式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
四人集まって。ブリーフィングルームにて。
「えっと…今回は、タリビアさんを攻撃する、んだよね」
「そういうことらしいが」
トレミーの人間が誰もいないブリーフィング・ルームにて。
エクシアたちは誰が何ということもなく集合していた。
誰かが集まろうと言い出したわけではない。しかしいつの間にか集合していた。場所が地上ではなく宇宙のここである理由は、何だかんだと言ってやはり一番集まりやすい場所だからだろうか。マイスターの住居に居座るのはたまに居心地が悪い。相手に自分たちのことが見えていないから余計に。
だからといって、ずっと精神を本体の中に宿しておくのは退屈だ。動きはしないし、だから風景も変わらない。しかも風景と言ったら無機質な人工の壁のみである。見ていて楽しい物ではないと断言させてもらおう。
もっとも、それを見続けることが苦になるわけではない。有る程度離れている。
純粋に、気まぐれ。
それが自分の動機であって、他のメンバーには他に動機があるだろう。ヴァーチェの場合は一番分かりやすいが、今も本体がこの艦に乗っているからだろう。デュナメスは少し気になったから、キュリオスは…少し心配だからか。
そしてそんなキュリオスは、床に腰を下ろし壁に背を預けて両膝を立てて座り、どこか不安げな、気弱な表情を浮かべていた。
「ねぇ、それで決定的に嫌われてしまったらどうしよう…」
「何を今更。我々は嫌われるために存在しているような物だろう」
「それはそうなんだけど…やっぱり嫌だな」
「安心しろ、今でも充分嫌われているだろうからな」
「…うぅぅ…」
「ヴァーチェ、キュリオス虐めるのは止めてやれ」
見かねたらしいデュナメスが会話に割って入った。
しかしそのせいで次は彼に標準が当てられてしまったらしい。じ、と見つめ始めたヴァーチェの目にたじろいだのか、デュナメスはやや身を引いた。一歩後ずさったとも言う。
「そういえば、弱い者いじめは好きではないなどと愚痴を言っていたらしいな」
「なっ……どこでそれを…ってハロか?情報源ハロだな?」
「他にも色々と言ってくれたぞ?良い相棒を持ったな、デュナメス」
「マジでかアイツ……俺、何か恨まれるような事したか…?」
「恨まれなくても同じような事態にはなっただろうと断言してやる。そして付け加えると、俺の見たところではまだマシな状況だろう」
「これでか」
「そう言ったはずだが?」
「本気で言ってるな?」
「俺が本気でない理由がどこにある?」
……などという会話を聞いていると、何だか少しデュナメスが不憫になってくるかも知れない。だが、エクシアは別に何も思わなかった。冷たいのではなくて、慣れた。どんどんと追い詰めていっているようなヴァーチェの喋り方だが、悪気はないのだと分かるから何か言うべき内容があるわけでもない。
しばらくはじゃれ合いに近いそれらを行っていてもらおうと決めて、エクシアはちょんとキュリオスの隣にしゃがんだ。
そして、口を開く。
「嫌われるのは嫌か?」
「嫌というか…悲しいかな」
「だが、そろそろいい加減に完全な嫌われ者になるのは間違いないぞ?」
「分かってるんだけど……やっぱり」
悲しいのだと、彼はやはり悲しげに微笑んだ。
「僕らは僕らの理念とか、意志とか持って戦っている……と言ったら、少し誇張しすぎだね。みんなはともかくとして、僕は理念なんて無いから」
「安心しろ、俺もない。俺たちは戦うだけの存在で、ただそれだけだ」
「エクシアらしい物言いだね…ともかくね、そんな存在の僕が言うのはちょっとどころじゃなくてダメなのかも知れないけど、嫌われるのは、悲しいよ」
微笑んだまま言うキュリオスに、静かにエクシアは答えた。
「お前は、どうしてお前として生まれた」
もしも、という言葉はあまり好きではないが。
もしも違う人生という物があったら。
戦うには向かない性格というのは、確かに存在するのだ。
「ありがとう。…そう言ってくれる君こそ、どうして僕と同じ存在なんだろうね」
悲しさの中に少しの寂しさの入った表情で、キュリオスは返した。
彼も思ったのだろう。もしも、と。
もしもそれ以外の道があったのなら。
だが。
エクシアは静かに、言った。
「それは、俺が俺だからだ」
だから存在理由は果たす。どのような物であったとしても。
