心で苛立っていた。
全く、前回も思ったが何という面倒なのか。どうせ追い出されることは目に見えて分かっているというのに、というか追い出されるための条件を彼らは勝手に満たしてしまっているというのに。
何時までこの茶番に付き合わなければならないのだろう。
ただ、流石に昨日の今日で追い出そうとはティエリアでも思わない。昨日は結局紹介しか無く、授業の方は全く受けていないのである。
判定をするにしても、そこは一応見ておくべきだろう。
だが。
「…退屈だな」
教壇に立つグッドマンとやらに聞こえない程度に呟き、ノートに視線を落とす。そこには予習の跡があるだけで、授業で言われた内容などはこれっぽっちも記されていなかった。記す必要性を感じなかったのである。
別に、下手な授業ではないだろう。だが、自分から見るとあまり面白い授業でもないし、聞きたいと思えるほどためになる内容ではない。
正直、予習だけで充分だった。
だから授業も意識半分で聞いていた。もちろん、当てられでもしたときに反応するためだ。目を付けられてしまってはどうしようもない。ノートの方は、予習時点で完璧なので特に言われることはないだろう。
そんな様子でそこそこ穏やかに進んでいた授業。
だが。
「ヒリング・ケア、一体何をしているのかかね?」
「…は?」
突然に名指しで呼ばれたヒリングは、突然のことに反応も返せないようだった。どうにか訝しげな視線だけは作ることが出来ていたのだが、それはこの場合は逆効果だろう。
実際、あの教師はその視線を反抗の意志として認めたようだった。
不機嫌そうにヒリングの方を見て、口を開いた。
「授業中にシャープペンシルなど回して、真面目に聞く気はないのかね?」
「…ちょっとしたクセなんだから良いじゃない」
「良いわけがないだろう。そして教師に対するその口調もなっていないなぁ?よって三年C組・ヒリング・ケアは明日から停学だ」
「な…っ!?」
「ちょっと待ってください」
「それは横暴が過ぎるのではないか?」
愕然とするヒリングを見かねてか立ち上がったリヴァイヴと声を合わせ、ティエリアもグッドマンに異議を申し立てた。ペン回しをして、言葉遣いが悪かった。それで注意するのは彼らの目的を考えれば当然の事。
しかし、その程度で停学、などと。
常識的に見て、有り得ない。
同様にそれを思ったのだろう、リヴァイヴは続けて相手を睨みながら言う。
「横暴どころではなく、これでは独裁です。教育の場でそのような言動こそ慎まれるべきではないかと僕は思いますが」
「同感だ。それに忘れてもらっては困るが、貴方たちはここに来てまだ日の浅い新参者だ。この学園には学園の長所があり、また特色がある。いくら貴方たちの目的がそれを有る程度消すことであったとして…それはやり過ぎだ」
「…ほう、君たちも口答えするのかね」
不機嫌さは消え、今度は楽しそうな笑みさえ浮かべる相手に、ティエリアは悟った。
この教師たちは反抗分子を全員停学にして、反対勢力が誰もいなくなった学園を改変していくつもりなのだ。生徒の停学が解けて帰ってきてみれば学園の在り方が根本から変わっていて、元に戻すことが出来なくなるような状況にするのが彼らの理想、といったところなのだろう。
それくらいしなければ、確かにこの学園は変わらないかも知れない。
そうだとして、やはり限度は存在する。
だというのに。
「ならば君たちも停学だ」
あっさりと言ってのけた教師を、ティエリアは軽蔑の眼差しで見た。もちろん、これ以上相手にするのは面倒なので気付かれない程度に。
こんな事をして無事に済むわけがないだろうに、それさえも分からない愚か者。
ティエリアは机の上を手早く片付けてガタ、と席を立った。
「ティエリア・アーデ、どこへ行くのだね?」
「停学だというのだろう?ならば今すぐにその処分に甘んじようと思っただけだが」
そうとだけ言って捨て、ティエリアは教室の出入り口に向かった。
「ティエリア、君が休む間の情報は僕が持っていく」
「あぁ、頼む」
途中でこそりとそう言ったリジェネに小声で答え、同じく席を立ったヒリングとリヴァイヴと一緒に、ブリングやデヴァインのやや心配げな視線を受けつつ教室から出る。
ある意味、これが『全面戦争』のスタートだろうと思いながら。
横暴すぎるけど、このくらいやりかねないよね、という。
そして戦争は始まるのです。
頬杖を付き、黒板を眺めながらティエリアは内心で苛立っていた。
