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超久々のAnother Storyの00です。
「ありがとうデュナメスっ!」
アレルヤの独断行動の区切りついた頃…つまり、全てが終わった後。
突然地上に現れたキュリオスに突然力の限り抱きつかれ少しよろめいたが、直ぐに体勢を整えて…手の置き場をどうしようとデュナメスは困惑した。
思わず『付き添いです』と言わんばかりに…彼の場合は『目付役だ』とでも言いそうだがそれはさておいて…オレンジ色の彼についてきたヴァーチェに事情説明を求める視線を送ると、ため息を吐いて彼は口を開いた。
「お前とエクシアがあの時、居住ブロックだったか、あれを押し上げるときに手助けをしただろう。それの礼がしたいとコイツが言い出して聞かなかっただけだ」
「…成る程」
それでこれほどまでに。
納得はしたが、だからといってどう扱えばいいのか分からない。突き放すのは以ての外で思考の外。肩に手を置くくらいが無難だろうか。だが、それもどうかと思う。何かが違うのである。
結局考えた末、頭を撫でることにした。
殆ど自分たちと同じ年代を存在し続けている相手にこれは些か子供相手過ぎと、あるいは言われるかも知れない。実際ヴァーチェには現在進行形でそういう意見の籠もっていそうな視線を向けられている。
けれどもこれが一番だろう。何というか、こういう扱いがキュリオスには似合う。気弱で、割と感情が直ぐに出てくるからだろうか。子供であるわけではないが、子供っぽさが残っているのである。
「エクシアにはお礼は言ったのか?」
「まだだよ。まずはデュナメスにって思って。…あの射撃、大変だったでしょう?」
「まぁ、成層圏の向こう側だしな」
しかしあれはちゃんとした装備を使って狙ったから当たった。この結果にはロックオンの腕も大いに貢献していることだろう。もちろんハロの存在も同様に。
ちなみにそのハロはというと今はスリープモードに入っていて、完全に熟睡状態だった。起きるのは明日になってからだろう。
「ところでキュリオス、真面目な話なんだが…アレルヤはどうしてる?」
「…ちょっと…怒られ気味、かな」
「誰に…とは訊かなくても良いか」
「あぁ。当然ながら俺のマイスターに、だ」
ヴァーチェが言い、やっぱりなとデュナメスは苦笑した。
それは怒るだろう。作戦をとことん無視した独断行動だ。自分やエクシアはそれもまた良しと思い、むしろ気乗りして手助けをしたし、キュリオスはそもそも言うまでもなく、ヴァーチェまでもがそれ程怒ってはいないようなのだが、自分たち以上に彼にとっては作戦行動が全てらしいというのは見ていて分かっている。
「そういえばヴァーチェ、今回あまり怒ってないよね」
「まるで俺は怒っているのが常態であるように言うな。…だが、まぁ、今回は大目に見るべきだろうと思っている。あれは事故だったようだからな。むしろ何百もの人間を見殺しにしてしまうのはどうかと思う」
もちろん作戦行動内に見捨てること、あるいは殺すことが含まれていたら話は別だ。
そう付け加えて、ヴァーチェは静かに目を閉じた。
「我々の存在を見る以上は偽善と言えば偽善だが、それで人が死ななかったというのは事実だ。そこは評価するべきだろう?」
「…うん!」
とても嬉しそうに笑って、キュリオスはデュナメスから離れ……今度はヴァーチェに抱きついた。自分の時と同じくらいに力強く。
「ヴァーチェもありがとう!」
「…あ……あぁ……いや、待て」
と、ヴァーチェはキュリオスの肩を押して、少し身を離した。
「俺が感謝されるいわれはないだろう。何もしてないぞ?」
「え?でもやっぱりありがとうだけれど」
「わけが分からないんだが」
「つまり、理解してくれて賛同してくれてありがとう、ってことだろ?」
話が進みそうになかったので横から解説を入れてやると、明るく輝く顔と、ようやく合点がいったと言わんばかりの表情がこちらに向けられた。幸いなことに、自分の言ったことは正しかったらしい。正しいと思ったから言ったのだが。
「デュナメスはやっぱり凄いよね。僕の言いたいことも分かっちゃんだもの」
「いや、お前は結構分かりやすいぞ?」
「同意するな、その意見には。顔に感情が出やすい」
「…そうなんだ?…だからババ抜きとか勝てないのかな」
「関係…あるかもな」
というか間違いなくそれはそれが原因だ。
どうやったら治せるかと本気で考え込んでいるキュリオスに、思わず微笑ましさを覚えて笑みを浮かべる。
こういう仲間を持つことが出来たのは、とても幸運だと思った。
00一期懐かしいなぁ…。
そしてエクシアが出てこなくてごめんなさい。