それが、自分だ。
こんな話の裏にもハロ様の影が…。大丈夫、嫌われてるんじゃないから、きっと。
「そういうことらしいが」
トレミーの人間が誰もいないブリーフィング・ルームにて。
エクシアたちは誰が何ということもなく集合していた。
誰かが集まろうと言い出したわけではない。しかしいつの間にか集合していた。場所が地上ではなく宇宙のここである理由は、何だかんだと言ってやはり一番集まりやすい場所だからだろうか。マイスターの住居に居座るのはたまに居心地が悪い。相手に自分たちのことが見えていないから余計に。
だからといって、ずっと精神を本体の中に宿しておくのは退屈だ。動きはしないし、だから風景も変わらない。しかも風景と言ったら無機質な人工の壁のみである。見ていて楽しい物ではないと断言させてもらおう。
もっとも、それを見続けることが苦になるわけではない。有る程度離れている。
純粋に、気まぐれ。
それが自分の動機であって、他のメンバーには他に動機があるだろう。ヴァーチェの場合は一番分かりやすいが、今も本体がこの艦に乗っているからだろう。デュナメスは少し気になったから、キュリオスは…少し心配だからか。
そしてそんなキュリオスは、床に腰を下ろし壁に背を預けて両膝を立てて座り、どこか不安げな、気弱な表情を浮かべていた。
「ねぇ、それで決定的に嫌われてしまったらどうしよう…」
「何を今更。我々は嫌われるために存在しているような物だろう」
「それはそうなんだけど…やっぱり嫌だな」
「安心しろ、今でも充分嫌われているだろうからな」
「…うぅぅ…」
「ヴァーチェ、キュリオス虐めるのは止めてやれ」
見かねたらしいデュナメスが会話に割って入った。
しかしそのせいで次は彼に標準が当てられてしまったらしい。じ、と見つめ始めたヴァーチェの目にたじろいだのか、デュナメスはやや身を引いた。一歩後ずさったとも言う。
「そういえば、弱い者いじめは好きではないなどと愚痴を言っていたらしいな」
「なっ……どこでそれを…ってハロか?情報源ハロだな?」
「他にも色々と言ってくれたぞ?良い相棒を持ったな、デュナメス」
「マジでかアイツ……俺、何か恨まれるような事したか…?」
「恨まれなくても同じような事態にはなっただろうと断言してやる。そして付け加えると、俺の見たところではまだマシな状況だろう」
「これでか」
「そう言ったはずだが?」
「本気で言ってるな?」
「俺が本気でない理由がどこにある?」
……などという会話を聞いていると、何だか少しデュナメスが不憫になってくるかも知れない。だが、エクシアは別に何も思わなかった。冷たいのではなくて、慣れた。どんどんと追い詰めていっているようなヴァーチェの喋り方だが、悪気はないのだと分かるから何か言うべき内容があるわけでもない。
しばらくはじゃれ合いに近いそれらを行っていてもらおうと決めて、エクシアはちょんとキュリオスの隣にしゃがんだ。
そして、口を開く。
「嫌われるのは嫌か?」
「嫌というか…悲しいかな」
「だが、そろそろいい加減に完全な嫌われ者になるのは間違いないぞ?」
「分かってるんだけど……やっぱり」
悲しいのだと、彼はやはり悲しげに微笑んだ。
「僕らは僕らの理念とか、意志とか持って戦っている……と言ったら、少し誇張しすぎだね。みんなはともかくとして、僕は理念なんて無いから」
「安心しろ、俺もない。俺たちは戦うだけの存在で、ただそれだけだ」
「エクシアらしい物言いだね…ともかくね、そんな存在の僕が言うのはちょっとどころじゃなくてダメなのかも知れないけど、嫌われるのは、悲しいよ」
微笑んだまま言うキュリオスに、静かにエクシアは答えた。
「お前は、どうしてお前として生まれた」
もしも、という言葉はあまり好きではないが。
もしも違う人生という物があったら。
戦うには向かない性格というのは、確かに存在するのだ。
「ありがとう。…そう言ってくれる君こそ、どうして僕と同じ存在なんだろうね」
悲しさの中に少しの寂しさの入った表情で、キュリオスは返した。
彼も思ったのだろう。もしも、と。
もしもそれ以外の道があったのなら。
だが。
エクシアは静かに、言った。
「それは、俺が俺だからだ」
だから存在理由は果たす。どのような物であったとしても。
それが、自分だ。
こんな話の裏にもハロ様の影が…。大丈夫、嫌われてるんじゃないから、きっと。
PR
この記事にコメントする