全く、前回も思ったが何という面倒なのか。どうせ追い出されることは目に見えて分かっているというのに、というか追い出されるための条件を彼らは勝手に満たしてしまっているというのに。
何時までこの茶番に付き合わなければならないのだろう。
ただ、流石に昨日の今日で追い出そうとはティエリアでも思わない。昨日は結局紹介しか無く、授業の方は全く受けていないのである。
判定をするにしても、そこは一応見ておくべきだろう。
だが。
「…退屈だな」
教壇に立つグッドマンとやらに聞こえない程度に呟き、ノートに視線を落とす。そこには予習の跡があるだけで、授業で言われた内容などはこれっぽっちも記されていなかった。記す必要性を感じなかったのである。
別に、下手な授業ではないだろう。だが、自分から見るとあまり面白い授業でもないし、聞きたいと思えるほどためになる内容ではない。
正直、予習だけで充分だった。
だから授業も意識半分で聞いていた。もちろん、当てられでもしたときに反応するためだ。目を付けられてしまってはどうしようもない。ノートの方は、予習時点で完璧なので特に言われることはないだろう。
そんな様子でそこそこ穏やかに進んでいた授業。
だが。
「ヒリング・ケア、一体何をしているのかかね?」
「…は?」
突然に名指しで呼ばれたヒリングは、突然のことに反応も返せないようだった。どうにか訝しげな視線だけは作ることが出来ていたのだが、それはこの場合は逆効果だろう。
実際、あの教師はその視線を反抗の意志として認めたようだった。
不機嫌そうにヒリングの方を見て、口を開いた。
「授業中にシャープペンシルなど回して、真面目に聞く気はないのかね?」
「…ちょっとしたクセなんだから良いじゃない」
「良いわけがないだろう。そして教師に対するその口調もなっていないなぁ?よって三年C組・ヒリング・ケアは明日から停学だ」
「な…っ!?」
「ちょっと待ってください」
「それは横暴が過ぎるのではないか?」
愕然とするヒリングを見かねてか立ち上がったリヴァイヴと声を合わせ、ティエリアもグッドマンに異議を申し立てた。ペン回しをして、言葉遣いが悪かった。それで注意するのは彼らの目的を考えれば当然の事。
しかし、その程度で停学、などと。
常識的に見て、有り得ない。
同様にそれを思ったのだろう、リヴァイヴは続けて相手を睨みながら言う。
「横暴どころではなく、これでは独裁です。教育の場でそのような言動こそ慎まれるべきではないかと僕は思いますが」
「同感だ。それに忘れてもらっては困るが、貴方たちはここに来てまだ日の浅い新参者だ。この学園には学園の長所があり、また特色がある。いくら貴方たちの目的がそれを有る程度消すことであったとして…それはやり過ぎだ」
「…ほう、君たちも口答えするのかね」
不機嫌さは消え、今度は楽しそうな笑みさえ浮かべる相手に、ティエリアは悟った。
この教師たちは反抗分子を全員停学にして、反対勢力が誰もいなくなった学園を改変していくつもりなのだ。生徒の停学が解けて帰ってきてみれば学園の在り方が根本から変わっていて、元に戻すことが出来なくなるような状況にするのが彼らの理想、といったところなのだろう。
それくらいしなければ、確かにこの学園は変わらないかも知れない。
そうだとして、やはり限度は存在する。
だというのに。
「ならば君たちも停学だ」
あっさりと言ってのけた教師を、ティエリアは軽蔑の眼差しで見た。もちろん、これ以上相手にするのは面倒なので気付かれない程度に。
こんな事をして無事に済むわけがないだろうに、それさえも分からない愚か者。
ティエリアは机の上を手早く片付けてガタ、と席を立った。
「ティエリア・アーデ、どこへ行くのだね?」
「停学だというのだろう?ならば今すぐにその処分に甘んじようと思っただけだが」
そうとだけ言って捨て、ティエリアは教室の出入り口に向かった。
「ティエリア、君が休む間の情報は僕が持っていく」
「あぁ、頼む」
途中でこそりとそう言ったリジェネに小声で答え、同じく席を立ったヒリングとリヴァイヴと一緒に、ブリングやデヴァインのやや心配げな視線を受けつつ教室から出る。
ある意味、これが『全面戦争』のスタートだろうと思いながら。
横暴すぎるけど、このくらいやりかねないよね、という。
そして戦争は始まるのです。
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